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CeBIT 2009レポート【Intel記者説明会編】

不況下でもノートPCには成長の余地

米Intel カレン・レジス氏

会期: 3月3日〜8日(現地時間)

会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 Intelは独ハノーバーで開催中のICT展示会CeBITにおいて記者説明会を開催し、今年同社が投入を予定しているノートPCやデスクトップPCのプラットフォームを解説した。

 その中でIntelは、現行のノートPC向けプラットフォームであるCentrino2プロセッサー・テクノロジ(Montevina)のリフレッシュ版となるMontevina Plusを第2四半期に投入するほか、Consumer ULVと呼ばれる599〜1,299ドル程度のコンシューマ向けの低価格な薄型ノートPCの市場に積極的に取り組んでいくという方針を明らかにした。

●第2四半期にMontevina Plusを投入

 Intelのレジス氏は「ノートPCはよりパーソナルなデバイスとして普及している。最初は家庭に1台のPCが、そして1部屋に1台となり、今は1人に1台の時代を迎えつつある」と指摘し、「厳しい経済情勢下ではあるが、それでもノートPCには潜在的な成長の余地がある」と述べた。

 レジス氏によれば、Intelが現在家庭などにあるPCを調べたところ、新しいPCほどノートPCの比率が高く、古いPCほどデスクトップPCが多いことがわかったという。つまり、ノートPCは比較的短い期間でリプレースされていることを示しており、そこにPCメーカーのビジネスチャンスがあると指摘した。

 その上でIntelとしてはノートPCの進化を促進すべく、新しいプラットフォームを投入する計画であるという。具体的な製品として同社が第2四半期に投入を計画しているMontevina Plusと呼ばれる、現行Centrino2プロセッサ・テクノロジの改良版(以前はMontevina Refreshと呼ばれていた)の解説を行なった。

 Montevina Plusでは、いくつかの新しい要素が追加される。レジス氏によれば、CPUには新たに3.06GHzのSKU(OEMメーカー筋の情報によればCore 2 Duo T9900というプロセッサナンバーだという)が追加されるほか、Montevinaプラットフォームの中でもユーザーにとって最も意味のある機能であるスイッチャブルグラフィックスの機能が拡張され、「製品によるが15〜20分程度のバッテリー駆動時間の延長が望める」効果があるという。このほか、GM47/45の内蔵GPUのドライバが改善され3D性能やビデオ再生クオリティが改善されるという。

ノートPCには強い潜在需要がある Intelの調査によれば、ノートPCは比較的短い期間でリプレースされることが多いという Montevina Plusプラットフォームの説明スライド

●Nehalem世代ではプロセッサの省電力機能が高度化

 IntelがこうしたMontevina Plusといった新しいプラットフォームを導入する背景には、次世代プラットフォームとなるCalpella(カルペラ)プラットフォームが微妙な位置づけになってしまっていることがある。

 Intelは今年の後半(OEMメーカー筋の情報によれば第3四半期後半)にCalpellaプラットフォームを導入するが、リリース当初のCPUはGPUを内蔵しないクアッドコア版のClarksfiledだけがリリースされることになり、デュアルコア版のArrandaleは2010年前半(OEMメーカー筋の情報によれば第1四半期の前半)に遅れて投入されることが明らかになっている。

 レジス氏によればClarksfiledとArrandaleの位置づけは「現行のクアッドコア版、デュアルコア版と同じ位置づけになる」とのことなので、Calpellaのリリース時には、メインストリーム向けのSKUが存在しないという事態になるのだ。このため、メインストリーム市場に関しては、現行のMontevinaを引っ張る必要があり、そのてこ入れとしてMontevina Plusが導入されることになったのだ。

 Calpellaプラットフォームに関してレジス氏は2つの点をアピールした。1つはClarksfiledの省電力機能についてで、Nehalem世代のCPUは、電力管理のスイッチがCPUに統合されているため、特定のコアだけをオンにしたり、オフにしたりということが可能になっているという。これにより必要のないコアの電源を落とせば、リーケージ電力(漏れ電力)を0にすることができる。この機能はコアだけでなく、メモリコントローラやキャッシュ、I/Oコントローラなどにも有効で、使っていない時には電力を動的に削減できるという。

