ITベンチャーを支援する「Microsoft Innovation Day」
11月19日 開催 マイクロソフト株式会社は19日、ITベンチャー企業向けのイベント「Microsoft Innovation Day」を開催。今回で2回目となる「Microsoft Innovation Award」の最優秀賞を受賞したITベンチャー企業と、新たに開始したITベンチャー企業に向けた支援施策を発表した。 Microsoft Innovation Dayは、ITベンチャー企業、ベンチャー企業支援ビジネスを行なう企業などを対象としたイベント。オープニングスピーチを行なったマイクロソフト・樋口泰行代表執行役社長は、「マイクロソフトはソフトウェアの可能性を追い続けるというミッションのもとにビジネスを展開している。日本のIT産業活性化のためには、新たなITベンチャー企業が次々に登場し、市場が活性化していくことが望ましい。本日のイベントが日本のITベンチャー企業がビジネスを拡大するきっかけになるものとなればと考えている」と述べた。 独創的なアイデアからコマーシャルビジネスを起ち上げたベンチャー企業を表彰する「Microsoft Innovation Award」は50社の応募があり、次の5社が優秀賞となっている。 ・株式会社アプレッソ ・株式会社ジースポート ・株式会社ストローハット ・ビバコンピュータ株式会社 ・ユニバーサルロボット株式会社
優秀賞に選ばれた5社に対し、マイクロソフトの社員、Tech・EDに優秀賞を展示した際の来場者からの投票を実施。その結果、第2回最優秀賞に選ばれたのは、ジースポートの「ゆがみーる」となった。 最優秀賞の「ゆがみーる」に対しては、トロフィーと賞金の100万円が贈られ、マイクロソフトの最高技術責任者・加治佐俊一氏は、「健康は日本だけでなく世界中から関心が高まっているテーマである。ジースポートが開発したゆがみーるは、是非、日本だけでなく、世界のユーザーに向けてビジネスを展開して欲しい」と期待を述べた。 ジースポートの代表取締役社長の黒田篤氏は、「加治佐さんから、健康は世界中で関心が高いテーマとの指摘があったが、逆に海外製の競合となるソフトウェアもたくさん出てくる可能性があると考えている。そういったものに負けない製品となるよう、さらに技術を磨いていきたい」と今後の抱負を話した。
実際に昨年、Microsoft Innovation Awardを受賞したネットディメンションの林徹社長は、「日本では新規ビジネスを知ってもらうことが重要だが、マイクロソフトのお墨付きということで大手企業からは評価をもらった。また、今年春にはマイクロソフトの米国オフィスを訪ねて人的ネットワークを築くことができたのも大きな成果。日本のソフトは世界に出て行きにくいと言われているが、来年3月からロサンジェルスにオフィスを開設する予定としている」と受賞をきっかけに、ビジネスを新たなステージに引き上げることに成功したとした。 同じく昨年の優秀賞受賞企業であるLoiLoの取締役 チーフ・クリエイティブ・オフィサーの杉山竜太郎氏は、「この取り組みでよかったのは技術者、エバンジェリストと関わりが持てたこと。最先端技術を使った開発を行なっているが、米国の技術者、エバンジェリストは相談すればすぐに答えを返してくれる。パーティなどの機会があれば積極的に知り合いを増やして、自分達が考えていることを相談してみると答えが返ってくるチャンスにもなる。是非、そのチャンスを生かして欲しい。自分達も米サンノゼにオフィスを置いており、足と身体で新ビジネスを創り出したい」と優秀賞受賞が大きな飛躍のきっかけとなったと強調した。 また、マイクロソフトではITベンチャー企業支援策として、従来から実施している自治体と連携した「ITベンチャー支援プログラム」の強化と、創業間もないIT企業のビジネス立ち上げを支援する「BizSpark」をスタートした。
ITベンチャー支援プログラムには新たに青森県、高知県、徳島県、鳥取県の4県と提携し、各地域でプログラムへの応募受付を開始する。このプログラムは、自治体が独自に行なっているITベンチャー企業支援策に、マイクロソフトのマーケティング支援などを合わせて提供することで、地域のIT支援プログラムの定着させることを目的としている。すでに12自治体との連携を実施しており、昨年Microsoft Innovation Awardの優秀賞に選ばれた株式会社LoiLoは、元々はITベンチャー支援プログラムを受けた企業でもある。 「ITベンチャー支援プログラムをきっかけに、各地域でのIT産業活性化が進み、世界に羽ばたくようなベンチャー企業がさらに登場することを望みたい」(マイクロソフト 加治佐最高技術責任者) 新たにスタートした設立から3年以内の企業を対象とした支援プログラム「BizSpark」は、スタートアップ企業を支援する「ネットワークパートナー」として、ITベンチャーを支援する団体、ベンチャーキャピタル、自治体、ホスティングパートナーと連携。ネットワークパートナーを通じ、参加を申し込んだスタートアップ企業に対し、ビジネスの起ち上げを支援する。 当初のネットワークパートナーは、Windows+Servicesコンソーシアム、KDDI、埼玉県創業・ベンチャー支援センター、GMO VenturePartners、GMOホスティング&セキュリティ、モバイル・インターネットキャピタルの6社で、各社はホスティング、ベンチャーキャピタルなどそれぞれの特性に合わせたスタートアップ企業の支援を行なう。 マイクロソフトではソフトウェアの開発に必要なサーバー製品や開発ツールおよびインターネットを活用したソリューションの運用およびホスティング用途のライセンスを、3年間無償で提供する。 ソリューション開発やITインフラなどの先行投資コストが少ないスタートアップ企業を支援することが目的で、「この制度を目当てに創業したいと考える企業が出てくれば望ましい」(加治佐最高技術責任者)という。 □マイクロソフトのホームページ (2008年11月20日) [Reported by 三浦優子]
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