Atom搭載モバイルノート「Inspiron Mini 12」
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Inspiron Mini 12 |
10月末 発売
デルの低価格路線PCのブランドである「Inspiron Mini」シリーズの第2弾となる「Inspiron Mini 12」が発表された。今回、試作機を借りることができたので、その外観を写真で紹介したい。
液晶は12.1型で、解像度は1,280×800ドットと、一般的なモバイルノートと同等だ。ただ、かなり反射が強く、自分の顔などがくっきりと写り込んでしまう。英語版では、右下のごく一部のキーを除いては、同じキー幅で、キーピッチは17.5mmを確保。日本語版では、「¥」など、右端にあるもう少し多くのキーの幅が削られてしまうが、カーソルキーは逆に大きくなっている。いずれも、快適にタッチタイプできるだろう。
インターフェイス類は、左側面にミニD-Sub15ピンとUSB 2.0×2、右側面にカードリーダ、音声入出力、USB 2.0、Ethernet。無線は、IEEE 802.11b/gとBluetooth V2.1+EDRを標準装備しており、必要十分なものがそろっている。
天板は光沢があり、全体的デザインはMini 9と共通化を図っている。シンプルだが、安っぽさはない。本体サイズは299×229×20.9~24mm(幅×奥行き×高さ)。縦と横は、一般的ネットブックよりも明らかに大きいが、実はMini 9よりも薄い。重量も1.3kgを切っており、一部のネットブックよりも軽いほど。女性のポーチは難しいかもしれないが、男性の通勤鞄などには難なく入れて持ち歩けるだろう。
本製品は、Inspiron Mini 9と同じブランドで、CPUもコアは異なるが同じAtomということで、発表前にはネットブックの第2弾という噂もあった。しかし、本製品は明確にネットブックとは異なる製品だ。
実は本製品のOSはWindows Vista Home Basicだが、そのライセンスはULCPC向けとなっている。つまり、Microsoftの定義からすると、この製品もネットブックの1つに入ると言うことだ。
しかし、ネットブックと聞いて、一般のユーザーが想像するのは、5万円程度で10型以下の製品だろう。実際、デルもこの製品はネットブックではないとしている。狙いとしては、モバイルノートが欲しいが、MacBook Air、VAIO type Z、dynabook SS、Let'snoteなどはちょっと高すぎると感じているユーザーだ。
Inspiron Miniシリーズの1つの特徴は低価格であること。本製品も約9万円からと、前述の他社製品の半値以下となっている。その分、スペックも削られているので、ネットブックが想定するような、SDクラスのコンテンツ視聴や、Webブラウズ、メールといった作業には対応できるが、ムービーの編集など重めの作業には向かない。今回借用したのは、英語版のOSが入った試作機のため、性能の評価はしていないが、重めのビジネスアプリケーションも場合によっては辛いかもしれない。そのあたりは、価格相応の性能と割り切るしかない。
もう1つ妥協が必要なのが、メモリとHDDだろう。HDDについては、大きめのアプリケーションやデータを入れなければ、さほど問題にはならないかもしれない。だが、メモリはCPUと一体化したモジュールとなっているので、アップグレードは事実上不可能となっている。本製品の用途であれば、Windows Vistaでもスワップがひどくて使い物にならないということはないと思われるが、心情的にマイナスなのは確かだろう。
一方で、他社製品にない長所としては、ファンレス仕様である点が挙げられる。ファンは騒音がするだけでなく、故障の原因としても問題になることが多いので、この点は嬉しい。
持ち運びのしやすさで言えば、Mini 9が有利だが、SSDが16GBまでしかないという点に躊躇していたユーザーや、ネットブック以上の解像度で安いマシンが欲しいユーザーには、ピンポイントで魅力的に映るのではないだろうか。
□デルのホームページ
http://www.dell.co.jp/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1027/dell1.htm
(2008年10月27日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]