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ターボリナックス、ATOKなどを収録した
「Turbolinux Client 2008 Full Disk Package」
~簡易インストールレポートも掲載

Turbolinux Client 2008 Full Disk Package

発売中

価格:12,800円



 ターボリナックス株式会社は、商用アプリケーションを1枚のDVDに収めたパッケージLinux互換OS「Turbolinux Client 2008 Full Disk Package」を発売した。価格は12,800円。

 ジャストシステムの日本語変換システム「ATOK X3」や、リコーの商用フォント「TrueType TLフォント」、Sun Microsystemsのオフィススイート「StarSuite 9」、メディアプレーヤー「Turboメディアプレーヤー」などを1つのDVDに収めたパッケージ。

 8月より発売されている「Net User Package」は、ライセンス認証後、これらのアプリケーションをWebからダウンロードする形だったが、今回1つのDVDに収録することで、ネットワーク環境がないPCや、ナローバンド接続のPCなどへのインストールに対応させた。

 今回、発売に先立ってインストールディスクを入手できたので、インストール手順を含めた簡単な試用をレポートする。

●Live CDから起動

 今回インストールに使用したシステムはレノボのThinkPad X61。主な仕様は、CPUがCore 2 Duo T7500、メモリが2GB(増設)、チップセットがIntel GM965 Express、HDDが40GB(換装)などとなっている。インストールするにあたり、恵安製のUSB接続DVDスーパーマルチドライブ「KA-BP13T」を利用した。

インストールはウィザード式で、戸惑うことはないだろう

 まずはBIOSでUSB光学ドライブから起動できるように設定しておく。その後DVDドライブにメディアを挿入し、しばらくすればTurbolinuxがLive CD形式で立ち上がる。ここでもし立ち上がらなければそのハードウェアは未対応の可能性は高い。

 立ち上がった後、デスクトップにある「ハードドライブにインストール」を選択すればインストールが開始される。インストールはウィザード形式で、HDDのパーティションを切ったりする場合は設定が必要だが、それ以外の場合は特に戸惑うことはないだろう。インストールは20分足らずで終了し、その後メディアを取り出し、再起動すればHDDから立ち上がるようになる。

●Windows+Macライクな使い勝手

 Turbolinux Client 2008ではデスクトップ環境にKDE 3.5を採用する。Windows Vistaに似たデスクトップで、Windowsからの移行ユーザーにも配慮しているようだ。

 GM965などのチップセットでは3Dアクセラレーション機能を搭載しているが、Turbolinuxではそれらに対応したドライバを標準で持っており、インストールした直後から3Dデスクトップが有効になる。なお、Full Disk PackageではNet User Package以降にリリースされたアップデートやドライバを最初から含んでいるため、GM45 Expressなどの最新チップセットにも対応したとのことだ。

 ここで簡単にTurbolinuxの3Dデスクトップの操作をおさらいしておこう。ウィンドウの切り替えはWindowsと同様、Alt+Tabで行なえる。また、標準では4つの仮想デスクトップが用意されており、Ctrl+Alt+←または→でデスクトップを切り替えられる。仮想デスクトップはキューブのうち4面に貼り付けられており、切り替え時に3Dキューブが回転するエフェクトが見られる。また、この操作はマウスでも行なえ、Ctrl+Altを押しながら左クリックのドラッグでキューブをつかんで回転させることができる。

 Ctrl+Alt+↓で、仮想デスクトップが横一列に並ぶ。ここでCtrl+Altをホールドしたまま、希望するウィンドウを←または→で選択することも可能だ。

Linuxではお馴染みとなった3Dデスクトップ。Turbolinuxにももちろん搭載される ウィンドウを移動すると移動方向に引っ張られて伸びるエフェクトも Ctrl+Alt+↓で仮想デスクトップを一覧する機能。解像度が狭いネットトップでは有効な機能だ

 ウィンドウを他の仮想デスクトップに持って行きたい場合は、ウィンドウのタイトルをつかんで、デスクトップの端まで持って行けば自動的にキューブが回転してデスクトップが切り替わる。Windowsでは味わえない操作性の高さと面白さがある。

 スタートメニューの設定の中にある「CompizConfig 設定マネージャ」では、3Dデスクトップエフェクトに関する詳細な設定がある。中でも面白いのは「シフト・スイッチャ」で、これをONにすると、Windows+Tabキーで、Mac OSの「Cover Flow」に似た感じで、ウィンドウを切り替えることができる。

