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日本ギガバイト、2オンス銅箔層でOC耐性を高めたX58マザー
~実売3万円を切る廉価モデルも計画

3-way SLIのデモマシン

11月21日 開催



 日本ギガバイト株式会社は21日、Intel X58 Expressチップセットを搭載したハイエンドマザーボード「GA-EX58-EXTREME」など3モデルの発表会を開催した。

 発表されたのは水冷/空冷対応のHybrid Silent-Pipe 2を搭載したGA-EX58-EXTREMEと、それを省いた「GA-EX58-UD5」、ハイエンドセグメントの下位に相当する「GA-EX58-DS4」の3モデル。このうち、最初の2つはすでに発売済みで、今回の発表会では主にUltra Durable 3による耐久性の高上がアピールされた。GA-EX58-DS4については、11月28日頃に実売3万円弱で投入する方向で調整中という。

展示の様子

●Ultra Durable 3によりシステム全体で50度下がる

 日本ギガバイト 営業部 中村広志氏が製品とその特徴的な機能を紹介した。

 GA-EX58-EXTREMEとGA-EX58-UD5は、ほぼ共通仕様で、違いはExtremeが水冷用のヘッダがある冷却システムを搭載し、UD5は空冷のみ対応のヒートパイプを搭載する。主な特徴として、2オンス銅箔による冷却性能を高めたUltra Durabl 3規格(GIGABYTE独自規格)と、3-wayのCorssFireXとSLIに対応し、6段階のフェーズ切り替えによるDynamic Energy Saver Advanced機能を搭載する。

日本ギガバイト 中村広志氏 Intel X58 Expressのラインナップ GA-X58-UD5の仕様。Hybrid冷却システムをのぞいてExtremeとほぼ共通
GA-X58-EXTREME GA-X58-UD5

 Ultra DurableはP965チップセットの世代に始まり、当初はマザーボード上のコンデンサをすべて固体アルミタイプに変更することで耐久性を向上させたという。続くP35/P45チップセットの世代では、低ROS(ON)MOSFEETとフェライトコア、そして耐久性固体コンデンサを採用しCPU周りの温度を平均33度低下させた。

 今回、Ultra Durable 3では基板そのものに手を加え、PCB基板内の銅箔層を1オンスから2オンスに増加させ、伝統的なマザーボードと比較して温度を50度低下させたと謳う。このUltra Durable 3により、動作安定性が向上するとともに耐久性/製品寿命が向上し、オーバークロックの耐性も向上するとしている。

 また、Dynamic Energy Saver Advanced機能では、これまで同様IntelのVRD 11.1に対応し、CPUが省電力ステートに入った時に1フェーズで動作可能になっているほか、アプリケーションから2フェーズごとに6段階の動的な省電力制御が可能になっている。

 ほか、GIGABYTE独自のハードウェア機能としてDual BIOSやデバックコードを表示するLED、オンボードのクイックスイッチなどを搭載し、使い勝手を高めている。

Ultra Durable 3は基板を改善 2オンスの銅箔層をPCB基板に採用 基板表面温度を計測
DES Advancedによる動的な電力制御 GIGABYTE独自のハードウェア機能を搭載

 今回の発表会では、これらの2モデルに続くものとして「GA-EX58-DS4」を正式に発表。上記のモデルより、Ultra Durableが3から2相当になり、Gigabit Ethernetが1つに、3-wayのSLIに非対応に、PCI Expressがx16/x8/x8へと変更されている。

 今後の製品展開については、2008年末までにウルトラ・ハイエンドレンジの製品を拡充し、2009年初頭にかけてミドルハイレンジへと製品を投入する計画だ。まずハイエンドに「GA-EX58-UD4(仮)」を投入してウルトラ・ハイエンドを充実させ、ミドルハイ向けに「GA-X58-UD3R/-UD3LR(仮)」を投入する。これらについて同氏は、「実売2万円前後のより価格競争力を高めた製品になる」と製品ラインの充実をアピールした。

GA-EX58-DS4 GA-EX58-DS4の仕様。3-way SLI非対応やPCI Expressスロットの変更などが行なわれている X58搭載マザーボードのロードマップ

●そのほか

 また、同発表会では、GIGABYTE TECHNOLOGYの沿革が紹介されたほか、ゲストとしてリンクスインターナショナル 代表取締役 川島義之氏と、BCN 取締役常務執行役員 田中繁廣氏が登場した。

 GIGABYTEは技嘉実業有限公司として'86年に設立し、'89年にGIGABYTE TECHNOLOGYへ社名を変更、94年には大阪に日本ギガ・バイトを設立した。2006年には、マザーボードとビデオカードを取り扱うGIGABYTE UNITEDを分離したが、2008年にはGIGABYTE UNITEDとGIGABYTE TECHNOLOGYが統合し、日本法人として日本ギガバイトを設立した。日本法人は来年で15周年を迎える。日本ギガバイト 中村氏は、「何度か組織変更を繰り返してきたが、今回の統合によりGIGABYTEは最終形態に進化した。今後は地に足をしっかりつけて、所帯は小さいが強いチームワークを生かして行きたい」と語った。

GIGABYTEの沿革。分離/統合を経て日本法人は2009年で15周年を迎える

 GIGABYTEの代理店であるリンクスインターナショナルの川島氏は、「会社を設立して10年になるが、当初よりGIGABYTEの代理店を担当してきた。日本のDIY市場をともに作り上げ、成長させていただいた。DIY市場はニッチで不安定だが、比較的安定的に経営できたのは、日本の市場にあった製品を継続的に投入できた力強いパートナーのおかげだ」と挨拶。

 またマザーボードのシェアについて、「ここ数年は2位に甘んじているが、今年の下半期は徐々にシェアを取り戻しASUSとの2強として2分している。ASUSはEee PCなどでグローバルに展開しているが、GIGABYTEは本来の姿に戻り、DIYの製品に特化したマザー、ビデオカードに注力し、さらにシェアを拡大しNo.1を目指したい」とした。

 BCN 田中氏は、Core i7発売後の3日間のデータを紹介した。CPU単体の台数が前年比20%の伸びを記録していたが、2008年4~6月期より鈍化し買い控えが始まっていたと指摘。発売後3日間のデータをみると、CPU製品単体でCore i7が20%弱を占め、そのうち62.9%がCore i7 920だった。なお、GIGABYTEのマザーボードのシェアは2007年7~9月期より30%以上を獲得し、直近の2008年7~9月期では34%を占めた。

リンクスインターナショナル 川島義之氏 BCN 田中繁廣氏 販売されたCPUの製品構成と台数の変動
Core i7発売3日間のシェア GIGABYTEのシェアは34%へ

□日本ギガバイトのホームページ
http://www.gigabyte.co.jp/
□製品情報
http://www.gigabyte.co.jp/Products/Motherboard/Products_Spec.aspx?ProductID=2958
http://www.gigabyte.co.jp/Products/Motherboard/Products_Spec.aspx?ProductID=2959
□リンクスインターナショナルのホームページ
http://www.links.co.jp/

(2008年11月21日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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