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キヤノンMJ、新社長に管理畑出身の川崎正己専務

バトンタッチする川崎正己氏(左)と村瀬治男氏(右)

1月27日 発表



 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は27日、3月26日付けで村瀬治男代表取締役社長が代表取締役会長に就任し、代表取締役社長には現専務取締役本社管理部門担当の川崎正己氏が就任する社長人事を発表した。1月27日に開催した取締役会において内定し、3月26日に予定している株主総会終了後の取締役会で正式決定する。

新社長となる川崎正己氏

 川崎新社長は、'47年1月3日生まれ、神奈川県出身。'69年3月に一橋大学商学部を卒業後、同年4月キヤノン株式会社に入社。'71年9月にはキヤノンU.S.A., Incに出向。この時期のキヤノンU.S.A., Incには、村瀬現社長のほか、キヤノンの御手洗冨士夫会長、元キヤノン販売会長の滝川精一氏も在籍していた。

 '77年3月にはキヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン)に出向したのち、'81年9月にはキヤノンコピア販売(現キヤノンシステムアンドサポート)に出向し、'87年3月同社取締役就任。'91年3月常務取締役、'97年3月専務取締役を経て、2001年3月にはキヤノン販売取締役に就任。2003年3月常務取締役、2003年4月には本社管理部門担当となり、2006年3月には専務取締役に就任していた。

 午後4時から都内で行なわれた会見では、村瀬新会長、川崎新社長が出席。村瀬氏は、「'98年秋にキヤノンの御手洗会長から、年が明けたらキヤノンU.S.Aの社長から日本に戻り、10年かけて、キヤノン販売(現キヤノンMJ)を変革してほしいといわれた。'99年3月に社長に就任して以来、今年3月で10年の節目。描いた予定通りに、次の世代に変えていく。御手洗会長にもそれを理解してもらっている。予定になかったのは、経済、社会のパラダイムが大きく変化し、津波が来ているなかでのバトンタッチとなったこと。厳しいなかでのバトンタッチは気が引けないこともないが、引き続き代表権を持って社長をサポートすることで、許してもらうつもりだ」などとした。

会長に就任する村瀬治男氏

 また、川崎氏については、「初めて会ったのは彼がニューヨークへ赴任した時。若いがおおらかな性格という印象」としたほか、「外からは財務担当という印象が強いようだが、日本に帰ってからはコピア販売での経験が長く、奥の院で仕事をしていたのではなく、第一線で仕事をしている経験が長い。キヤノンの拠点という拠点は全部回っており、現場で働いている社員のこと、顧客のことを知っている」として、現場経験の強みを社長選任の理由に挙げた。

 川崎氏も、「私は全国47都道府県を仕事で回っている。これは、村瀬社長にはない私の長所」と語った。

 「2006年に社名を変更して以降、次期社長について検討をはじめた。そのなかで、川崎専務を選んだ。年末に次期社長の話を伝えたが、すぐには返事をもらえず、年明けに旅行先のニューヨークから電話をした。あけましておめでとう、というのと一緒に、もう1つのおめでとうも言われてくれと話した」と、就任要請のエピソードを披露した。

 一方、川崎氏は、「今年62歳になり、40年を迎えたキヤノン人としての生活も最終章に近づいてきたと感じていた。社長の就任要請には戸惑いもあった。厳しい環境下でキヤノンMJの経営を任され、身の引き締まる思い。性根を入れて取り組んでいきたい。こうした環境下では奇手奇策は通用しない。村瀬社長が推進してきた“顧客主語”を徹底し、顧客のさまざまな思いをきちっと聞いて、実現に向けて取り組んでいく。営業、サービスだけでなく、全社の総合力をもって要求に応えていく時代である。19,000人のグループ社員が高いモチベーションを持って、取り組んでいきたい。経営には、短期、中長期の見方が必要であるが、まずは短期的な経営に全労力を注ぎたい。そのなかで、方向性を定めたい」と抱負を述べた。

 具体的な取り組みとして、既存事業の強化に加え、新たな事業展開が必要とコメント。新事業領域では、ITソリューション事業の拡大を目指すITS3000への取り組みを加速させていく姿勢を示した。

 また、村瀬氏が社長時代にやり残したこととしてあげた「顧客主語の徹底」についても、「顧客主語は、必ずしも顧客が期待した通りの満足度に達しておらず、足りないところ、積み残しがある。キヤノングループの共通の課題として、誰が社長をやろうともキヤノンとしての基本スタンスであることは変えない」とした。

 一方、3月26日付けで、ビジネスソリューションカンパニープレジデントの芦澤光二専務取締役の取締役副社長への昇格、経理本部長の柴崎洋取締役およびビジネスソリューションカンパニーMA販売事業部長の坂田正弘取締役の常務取締役への昇格も発表した。

□キヤノンマーケティングジャパンのホームページ
http://cweb.canon.jp/co-profile/company/
□ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2009-01/pr-090127.html

(2009年1月28日)

[Reported by 大河原克行]

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