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Macworld Conference&Expo San Francisco 2009直前レポート
~ Appleが参加する最後のMacworld、6日開幕

会期:1月6日~9日(現地時間)

会場:San Francisco The Moscone Center



今回のMacworldで基調講演を務めるフィル・シラー上級副社長。写真は2004年にパリのApple expoで講演を行なった際のもの

 Macworld Conference&Expo San Franciscoが、米国サンフランシスコで6日(現地時間)から開幕する。米Appleは昨年(2008年)の12月にニュースリリースを出して、これがMacworld Expoに出展する最後の機会となることをすでに発表している。また、AppleによるNeXTの買収にともないAppleへと復帰したスティーブ・ジョブズCEOは、ここSan Franciscoでの基調講演を、'98年から2008年までの11年間務めてきたが、2009年はフィル・シラー上級副社長による講演となる。

 今回を最後に出展を取りやめる理由について同社は、直営店やWebサイトを通じて顧客に十分なメッセージを伝えることができるようになったこと、トレードショウの役割自体が小さくなったことなどを挙げている。こうした状況についてはこれまでにもジョブズCEOの講演の中で何度も取り上げられており、「一週間あたりの全世界のApple Storeへの来客数は、Macworldを複数回開催しているに等しい」といったフレーズがたびたび用いられてきた。これは直営店の成功を強調する意図も大きかったわけだが、結果として今回の発表にも結びつくこととなった。

 以前は西海岸のサンフランシスコで冬に、東海岸のボストンやニューヨークで夏に開催されていたMacworldだが、Appleが夏のMacworldに出展をしたのは2003年が最後になっている。このとき基調講演を行なったのもジョブズCEOではなく、現在は上級副社長となっているGreg Joswiak副社長だった。Appleの参加がなくなってからも開催地をボストンに戻して夏の開催は続けられたものの、それも2005年が最後となった。

 また主催は異なるが、パリで開催されているApple expoも2004年を最後にAppleが撤退。このときの基調講演も当時病気療養中だったジョブズCEOに代わって、フィル・シラー上級副社長が行なっている。このApple expoはAppleの参加が見送られてからも2008年まで開催されていたが、2009年は開催されない見込みとなっている。

 Macworld Expoを主催するIDGは、2010年もサンフランシスコでのMacworld Expo開催を予定しており、その日程も2010年1月4日から8日とすでに発表されているが、前述のとおりトレードショウとしての先行きはやや不透明と言わざるをえない。

IDGからは2010年のスケジュールは1月4日~8日と発表された。Appleの出展がなくなることで、トレードショウとしての方向性や開催規模がどうなるかは不透明

 例年、年初のMacworldではジョブズCEOによる華々しいプレゼンテーションによる同社の新製品情報をレポートしている。2009年においても、いくつかのラインナップがリニューアル、あるいは更新される可能性がある。

 鍵になるのは、10月に一新されたポータブル機に搭載されているNVIDIAのチップセット「MCP79(GeForce 9400M)」だ。これがデスクトップの製品ラインにも投入されるのは既定路線と断言できる。特に2007年8月以来更新のないMac miniは、もし発表されれば本体デザインの変更をともなう大幅なモデルチェンジとなるに違いない。iMacもまた最新のマイナーチェンジが2008年4月。現行のデザインとなったのが2007年8月のこと。こちらもなんらかの更新が予測される時期である。

 また昨年10月のポータブル機発表ではマイナーチェンジにとどまった17型ディスプレイを搭載するMacBook Proも、ユニボディを採用してラインアップに加わる可能性は高い。

 いずれも、2009年前半にもリリースされる次期Mac OS Xのメジャーバージョンアップ「Mac OS X 10.6 Snow Leopard」に含まれるGPGPU機能の「OpenCL」を視野に、「MCP79(GeForce 9400M)」を搭載し、上位モデルには他にディスクリートのGPUが追加されるものと予想される。シラー上級副社長の講演ではこのSnow Leopardについてもデモンストレーションが行なわれたり、発売時期などが明らかにされる可能性もある。

 ほかにもiLifeやiWorkといったパーソナルユーザー向けスイートの更新、やや停滞している感のあるApple TVへのてこ入れ、iPhone関連など今後に向けて見逃せない要素は数多く潜在してはいるものの、ジョブズCEO不在の基調講演でどれほどのアップデートが行なわれるかは未知数だ。

 現地時間の5日、会場となるMoscone Centerでは6日の開幕に向けた準備が早朝から行なわれていた。プレカンファレンスは5日からすでに始まっており、カンファレンスルームには熱心なユーザー達が次々に吸い込まれていく。

 お馴染みの隠しバナーは2年ぶりに入り口のガラス壁面と、展示ホール入り口に登場しており、基調講演当日に発表される何かがあることを期待させる。

 PC Watchでは、ここサンフランシスコでの基調講演や会場レポートをはじめとして、日本国内における製品情報なども随時レポートする予定だ。

メインの展示ホールとなるサウスホール入り口。正面にはたくしあげられた白色の垂れ幕がふたつ用意されていた 2つ折りにされていると思われる垂れ幕。2008年は「There's something in the air」の垂れ幕が事前に公開されていたが、今年は開幕までは隠されている模様だ サウスホール中央に位置するAppleブースに続く階段部分にも、2枚の隠されたバナーがある。こうした階段は3つ並んでいるので計6枚のバナーが隠されている状態

基調講演が行なわれるウエストホール。WWDCとは違ってガラス壁にAppleのロゴが貼られているわけではない。2008年はここにも展示スペースがあったが、今年は講演のみ 展示ホールとして再び復活したノースホール。サウスホールとは地下通路で連結している。こちらも慌ただしくブースの設営が行なわれているが、サウス側ほどの機密感はなくノンビリとしたもの

街角のアドポールはiPod nanoのもの。大々的な新製品発表があるときは街中のアドポールが基調講演後にあっという間に貼り替えられるときもあるのだが? Moscone Center周辺にはMacworld expo開催を知らせるフラッグが立ち並んでいる

□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□関連記事
【2008年12月17日】Apple、MacWorldへの参加は次回で終了
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1217/apple.htm

(2009年1月6日)

[Reported by 矢作 晃]

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