 2つめは、Core i7でも採用されている「Intel Turbo Boost Technology」の機能を有効に利用できることだ。必要のないコアの電力をカットすることで、CPUの消費電力は下がり、発熱量も減る。つまり熱設計の観点からは余裕ができるので、動いているコアの周波数を上げることができる。これを利用して、負荷が低くCPUコアが2つしか動いていない時や1つしか動いていない時にはCPUの動作周波数を引き上げることができる。

Clarksfiledでは電源スイッチがCPU上にあるので、CPUコアをそれぞれ電源オフにしたりが可能になる Core i7でも採用されているIntel Turbo Boost Technologyがモバイルにも採用される

●薄型ノートPCの価格を599〜1,299ドルに

 また、レジス氏は、IntelがOEMメーカーなどに採用を呼びかけているコンシューマ向けのULVノートPCについての説明を行なった。“Consumer ULV”と通称されるこれらのカテゴリーは、14〜15インチのメインストリーム向け薄型ノートPCと10インチ以下のネットブックとの間を埋めるコンシューマ向けのノートPCの取り組みだ。

 つまり、11インチ〜13インチ程度で、ULVのCPUを採用したノートPCのことで、ULVとは、Ultra Low Voltageの略で、デュアルコアで10W、シングルコアで5.5Wの熱設計消費電力を持つCPUを指す。現在PCメーカーやIntel、AMDのようなコンポーネントベンダはこの市場に大きな興味を持っており、業界を挙げての取り組みが行なわれ始めている。

 日本のユーザーにとっては、11〜13インチ程度でULVのCPUを搭載したノートPCというのは別に珍しい存在ではないと思うが、実は日本以外の市場ではほとんど注目されていない市場だった。1つには、この分野の製品が1,500ドル(約15万円)を超える価格帯に設定されており、決して一般消費者が気軽に買える値段ではなかったからだ。

 そこで、Intelが音頭をとり、この市場を広げていくことで、コンポーネントなどの低価格化を実現しようという試みが始まっている。レジス氏によればIntelが想定しているConsumer ULVの価格帯は599〜1,299ドル程度という。Celeronなどの低価格のSKUを選択すれば6万円強で11〜13インチ液晶を搭載した薄型ノートPCが登場する可能性があるだけに、その動向が注目される。

世界市場では、薄型ノートPCは主に法人需要が中心で、コンシューマ向けにはあまり普及していなかった Consumer ULVでは、薄型ノートPCの価格を599〜1,299ドル前後にすることを目指している

●Core i7は現時点で地球にある最高性能のプロセッサ

 Intel ビジネスクライアント事業部 マイクロプロセッサマーケティングディレクター ザン・ボール氏は、IntelのデスクトップPC向けプラットフォームの戦略について語った。ボール氏は昨年の11月に発表したCore i7が、この厳しい経済上の中でも比較的順調に立ち上がったことに触れ「間違いなく現時点で地球上にある中で最強のプロセッサ」だと、現時点では性能面で他を引き離す存在であることを強調した。

 その後、Nehalemをメインストリームへともたらす役目を果たすIntel 5シリーズチップセットの概要を説明し、CeBIT初日に開催された記者会見でも行なわれた32nmプロセスルールで製造されるClarkdaleを利用したデモを再び披露した。

 また、Atomプロセッサから構成されるネットトップについても触れ、「ConroeベースのCeleronがCPU+チップセットの消費電力が60Wになるのに対して、Atomはデュアルコアでも33Wでしかない」と述べ、Atomのアドバンテージを強調した。

Core i7は地球上に現存するプロセッサの中で最強の製品と主張 Intel 5 Series Chipsetの説明、現時点では詳しいSKUなどの説明はなかった ネットトップ用Atomは、省電力と価格の点でエントリー市場に向いているとアピール

□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/

(2009年3月6日)

[Reported by 笠原一輝]

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