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米Dellのマイケル・デル会長が来日会見
~Adamoはデザイン性を求める顧客に売りたい

Dellのマイケル・デル会長兼CEO


 米Dellのマイケル・デル会長兼CEOが来日し、都内で記者会見を行なった。

デザインを追求したノートPC「adamo」

 デル会長は、先頃発表したスタイリッシュノートPC「Adamo」について触れ、「Adamoは、美しい製品として、また優れた機能を搭載した、イノベーティブな製品として投入した。デザイナーウォッチを所有するような、ファッションに強い意識を持った顧客、ベストなエンジニアリングを求める顧客、デザイン性を求める顧客を対象に販売していく。Adamoは、他社の製品(=MacBook Air)が登場する前から商品企画を始めたものである」としたほか、「2年前から製品とデザインの体制を変更し、その成果によって新たな製品が創出されている。さまざまな製品ラインを揃えることで、コンシューマ事業を拡大したい」などとした。

 デル会長は、コンシューマPC市場の低迷についても言及。「全体の需要状況はわからないが、Dellにとっては、まだまだシェアが低い領域であり、見方を変えれば、成長できる分野。実際に昨年度は、35%もの成長を遂げ、業界の成長を大きく上回った。製品を提供する会社として、新たな製品を買いたくなるような環境を作らなくてはならない。十分な機能を蓄積した魅力的な製品を投入する。Windows 7や3G、3D、タッチスクリーンといった機能の搭載のほか、薄型・軽量のデザインなどによって、需要を創出する責任があると考えている。小売店の数についても、今年はさらに拡大することできる。コンシューマ分野における事業拡大は今年も成功するはずだ」と意欲を見せた。

 さらに、ネットブックについては、「今後も継続的な成長が続くだろう」と指摘しながら、「3Gをネットブックに統合したのは当社が最初。全世界でキャリアとの協力関係を確立している。日本市場に向けには、10インチ液晶を搭載したモデルを投入する考えであり、続けて追加モデルをこの1年のうちに投入する」と、日本市場に向けた新製品投入にも言及した。

 噂されるスマートフォンの投入については、「小さな画面を持った装置は出したいと思っている。当社の今後の発表に注目してほしい。この2年で9社の企業買収を行なっており、その中心は、サーバー、ストレージ、サービス、データセンターであったが、オプションとして小型のモバイルインターネット機器の製品化のための買収の可能性もある」とした。

厳しい状況が続く経済 ITによる生産性、効率化、イノベーションを勝利のカギとする 各分野にいち早くイノベーションを届けるため行なっていること

 また、1月30日締めの2009年度決算では、売上高が前年並みの611億ドル、営業利益は7%減の31億ドル、純利益は16%減の24億ドルとなったことに触れるとともに、日本/アジア太平洋地域での業績が好調だったことに言及。「日本/アジア太平洋地域では、出荷台数が21%増となり、業界全体の6%増を上回った。BRICs市場においては、34%増の成長となっており、グローバルコンシューマも35%増の成長となっている。日本では、コンシューマ分野において、過去18カ月で1,000店舗以上の小売り店舗での取り扱いを開始し、エンタープライズ分野においては、カスタマー・イノベーション・センターを開設した。日本の市場全体では第2位、大企業向けエンタープライズ分野では1位、iSCSIストレージ分野では1位となっている」などした。

 すでに発表している2011年度までのコスト削減目標を30億ドルから40億ドルに引き上げたことに関しては、「すでに30億ドルの削減目標の到達が視野に入ってきたことから、さらに引き上げた。コスト改善によって、データセンター、サービスなどの分野に対して積極投資していく」と語った。具体的なコスト削減案件については、日本での動きを含めて明言を避けた。

2009年会計年度は売上高360億ドル、営業利益36億ドル。日本とアジア太平洋地域は出荷台数で21%増と好調。コンシューマ事業も世界で35%増と大きく成長した 日本での事業展開では、コンシューマ分野で小売店への流通を1,000以上に拡大し、大企業向けエンタープライズ分野などで1位となっている

 また、同社では、ノートブック、エンタープライズ、コンシューマ、中小企業、新興国の5つの成長イニシアチブに対して優先投資しているが、その成長をドライブするために、新たに「大企業」、「公共機関」、「中小企業」、「コンシューマ」の顧客層ごとの4つのグローバルなビジネスユニットを編成した。

 「エンタープライズ分野においては、複雑性の解決が課題。アジア太平洋地域のCIOの66%がITの複雑さが大きな課題であると語っている。リソースを最大限に活用するためには、標準化が重要なポイントとなる。一方、公共機関においては150億ドル、中小企業においては150億ドル、コンシューマでは120億ドルの売り上げ規模がある。こうした市場に対して、標準化されたITインフラを継続的に提供すること、ITを活用することでのイノベーションを支援すること、グリーンの領域に対して、テクノロジを活用し、省エネを実現することの3つのテーマから取り組んでいくことになる」とした。

 グリーンに関しては、カーボンニュートラルを達成した世界初のIT企業であることを改めて強調した。

 IBMがSun Microsystemsを買収するとの一部報道に対しては、「SunのSPARCおよびSolarisのユーザーは、Dellのx86サーバーの環境に移行しはじめており、すでに多くの事例がある。今回の噂によって、Sunのユーザーは心配が増えることになり、さらに移行を検討するユーザーが増えることになるだろう。IBMもx86サーバーを投入しているが、Dellは、IBMの2.5倍ものx86サーバーを売っている。当社にとっては、むろしチャンスだと思っている」などとした。

□Dellのホームページ(英文)
http://www.dell.com/
□関連記事
【3月18日】デル、16.4mmの薄型スタイリッシュノート「Adamo」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0318/dell.htm

(2009年3月24日)

[Reported by 大河原克行]

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