IBMら、脳をシミュレートするシステムの制作に取り組み11月20日(現地時間) 発表 米IBMは20日(現地時間)、米国内の5つの大学と共同で、脳の能力をシミュレートできるコンピューティングシステムの制作プロジェクト「シナプトロニクスとスーパーコンピューティングによるコグニティブ・コンピューティング(C2S2)」に取り組むと発表した。 このプロジェクトは、低消費電力とコンパクトなサイズを実現しながら、感覚や知覚、行動、相互作用、認知などの脳の能力を模倣するシステムを創り出すというもの。最終目標として、さまざまなセンサーや情報源からの情報を統合し、曖昧さに対処しながら、状況に応じた方法で反応するとともに、独自の学習機能とパターン認識機能を持ち、現実世界の環境に対応できるシステムを目指すという。 IBMによれば、デジタルデータは年率60%ずつ増えているが、これらの情報をリアルタイムで監視、分析し、反応する能力がないと、その価値の多くが失われるという。今回のプロジェクトは、瞬時にさまざまな情報源から大量のデータを統合して分析できるシステムを制作し、企業や個人が迅速な意志決定を行なえるようにするとしている。 プロジェクトの初期研究では、ナノスケール、低電力の疑似シナプス機器の実証、脳機能の超小型回路の解明に注力。また、長期目標として、低電力でコンパクトなコグニティブ・コンピュータの実現、哺乳類と同レベルの知能規模をもったインテリジェンスに近づくことを挙げている。 プロジェクトのチームリーダーはIBMのDharmendra Modha博士。また、スタンフォード大学、ウィスコンシン大学マジソン校、コーネル大学、コロンビア大学医療センター、カリフォルニア大学マーセド校の5校より教授や博士などが参加する。 □IBMのホームページ(英文) (2008年11月21日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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