CompizConfig 設定マネージャーでは多数の3Dエフェクトを設定できる シフト・スイッチャを設定したところ。このほかにリング状に並べてタスクを切り替える「リング・スイッチャ」もある(シフトとは排他利用)

●一通り必要なアプリケーションが揃う

 Turbolinux Client 2008のデフォルトでプリインストールされるアプリケーションはかなり絞られている。WebブラウザはWebNavi(FireFoxベース)、メーラーは「Thunderbird」、メッセンジャーは「インスタントメッセンジャー」。そのほかペイントやエディタ、メディア再生系なども備えるが、かなりシンプルなラインナップで、謳い文句通り、ネット利用に特化している。

 DVDに収録されているが、別途インストールする必要がある商用アプリケーションは、StarSuite、ATOK X3、TureType TLフォント、Turboメディアプレーヤーの4つ。いずれも利用価値が高いため、インストールしておくとよいだろう。インストール手順はWindowsなどとはかなり異なるので、ここで簡単に紹介したい。

 まず、インストール前にあらかじめライセンス取得を行なう必要がある。ライセンス取得はデスクトップ上にあるアイコンをダブルクリックし、設定画面でDVDパッケージの裏側に印刷されたシリアルと、自分のメールアドレスを入力すればよい。

 取得後、アプリケーションのインストールに移ろう。Windowsアプリケーションでは、CDを挿入してSetup.exeなど実行するのが一般的だが、Turbolinuxでは、「Yum Extender」と呼ばれるパッケージマネージャを利用してインストールを行なう仕組みとなっている。

 Yum Extenderはスタートメニューのシステムの中にある。起動して、グループというアイコンを選択すると、現在利用できるアプリケーションの一覧が表示される。この中にある「商用パッケージ」を開くと、StarSuiteなどの選択肢が見えるはずだ。選択肢の右側にチェックをつけて、「キューを処理する」を選択すれば自動的にソフトのインストールが始まる。

WebブラウザはFireFoxベースの「WebNavi」。FireFox向けのプラグインが利用できる アプリケーションのインストールは「Yum Extender」からインストールする インストールされたStarSuite 9とATOK X3

 なお、Full Disk Packageでは、ネットワーク環境がない場合は自動的にDVDを参照するようになっている。一方ネットワーク環境がある場合は自動的にサーバーからダウンロードする仕組みになっている。回線速度が遅い場合や、一括導入の場合など、ネットワーク経由でダウンロードさせたくない場合は、いったんネットワーク接続を切ると良いだろう。

 StarSuiteなどは再起動しなくても利用できるようだが、ATOK X3に関してはいったんログアウトしてから再度ログインする必要がある。再ログイン後、エディタなどで、半角/全角キーを押してみて、ATOKが起動すれば成功だ。

 なお、Turbolinuxでは、ATOKをインストールしない場合、Anthyと呼ばれる日本語変換システムが利用される。変換精度はATOKと比較するとかなり低く、実用に耐えない部分もあるので、チャットや文書作成などを前提とするなら、やはりATOKをインストールしたほうが良いだろう。

●ネットユースに最適

 Turbolinux Client 2008に軽く触れてみた感想としては、やはりネットユースに特化したOSと謳っているだけであり、機能がとてもシンプルにまとめられている。このため動作は非常に軽快だ。Windows Vistaなどと比較すると、起動から終了まで一貫してキビキビとした動作で好感が持てる。

 その一方で、Vistaに劣らぬリッチな3D UIも装備しており、出先で他人に見せるチャンスがあるネットブックでの利用価値は高い。この軽快さとリッチな3D UIに価値を見いだせるユーザーは、一度乗り換えてみる価値はあると言える。

 その一方で、今回試した限りでは、無線LANの設定がやや不安定で接続できなかったり、TurboメディアプレーヤーでWMVファイルが再生できなかったりする不具合も見られた。ThinkPadとの相性で特有の問題かもしれないが、そうでなければ、今後のアップデートで改善されることに期待したい。

□ターボリナックスのホームページ
http://www.turbolinux.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.turbolinux.co.jp/cgi-bin/newsrelease/index.cgi?date2=20081026105613&mode=syosai
□関連記事
【6月10日】ターボリナックス、ネットユースに特化した「Turbolinux Client 2008」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0610/turbo.htm

(2008年11月26日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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