インテル、6コアのMPサーバー向けCPU「Xeon 7400」
9月16日 発表 インテル株式会社は16日、45nmプロセスで製造され、最大6コアを内蔵したマルチプロセッササーバー向けCPU「Xeon 7400」シリーズを出荷開始した。 開発コードネーム「Dunnington」で呼ばれる、ハイエンドMPサーバー向けのx86 CPU。45nm High-kプロセスで製造され、19億個のトランジスタを集積。最大動作周波数は2.66GHz、L3キャッシュ容量は最大16MB、L2キャッシュの合計容量は最大9MBなどとなっている。 これらにより、従来の7300番台と比較して、電子商取引などのアプリケーションでは約14%、科学演算では約31%、データベースなどの処理において最大約48%の性能向上を実現したという。 6コア搭載製品では最大16ソケットまで拡張可能なため、最大96コアで稼働することができる。なお、従来のXeon 7300番台とのソケット互換性は保たれる。
また、Intel VT FlexMigration機能を搭載し、過去および将来にわたる、Coreマイクロアーキテクチャに基づくプラットフォーム間においての仮想マシンの移行をサポート。フェイル・オーバーやディザスター・リカバリー(災害復旧)をサポートすることで、システムの停止時間を削減できるとした。 各モデルの詳細スペックおよび1,000個ロット時の単価は下表のとおり。
Xeon 7400シリーズを搭載したサーバーは、Dellや富士通、日立、HP、IBM、NEC、Sun Microsystemsなどから、今後順次発売される予定。
●ユーザーが安心できる災害復旧システムの提供 16日に都内で開かれた発表会では、インテル株式会社 代表取締役共同社長 吉田和正氏が挨拶。同氏は、'97年から2007年の10年間で、x86サーバーのシェアが76%から95%に向上し、台数ベースで約3~4倍に成長したという結果を掲げ、「Pentium Pro発表以降、我々にとって成長が著しいセグメントになっている」と説明した。 そして近年のハイエンドサーバーのニーズとしては、データ処理性能の向上のみならず、仮想化への移行によるサーバーの統合化、およびx86サーバーの標準化などがあるという。中でも特に、仮想化によって実現される高ワークロードと優れた低消費電力への需要が非常に高いとした。 今回のXeon 7400番台の投入により、企業向けのすべての分野において、45nmプロセスに基づく製品ラインナップが揃った。これにより、45nmプロセスの利点である低消費電力をすべての分野において提供可能になったとアピールした。
発表会では、ヴイエムウェア株式会社 テクノロジーアライアンスの森田徹治氏がゲストとして招かれ、Intel、NetApp、VMware、SAPの4社がディザスター・リカバリーの検証プロジェクトを実行していると紹介。4社が協力して災害復旧システムの完全性を検証することで、エンドユーザーが安心できるディザスター・リカバリーのシステムを提供できるとした。
また、実際にXeonを導入しているユーザーサイドとして、カシオ情報サービス株式会社 取締役 国吉典仁氏が招かれた。同氏によれば、カシオ計算機では2004年から仮想化技術を利用したサーバーの統合を行なっており、既に約360台のサーバーを削減した。これによりCO2排出量を183トン/年削減でき、グリーンITへ貢献できたとした。今回のXeon 7400番台では、さらにディザスター・リカバリーへの応用や動的障害回復の充実、動的なロードバランスが実現され、仮想化の更なる進化に期待できるとした。
質疑応答では、仮想化によりサーバーの台数が相対的に減り、市場が縮小するのでインテルにとってビジネスの縮小になるのではという質問がなされ、これに対し吉田氏は、「確かにサーバーの台数は減るが、それは市場のニーズであり、我々はそのニーズに応えた製品を出さなければならない。サーバーの単価が下がってきているのは事実ではあるが、グローバルで見れば台数的に増加傾向にある。またプロセッサの単価も高いレベルにあり、ビジネス縮小に繋がるとは考えていない」と答えた。 □インテルのホームページ (2008年9月16日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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