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FPD International 2008が開幕
~フルHD液晶、電子ペーパーが多数展示

FPD International 2008の開催場所となったパシフィコ横浜

会期:10月29日~31日

会場:パシフィコ横浜



 日経BPが主催する、フラットパネルディスプレイ(FPD)関連の講演や展示を行なうイベント「FPD International 2008」が、パシフィコ横浜で開幕した。会期は10月29日~31日。

 展示会場への入場料は2,000円だが、Web上から招待券をダウンロードして印刷し、必要事項を記入の上持参すれば無料となる。

 今回の展示会では、多数の企業がTV向けの大型パネルや240Hz高速駆動パネルなどを展示。一方PC向けでは、フルHD化、省電力化、および白色LEDバックライトの採用が目立った。ここでは主にPC向け製品を紹介する。

●フルHDとLEDバックライト採用がトレンド

 Samsungのブースでは、1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応23型ワイド/16型ワイド液晶パネルや、1,600×900ドット(HD+)表示対応20型ワイド液晶パネル、1,366×768ドット(HD)表示対応13.4型ワイド液晶パネルなどを展示している。PC向けでも縦横比16:9のパネルの採用が進んでいることが伺える。

フルHD対応の23型ワイド液晶(上)とHD+対応の20型ワイド液晶パネル(下) フルHD対応の16型ワイド液晶パネル。ノートPC向けとされている ノートPC向け液晶のコントラスト比向上技術
折り曲げ可能なカラー電子ペーパー。解像度は1,060×750ドットで14.3型。カラー再現性はNTSC比5%と低い 枠が7.3mmしかない46型パネルを9枚貼り合わせたデモ 240Hzの高速駆動を実現した液晶パネル(上)。写真ではわかりづらいが、120Hz駆動品と比較すると想像以上に残像の低減が目立つ

 LGのブースでは、低消費電力を実現したノートPC向け14.1型ワイド液晶パネルなどを展示。従来とほぼ同じ画質を維持しつつ、消費電力を約1W削減している。また、表裏両面から見える反射型液晶を参考展示。実用化の価値に疑問があるが、面白い技術といえよう。

ノートPC向けの低消費電力向けパネル(右)。従来品と比較して約1W消費電力を低減した 表裏両面から見える液晶パネル。2枚のパネルを貼り合わせるのではなく、特殊素材で環境光をそれぞれの面に対して反射することで表示する

 AUOのブースでも、フルHD対応の21.5型と24型ワイド液晶パネルを展示。また、消費電流を約半分に抑えるノートPC向け液晶のデモも行なっている。

フルHD表示対応の21.5型ワイド液晶パネル(左)と24型ワイド液晶パネル(右) 消費電流を約半分に抑えたノートPC向けの液晶パネル

 台湾メーカーのChi Mei Optoelectronics(CMO)のブースでは、フルHD対応の21.6型ワイド液晶パネルや、ノートPC向けHD対応18.4型ワイド液晶パネルを展示。また、Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、厚み6.5mmのフルHD対応18.5型ワイド液晶パネルや、DisplayPort対応で白色LEDバックライト採用の14型ワイド/15.6型ワイド液晶などを展示した。

CMOのフルHD対応21.6型ワイド液晶パネル(左)とHD対応18.4型ワイド液晶パネル(右) CPTの薄型フルHD対応18.5型ワイド液晶パネル DisplayPort対応液晶も展示

●電子ペーパーの展示が増加

 電子ペーパー技術の先駆けとなったE Inkのブースでは、電子ペーパーの製品を多数展示。中でも注目なのが、アメリカ雑誌「Esquire(エスクァイア)」の2008年10月号の表紙だ。同誌は75周年を記念して、表紙の一部にE Inkディスプレイを採用した。表紙の中に書き換え用電池を入れており、約6カ月の間、絶えず表紙の一部表示が変化する仕組みだ。

Esquireの表紙。薄い灰色の部分が電子ペーパーで、ほぼ1秒間間隔で表示が変わる

 このほか、Sonyがアメリカ向けに販売している電子ブックリーダー「PRS-505」や、Amazonの電子ブックリーダー「Kindle」などを展示。また、国内向けでは日立製のau向け携帯「W61H」に電子ペーパーを採用したことが記憶に新しいだろう。さらに、USBメモリやHDDの残容量表示用に電子ペーパーを採用している製品なども展示された。

Sonyの電子ブックリーダー「PRS-505」 Amazonの電子ブックリーダー「Kindle」 日立のau向け携帯「W61H」
東芝の外付けフラッシュドライブ。残容量表示に電子ペーパーを採用 Lexar製USBメモリも残容量表示に電子ペーパー 日立マクセルもiVDRに電子ペーパーを採用する

 NECのブースでは、27日に発表した、マルチタイリング技術によるA4/A3サイズのモノクロ電子ペーパーを展示。複数枚のモジュールを組み合わせ、独自コントローラのマルチタイリング機能により高解像度の画像を表示できるのが特徴。A3サイズでは、モジュール4辺のうち2辺が1mmの超狭額縁を採用し、継ぎ目を目立たなくした。

NECのA3サイズ電子ペーパー 文字はややジャギーが目立つが、これは元データの解像度が低いためだろう。文字の視認性は非常に高い こちらはA4サイズ

 このほか、日立は湾曲可能なカラー液晶ディスプレイ、デンソーは単色ながらも向こう側が見える透明ELディスプレイなどを展示した。

日立の湾曲可能な液晶ディスプレイ デンソーの透明ELディスプレイ

□FPD International 2008のホームページ
http://techon.nikkeibp.co.jp/fpd/

(2008年10月29日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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