[an error occurred while processing the directive]

レノボ、屋外視認性と使い勝手を高めた
「ThinkPad X200 Tablet」を説明

ThinkPad X200 Tabletを分解したところ

10月22日 発表



 レノボ・ジャパン株式会社は22日、12.1型コンバーチブル型タブレットPC「ThinkPad X200 Tablet」の技術的特徴を解説するプレスセミナーを開催した。同モデルは10月10日に企業向けモデルとして発売されているが、個人/SOHOをターゲットにしたモデルも投入する意向だ。

 コンシューマ向けモデルの仕様は既に同社サイトで公開されており、基本仕様は企業向けモデルとほぼ同一。価格は278,250円。詳細な仕様は検討段階で、正式な発売日については後日発表予定。

 今回のセミナーでは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、屋外視認性のとタッチ/デジタイザ機能が強化され、使い勝手がさらに向上していることがアピールされた。

ThinkPad X200 Tabletのキーボードとパームレストなどを取り除いたところ 取り除かれたキーボードとパームレスト
筐体内部 液晶周りのフレーム。右下に指紋センサー、右上にWLANアンテナ

●X200 Tabletに至る流れ

レノボ・ジャパン 阿部直樹氏

 説明会ではまず、同社研究・開発 ノートブック開発研究所 第一システム技術の阿部直樹氏が同社のTablet PCの系譜を振り返る。'92年に投入した「PS/55 T22sx」の時点で既にマグネシウム合金ボディを採用して軽量化。携帯可能な業務向けマシンとして展開していたことをアピールした。

 2001年には技術力のデモンストレーションを目的としたリサーチプロダクトとして、手書き文字を取り込める「TransNote」を投入。2002年のWindows XP Tablet Editionの発売を受け、2003年に社内タスクを発足して特定用途向けではない新しいThinkPad Tabletの提案を目指すと、2005年には「X41 Tablet」、2006年にはX60と矢継ぎ早にTablet PCを投入してきた。その最新モデルとなるのが2008年10月に発売されたばかりのX200 Tabletだという。

 そのX200 Tabletでは、スペック向上によるパフォーマンス強化はもちろん、LEDバックライト液晶やSSDオプションなどでバッテリ駆動時間の延長と軽量化を実現。ほか、WXGA対応12.1型液晶とフルサイズキーボードの搭載、双方向回転ヒンジ、お手つき防止機能の向上などの強化が行なわれている。

X200 Tabletまでの流れ ThinkPadTransNote

●円偏向技術で普通のノートPCよりも低反射に

レノボ・ジャパン 土橋守幸氏

 X200 Tabletのコンセプトについて、同社研究・開発 ノートブック開発研究所 サブシステム技術の土橋守幸氏は、「高精度なペン入力機能にタッチ機能を追加し、屋外視認性の向上と合わせて最高水準の入力環境を提供すること」と語る。

 同コンセプトを実現するため、デジタイザによるペン入力と低反射技術を採用したタッチパネルを組み合わせた。従来のタッチパネルは反射が約20%と大きく、屋外ではまったく画面を認識することができなかったという。そこでタッチパネルに円偏向技術を採用し、約1.6%の低反射率を実現した。通常のノートPCでは2~3%程度というから驚きだ。

 具体的には、表面に映り込み防止低反射フィルムを張り、その下に偏光板とλ/4版を組み合わせた層がある。そこで直線偏光を時計回りにし、タッチパネルフィルムと透明電極センサータッチパネルのガラスの層を通過。その後、低反射フィルムかLCD本体で反射した光を2枚目のλ/4版で方向を90度変えて外へ出す構造になっている。なお、同技術はX60 Tabletより採用されている。

新パネルではより沈み込んだ黒になるとコントラストの向上をアピール 左が既存のパネルで右が新パネル。実機ではパネルとの隙間が狭くなるためさらに画質が向上するという
タッチ/デジタイザー両搭載モデルで採用された円偏向技術 デジタイザーのみのモデルは低反射保護ガラスを採用

●使い勝手を高めるソフトウェア層

レノボ・ジャパン 森英俊氏

 次いで、同社研究・開発 TVTノートブック ソフトウェア開発 第一TVT開発の森英俊氏が、X200 Tabletに搭載されたソフトウェア機能を紹介。これまでのThinkVantageテクノロジー・ソフトウェアに加え、タブレット機能の使い勝手を高める工夫が施されているという。

 通常のノートPC状態ではFnキーとの組み合わせでホットキーが利用できるが、タブレット状態ではタブレット・ショートカット・メニュー・ボタンからメニューを開き、音量やディスプレイの調整、システム設定などが可能になっている。同メニューでは、マイクの指向性の切り替えや、デジタイザペンの取り出しによるスタンバイからの復帰などを設定できる。

 ほか、ソフトウェアによりアクティブ・プロテクション技術を応用し、液晶の向きに応じて自動的に画面の向きを変える「アクティブ・ローテーション」機能や、双方向からの入力に対応した指紋センサーを実現。また、デジタイザとタッチパネルの入力をソフトウェアで制御することでデジタイザ入力時の2重入力や手をついたことによるカーソルの移動などを抑制した。

タブレットモード時にアクセスできるショートカット・メニュー その設定パネルでは、デジタイザペンの取り出しによるスタンバイからの復帰などが設定できる タッチパネルの誤操作を防ぐお手つき防止機能

□レノボ・ジャパンのホームページ
http://www.lenovo.com/jp/
□ニュースリリース
http://www.lenovo.com/news/jp/ja/2008/10/1010.html
□関連記事
【10月10日】レノボ、軽量/長時間駆動の12.1型モバイル「ThinkPad X200s」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1010/lenovo.htm

(2008年10月22日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.