【DEMO 09レポート その6】 スマートフォン向けのサービスやソフトウェアをデモ会期:3月2日~3日(現地時間) 会場:The Desert Springs, A JW Marriott Resort & Spa ●音声認識でショートメッセージを作成
Promptuは同社が特許を持つ音声認識技術を使い、電車のチケットを音声で購入できるシステムなどを展開する企業だ。今回のDEMOでは、その技術を応用したiPhone向けのサービス「ShoutOUT」を紹介した。 ShoutOUTはショートメッセージを音声入力で作成することができるツールで、作成したショートメッセージはSMSを介して友人へ送ったり、FaceBookやTwitterへ送ることができる。また、認識したテキストに誤りがあった場合は、その単語をクリックして編集ができる。 iPhone上にインストールされるのは、こうした音声入力や認識したメッセージの編集、送信機能のみで、音声認識システムのコアはインストールされない。同社の音声認識技術は入力された音声データを自社のサーバーへ転送し、そちらで認識処理をしたうえでテキストを返す仕組みになっているからだ。 こうしたシステムの場合、ネットワーク転送に伴う遅延が発生するが、今回のデモでは数秒でテキストが表示され、それを感じさせない速度。実際に遅延は発生するが、ShoutOUTはショートメッセージ向けツールなので長い文章が登録されることもなく、遅延はあまり問題にならないとしている。 本サービスは欧州で数週間以内、米国で数カ月以内に開始。ツールの性格もあって、日本への展開は予定されていない。
□Promptuのホームページ(英文) ●さまざまなサービスを登録可能なアドレスブック
Asurion Mobile Applicationsがデモを行なった「Asurion Mobile AddressBook」は、その名のとおりモバイル向けのアドレス帳である。このアドレスブックの特徴は、登録する情報を拡張できる点にある。 通常のアドレス帳で登録可能な情報としては、名前、電話番号、住所、メールアドレス、個人URLなどが挙げられるが、Asurion Mobile AddressBookではこれに追加してFaceBookやTwitter、Flickrに代表されるWebサービスのコンタクト情報を登録できるようになる。スマートフォンで統合的に管理することは、ソーシャルネットワークと電話連絡というコミュニケーションをシームレスに活用することにつながる点で意味がある。 このアドレス帳を拡張する仕組みは「Mix-ins」と呼ばれ、PCのWebブラウザ上から登録したいフィールドを登録することができるようになっている。Webブラウザ側で設定した情報は、すぐに反映され、スマートフォン側からアクセスしたら登録したフィールドを利用できるようになる。 また、「スマートコンタクト」と呼ばれる仕組みも実装されている。こちらは、企業サイトなどへのアクセスを簡略化して、ユーザーがほしい情報を得やすくするもの。例えばスターバックスのスマートコンタクトでは、現在地周辺の店舗リストを自動的に表示し、リスト中の任意の店舗をタッチするとGoogle Mapで位置を確認できる、といった具合になる。 このAsurion Mobile AddressBookのフレームワークはオープンにされ、Mix-insやスマートコンタクトを利用して、サードパーティが開発することもできる。例えば、サービスプロバイダが自社のサービスを利用しやすくするスマートコンタクトを作成することもできるわけだ。 このツールは現在ベータプログラムが提供されており、Androidを搭載したスマートフォンで利用できる。今後はiPhoneなどへの対応も検討されている。
□Asurion Mobile Applicationsのホームページ(英文) ●ケータイやiPodのオリジナルカバー作成サービス
Coverooのデモでは、同社が展開するモバイル端末向けのオリジナルカバーサービスが紹介された。 同社のサービスはすでに開始されており、いくつかの携帯電話端末に対応したカバーが提供されている。価格は9.95ドルからで、同社が提携したキャラクターのデザインのほか、オリジナルのデザインを施したカバーを作ってもらうこともできる。 実際のデザインは、高出力レーザーを用いて金属素材へ印刷(彫刻という表現のほうが適切かもしれない)していく。1,200dpiという解像度、精度の高さもアピールしていた。 また、iPod向けのサービスも開始したことをアナウンス。こちらは着せ替えカバーではなく、本体そのものにデザインを印刷して販売する形になっている。 発想としてはシンプルなサービスだが、ケータイの着せ替えカバーやステッカーの貼付を行なう人が珍しくないことを考えると、モバイルデバイスの個人化に関するニーズは小さくない。2008年分の調査で40億ドルという広大な市場があるといい、あなどれないサービスといえるだろう。
□Coverooのホームページ(英文) □DEMO 09のホームページ(英文) (2009年3月5日) [Reported by 多和田新也]
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