CeBIT 2009前日レポート 世界最大のICT展示会CeBIT、3日より開幕
会期:3月3日~3月8日(現地時間) 会場:ドイツ共和国 ハノーバー市 ハノーバーメッセ 世界最大の情報通信技術(Information and Communication Technology)展示会となるCeBITがドイツで3月3日~8日(現地時間)の6日間にわたり開催される。CeBITは、もともとハノーバーメッセと呼ばれる年1回ハノーバーで行なわれる総合展示会の一部として開催されていたものだが、そのうち情報通信関連だけが独立してCeBITとして開催されるようになったイベントだ。 最盛期には8日間にわたり開催され、30以上もあるハノーバーメッセのホールすべてを使用するなど多数の来場者や出展社を集める巨大イベントとなっていたが、ここ数年は徐々に縮小傾向にある。内容的にも携帯電話の分野がCeBITに先立って行なわれるThe Mobile World Congressに持って行かれてしまったり、昨年や一昨年あたりから日本の大手家電メーカーが出展を見合わせたりしたことなどもあり、昨年あたりから6日の期間に短縮され、使用するホール数を減らしたりなどしている。 さらに今年は、昨年の米国での金融危機以降の未曾有の経済危機により、出展社が出展を取りやめるのも相次いでおり、主催者(ドイツメッセ)の発表によれば、昨年の出展社数が5,845社だったものが、今年は約4,300社と見込まれているなど、厳しい環境下での開催となる。 PC関連でも、例年重要な発表をCeBITで行なっていたAMDは、今年のCeBITでは発表会やブースなどを設ける予定はなく、特に何も発表はない模様だ。そのためか、おそらくCeBITでデモされる予定だったと思われる6コアのサーバー向けCPUであるIstanbulのデモは、YouTubeを利用してビデオで行なわれるという新しい形で公開されることになったのだと推定することができる。 とはいえ、決してPC関連の発表がなくなったというわけではなく、台湾のPCパーツ関連メーカーは今年も元気に展示を行なっている。毎年、台湾メーカーはここで新しい製品を発表することが多いのだが、なぜかと言えばEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域で、台湾メーカーは自社ブランドでの製品のシェアが高く、ASUS、MSI、GIGABYTEなどのブランド名の認知度は日本に比べて遙かに高い状況だ。このため、各社ともEMEA地域でのセールス活動に力を入れており、このタイミングに合わせて新製品を発表することが多いのだ。今回もASUSやMSIなどの新しいネットブックやノートPCなどが発表されたり、参考展示される見通しだ。 自作PCパーツ関連では、例年このイベントでIntel向けの新しいマザーボードが展示されており、今年も第3四半期にリリースの迫るSocket H(LGA1156)向けマザーボードの展示に期待が集まるところだ。ただ、例年と異なり、通常Intelの新しいプラットフォームは6月のCOMPUTEX TAIPEIで発表されるというスケジュールのためCeBITでプレ展示することが許可されてきたのだが、今年は第3四半期の遅い時期が予定されているため、このタイミングではIntelから展示が許可されない可能性もある。このほか、現時点では存在が公式に確認されていない新しいGPUを搭載したビデオカードが登場するとも言われており、それらが展示されるかどうかも自作派ユーザーには気になるところだろう。 PC Watchでは会場展示やカンファレンスの模様を随時お届けしていきたい。
□CeBITのホームページ(英文) (2009年3月3日) [Reported by 笠原一輝]
【PC Watchホームページ】
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