展示台にずらりと並んだiMac。これらすべてにスタッフが配置され、iLife'09とiWork'09のデモンストレーションを行ない、来場者の質問に答えている

会期：1月6日～9日(現地時間)

会場：San Francisco The Moscone Center

　Appleブースは、例年どおりサウスホール中央に出展されている。ブース正面には「iLife'09」、「iWork'09」のデモンストレーションを行なうiMacがおおよそ40台ほど用意されており、それぞれにスタッフが配置されている。Appleとして今回のメインとなる出展が、これらのアプリケーションスイートであることが明確になっている。

　17型MacBook Proの発表はあったものの、まったくの新製品という感じではなかったせいか、来場者もブースのどこか一点を目指すというわけではなく、なにか新しい発見がないか、ブース内を散策するようなイメージだ。特に中央に配置されているシアタースタイルのステージでは、iLfe'09とiWork'09、そしてそれらに含まれるアプリケーションのプレゼンテーションが繰り返されているので、直前のシアターで紹介されたアプリケーションを実際に自分の目で確かめようとするのか、シアターの終了後には大きな人の動きが展示台のほうに向かうという状況が繰り返されていた。

　iPhone 3Gもブースに向かって左手のほうに数十台規模での展示はあるのだが、こちらの人口密度はiLife、iWorkのそれほどではない。しかし前述のシアターにはiPnoneのプログラムもあって、それはiPhone Appを紹介する内容となっている。やはりこのプレゼンテーションのあとは、どっと人波がiPhoneの展示台へと向かっていく。

ブース中央に配置されているシアタースタイルのステージ。iLife'09をはじめ各アプリケーションのプレゼンテーションが繰り返し行なわれている。1回のステージはおおよそ20～25分ほど	iPhone 3Gの展示エリア。iPhone Appの紹介を中心とした展示を行なっている	展示も3日目になると混雑はかなり解消されている。Appleブースも例年に比べると展示の密度が低く、ゆったりとした構成になっている

●17型で選択できる非光沢タイプ液晶への興味は高め。実機も展示中

　ブース向かって右手の奥には、17型MacBook Proを中心とした展示エリアがある。速報記事ではすべてが17型MacBook Proであるかのようにレポートしてしまったが、日を追うごとに展示されている機材に調整が入っているようで、15型やMacBook Airなども見かけるようになり、いわゆるMacBookファミリーとしての展示になっていた。

　初日の開場直後こそ来場者が殺到して写真を撮るのもひと苦労という状態だったが、時間と日を追うごとにこのエリアは落ち着きを見せるようになっていて、終日混雑が続いているiLife'09などのエリアとは、異なる印象をみせる。

　来場者の多くは17型が新たに発表された製品であることは知っているようだが、デザイン的には15型とほぼ同じと言っていいだけに、スタッフにどれが新製品なのか確認する様子も見られた。実際に近くでみるとモニタサイズの大きさは一目瞭然なのだが、やはり大きなホール内で展示されている状態では、ちょっとわかりにくいらしい。

　初日の展示では見かけなかったのだが、2日目以降はオプションとして選択できる非光沢タイプの液晶を搭載する17型MacBook Proも1台だけだが展示機に加わった。基調講演では50ドル(日本国内では5,670円のオプション価格)の追加オプションとしてスライド表示されたのだが、その時にもかなりの歓声が会場内で起こっていた。ブースのスタッフに聞いても、来場者からの問い合わせや質問は初日から多かったらしい。

　非光沢タイプの場合は、液晶全面をカバーするパネルがない。そのためトップパネル部分の見かけは、従来製品に非常に近いイメージとなる。額縁部分は本体色とほぼ同じと思われる素材色で、液晶パネルとの境目には段差がある。やはり非光沢液晶にはそれなりの注目とニーズがあると思われたので、15型の非光沢タイプについてもスタッフに水を向けてみたのだが、それについてはコメントできないと言うことだった。ただ同じような質問は、一般の来場者からも少なからずあるらしい。

　展示ホール内を歩くと、199ドルの有料ながら、15型の光沢タイプパネルを非光沢タイプにしてくれる業者の出展も見かけたので、潜在的な需要はそれなりにあるようだ。

17型MacBook Proの展示エリアにある大型のバナー	開場直後には大勢の来場者が殺到して、展示台すら見えない状況になったMacBook Proの展示エリア	展示は17型、15型が混在している。こうした大きなホール内ではちょっと区別がつきにくいこともあって、どれが新製品かスタッフに確認する来場者もいた

2日目以降、展示ホールにもお目見えしたオプションの非光沢液晶を搭載する17型MacBook Pro。額縁部分のデザインが従来のモデルとよく似ている	こちらは標準の光沢タイプ液晶を搭載する17型MacBook Pro。頭上や背後に光源があるこうした展示会場では、通常の使用環境よりも映り込みが目立ちやすい	展示ホール内でリペアを行なう業者が出展していた15型MacBook Proのグレアパネルをノングレアタイプにするサービス。右側が改造後。199ドルだが作業期間は1日でOKとのこと

　そのほか、シアターの側面に位置する場所にはiPodファミリーやMacBook以外のMac関連製品の展示もあった。Appleが12月にだしたニュースリリースによれば、Macworldに限らずトレードショウ全般について出展は縮小の方向と見られるだけに、こうした規模のAppleブースを見るのも、これが最後の機会となるかも知れない。

iPod nanoの展示。すでに認知度はかなり高いのかそれほどの混雑とはなっていない	2つ折りにされていた会場正面の垂れ幕はiLife'09とiWork'09のものだった	前日レポートではiPod nanoだったアドポール。基調講演があった日の午後には街中のアドポールが、この新しいMacBookファミリーの広告に変わった

□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/

(2009年1月13日)

[Reported by 矢作 晃]