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CeBIT 2009レポート【SSD/フラッシュメモリ編】

OCZがリード600MB/secのPCIe接続ストレージを展示

「Z Drive」は一見するとビデオカードのようなPCI Express x8インターフェイスのストレージ

会期: 3月3日~8日(現地時間)

会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



●読み込み600MB/sec、書き込み500MB/secのOCZ「Z Drive」

 OCZ TechnologyはCeBIT 2009にて、SSDの最新製品「Z Drive」を公開した。読み込みが平均600MB/sec、書き込みが500MB/secというこのドライブは、PCI Expressスロットに直接接続することで実現している。

 Z Driveの外観はさながらエンスージアスト向けビデオカード。デモ機内部の最上段に装着されたZ DriveはGeForce GTXビデオカードよりもさらにひと回り大きい。マザーボードへの装着にはPCI Express x8インターフェイスを採用し、SATA2を超える転送速度を実現。ドライブ側では256GBのSSDを4基用いて内部でRAID 0を構成し、さらに256MBのローカルキャッシュを積んで高速化している。

ブラケット側にインターフェイスは無い。2スロットぶんの幅を持つ。ただサイズ・形状に関しては見直しをする可能性があるとのこと ビデオカードとともに装着されたZ Drive。デモ機はシルバーのカードが搭載されていた。現行の試作機は計1TBの容量となるが、他の容量のバリエーションも検討されている

 デモ機で実際に計測したところ、別の方が操作をしながらの計測にも関わらず読み込みで595.8MB/secを記録した。関係者から入手したスクリーンショットではHD Tachで読み込みが736.5MB/secと記録されている。例えば、キャッシュを搭載したハードウェアRAIDカードと4基のSSDで同様の構成を構築しようとしてもかなりの高額になると思われる。価格は未定ながら実にOCZらしいエンスージアスト向け製品だ。

実測でも平均595.8MB/secを記録。SATAインターフェイスの限界を超えられる点、RAIDカードとの相性問題を考えずに済む点がメリットと言えそうだ これはOCZが用意した“最適化された環境でのテスト結果”。こちらでは平均736.5MB/secを記録している

●OCZのSATA SSDにも新製品

 OCZが展示していた「SUMMIT」は、新しい同社フラッグシップとなるSSDだ。読み込み速度は220MB/sec、書き込み速度は210MB/secで、Vertexシリーズと比較すると読み込み速度は若干劣るが、書き込み速度で上回る性能となる。オンボードキャッシュは64MBで、これはVertexと同等。

 200MB/secを超えるエンスージアスト向けのSSDでは、OCZのほかに目新しい製品を展示しているメーカーは無かった。一方で容量に目を向けてみると、今回の展示では2.5インチサイズで最大512GBまでの製品が展示されていた。展示を確認できたのはA-DATAの「XPG」。XPGには512GBモデルのほか386GBモデルも用意されており、価格によっては384GBモデルも注目だろう。A-DATAではSSD用の3.5インチサイズRAID 0/1/JBOD対応エンクロージャーも展示していた。

OCZのSSD新製品「SUMMIT」。読み込み220MB/sec、書き込み210MB/secと、読み書きともに200MB/secを超えてきた A-DATAでは386GBモデル、512GBモデルを展示中 2.5インチSSD/HDDを2台収納可能なRAIDエンクロージャ。この手のデスクトップで2.5インチ機器を利用する機器も盛り上がりを見せている

●ExpressCard/34型でUSB端子も備えたデュアルインターフェイスなフラッシュメモリなど

KingmaxのSSDラインアップ。手前が2.5インチ、次が1.8インチ、一番奥がExpressCradサイズ。なお、2.5インチでは256GB、1.8インチでは128GBまで用意している。しかし世界で見ればやはりデスクトップよりもノートブック向け、大容量というよりは価格とのバランスの良い64GBが主流とのこと

 海外取材となると、ノートPCでの作業が中心となり、展示を見ていてもノートPCで使用できる製品に目がいってしまう。そんな中でExpressCard/34型のフラッシュメモリに注目してみた。既に国内でもExpressCard/34型のフラッシュメモリは流通しており、32GBまでの製品なら入手可能だ。今年はこの64GBの製品が多数展示されている。オーソドックスな製品ではKingmaxの製品。

 そして、ExpressCard/34フラッシュメモリにUSB2.0端子を設けた製品がPretecとPQIで展示されていた。このデュアルインターフェイスカードのメリットは、普段ノートブックのスロットに収納していて、いざデータ受け渡しの必要が出た際には相手側のExpressCardスロットの有無を問わずUSB接続すればいい点にある。Pretecの製品とPQIの製品とではUSB端子の形状が異なり、Pretecの製品にはUSB miniA端子が、PQIの製品にはUSB A端子が採用されている。

PretecのExpressCard型フラッシュメモリ ExpressCardインターフェイスの反対側にはUSB miniA端子を備えている
PQIのExpressCard型フラッシュメモリは汎用的なUSB A端子を備える USB A端子は収納式で、ExpressCardスロットに挿しても飛び出さない

 また、最近のノートブックには標準搭載されているmini PCIeスロットを用いるフラッシュメモリも登場している。SuperTalentが展示していたのはmini PCIeと1/2 mini PCIeサイズを謳うSSD。実物では、1/2 mini PCIeの方が通常のmini PCIeカードサイズで、mini PCIeの方はEee PCなどのストレージとして用いられているカードと同じサイズにも見える。誤植の可能性も否定できないが、ノートブックのmini PCIeスロットに1/2 mini PCIeカードを挿すことで容易にストレージを増強することが可能になるのではないかと期待される。

SuperTalentが展示していたmini PCIe型のフラッシュメモリ。MLCまたはSLCどちらも可能とのことで、容量は最大64B、転送速度は最大40MB/secほどとのこと いわゆるmini PCIeカードサイズな「1/2 mini PCIe」カード。現行ノートブックでは2~3基のmini PCIeスロットを搭載しているが、これの空きスペースを活用できそうな製品

●SDXCカード、CFastカード、次世代メディア製品も展示

 Pretecブースではおそらく製品としての展示は初であろうSDXCカードが展示されていた。SDXCは、既に規格上の上限まで容量が達してしまったSDHCカードの上位規格となる。規格上、転送速度は最大104MB/sec、容量は最大2TBまでサポートが拡大される。Pretecが展示しているのは容量32GBの製品。製品化は5月末頃ではないかとのことで、転送速度は40~50MB/secとのこと。

製品としては世界初というPretecのSDXCカード。ただし容量は現行SDHCでも実現可能な32GBだった Pretecではこのほか世界最速をうたう666x(約100MB/sec)のCFカードや、世界最大をうたう100GBのCFカードを展示。100GBのCFカードは出荷中、666xのCFカードは4月の出荷開始予定とのこと

 また、そのPretecブースで見つけたのがCFast規格のカード。CFastは、CompactFlashカードを置き換える規格である。サイズはCFカードとほぼ同じだが、インターフェイスにSATAを採用し、3Gbpsまで転送速度を引き上げる。Pretecが展示しているのは容量が32GBの製品。インターフェイス形状を見ると確かにSATA風ではあるのだが、HDDなどのデバイスと比べると♂と♀が逆であり不思議な印象だ。CFastカードをリリースするのはPretecが世界初であるとのことだ。

CompactFlash Associationが規格化している次期CF「CFast」 上の写真のとおり見た目はCFだが、インターフェイス部は確かにSATAのようである

□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/

(2009年3月6日)

[Reported by 石川ひさよし]

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