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マイクロソフト、自社の環境への取り組みを解説

米Microsoft 最高環境責任者 ロブ・バーナード氏

10月7日 開催



 マイクロソフト株式会社は7日、米Microsoftの最高環境責任者であるロブ・バーナード氏が初来日したのに合わせ、マイクロソフトとしての環境への取り組みを紹介する記者説明会を開催した。

 バーナード氏は1年前にマイクロソフトが環境問題に取り組むために新設された組織のトップに就任。社内の環境問題対策、競合も含めた外部企業や官公庁との連携、ソフトを活用することで環境問題への改善の取り組みなどを行なっている。

 日本では7月から樋口泰行社長の直轄組織として、社長室が担当となり、業務執行役員 社長室の冨沢高明室長が責任者となって環境問題に取り組んでいる。

 バーナード氏はMicrosoftが環境問題に取り組むにあたり、「1,000人のお客様、社内のスタッフと話し合い、多国籍企業として最も大きなインパクトをどう与えるのか、環境に対する方針を決定した。我々はソフトウェアメーカーとして、ソフトのポテンシャルおよび力を使うことで、どう環境上の課題に取り組むことができるのかを示すことこそ、重要ではないかと考えた。また、我々が地球への環境負荷をどう減らしていったのか、他社が学べるひな形となるものを作ることを目指す。さらにこの領域では競合企業も含めた連携体制が重要であり、協力してこの問題に取り組むことこそ重要」と話した。

マイクロソフトの環境に対する方針 マイクロソフトが環境という課題に取り組む際の姿勢

 ITを活用したエネルギーの効率化を進めていく際の提案として、「半導体の技術進化を象徴する法則として知られている、『ムーアの法則』をエネルギー効率化のための法則として適用する。マイクロソフト自身もエネルギー消費量削減に取り組み、3年で50%もエネルギー消費量を削減した」と話した。

 ただし、エネルギーの効率利用にあたっては、「テクノロジーだけでなく、行動パターンにも変化が必要。環境意識の高いITスペシャリストに、自分達のデータセンターの電気代、知っていますか? データセンターのサーマルスキャンをやっていますか? クライアントの電力消費量は? と質問してもすぐに答えが返ってこない。IT部門にもっと大きな力を与え、自分で電力消費量を削減する権限を持たせたら、状況はもっとかわる」と組織の変化も必要だとした。

ITの消費エネルギーにムーアの法則適用を訴える エネルギー効率化に向けた戦略

 米Microsoftはホームページ上で、エンジニアおよび全社的にどのように環境問題に取り組んでいるのか公開している。日本でも今月中に環境に関する取り組みを紹介するウェブサイトが公開される予定だ。

 「我々がシカゴに新設したデータセンターは大きな成果をあげている。科学者に見てもらえば、すごい! と言ってもらえるはず。IT活用範囲は大きく広がり、未来はビルを管理するためにITを使うようになるだろう。ビルや施設管理にITを活用し、毎日、会社に来ないで仕事をする、出張せずテレカンファレンスに置き換える、古いハードウェアをアフリカの埋め立て地に捨てるのではなく、古いマシンを少し改善し開発途上国に提供するといった広い視野で改善を進めることで、環境問題には大きなプラス効果が生まれる」(バーナード氏)。

 Microsoft自身のソフトウェアにも環境対策を盛り込む計画で、「Windows Vistaには36の新たな省エネ機能を入れた。一番大きな変化は、起動した際、自動的に20分でスリープモードになること。スリープモードは3W程度の電力しか使用しないため、消費電力を下げることに大きな力を発揮する。1台ではそれほど大きな成果とならないが、50万台のPCで考えると大きな成果となっていることは一目瞭然といえる。Windows 7ではさらに多数の省エネ機能を盛り込む計画で、12月に開催するデベロッパーカンファレンスでその一端を披露したい」(バーナード氏)と次期Windowsにはさらなる省エネ機能を盛り込むことを明言した。

技術革新がもたらす持続可能なソリューション グローバル展開を視野に入れた連携の強化 持続可能なビジネス手法の推進と環境保護責任の強化

 さらに、サーバー側の仮想化機能、業務ソフト製品「Dynamicsシリーズ」などにも環境対策機能を盛り込んでいくという。

 Microsoft自身の環境対策として、社員の提案で本社があるシアトル市内にバスを走らせ、自動車ではなくバスで通勤する社員を増やすプロジェクトや、在宅勤務、物理的に自宅では仕事ができない社員向けにシアトル市にオフィスを設けるなどの試みも行なっている。

 また、米国ではオンラインでソフトを利用することでパッケージなどの資源を節約する企業ユーザー向け「デジタルチョイス」、個人ユーザー向け「デジタルロッカー」というサービスを提供している。

 日本での環境への取り組みとしては、「この7月に社長である樋口が行なった中期経営目標発表の重要な柱として、環境問題があると説明した。日本でもグローバルな展開と連携して、社長室が担当となり全社的に環境問題に取り組む。製造業ではもっと早く取り組んでいる企業があるのに、マイクロソフトの対応は遅いという意見もあるが、そういった意見もきちんと聞いて取り組む。今、オンラインをリニューアルし、環境関連のページを今月中にアップする。皆さんが使えるテクニカルガイダンスなどを提供し、パートナーと一緒に協力して環境問題に取り組む」と担当の冨沢社長室長が説明した。

マイクロソフト 業務執行役員 社長室 冨沢高明室長 日本における今後の活動

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/
□マイクロソフトの環境対策
http://www.microsoft.com/japan/opinionleaders/environment/
□Microsoft Environment
http://www.microsoft.com/environment/

(2008年10月7日)

[Reported by 三浦優子]

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