NVISION08レポート NVIDIAが、Intel X58チップセットでのネイティブSLI対応を緊急発表
会期:8月25日~27日(現地時間) 米NVIDIAは27日(現地時間)、NVISION08の会場で緊急会見を開催し、Intel X58 ExpressチップセットでネイティブSLIをサポートすることを発表した。
Intel X58 Expressは、NehalemコアのハイエンドPC/サーバー向けシングルプロセッサである「Core i7 (コードネーム:Bloomfield)」に対応するチップセット。すでに、NVIDIAはIntel X58にnForce 200を追加搭載することでSLIに対応させることを発表していた。今回の発表は、nForce 200なしでIntel X58のみでもSLIを可能にさせるもので、NVIDIAが他社製コンシューマ向けチップセットでSLIを対応させるのはこれが初となる。 Intel X58は、PCI Express 2.0 x16を2本持っており、これまでIntelチップセットがサポートしてきたCrossFireに加え、x16×2の2way、x16×1+x8×2の3way、x8×4の4wayでのSLIが可能になる。 ただし、Intel X58を搭載するすべてのマザーボードがSLIに対応するわけではない。対応にあたっては、各マザーボードがNVIDIAによる検証と認証を通過する必要がある。NVIDIAは、認証を通過したマザーボードに対して、個別のキーを発行し、このキーを各マザーボードのBIOSに登録する。これによって、ビデオドライバがSLI対応かどうかを判断する仕組みだ。 マザーボードメーカーに対するNVIDIAのSLIライセンス供与は柔軟的なものであり、メーカーに対して一括でライセンスを提供したり、マザーボードごとに提供することもできるという。 今回の会見は、急遽開催されたもので、実際、一部を除いてNVIDIAはマザーボードメーカーにもまだこの話を持ちかけていない。しかし、その準備は着実に進んでいるようで、Intel X58搭載マザーボードの発売と同時に、ネイティブSLI対応が実現する見込みだという。 なお、従来のIntel X58+nForce 200の組み合わせのマザーボードも予定通り出荷される。この組み合わせでは、x16×4のフル帯域でのSLIが可能になる。Intel X58のみのSLIと、Intel X58+nForce 200でのSLIの性能の差については、アプリケーション次第ということになるが、ゲームではほとんど差はなく、CUDAを使ったアプリケーションではそれなりの差が出るだろうとしている。 今回の発表の背景には、Core i7が従来のノースブリッジの機能の多くを内蔵したことで、NVIDIAが対応チップセットを出さないと決定したことが大きく起因している。ただし、NVIDIAはIntel CPU向けチップセットの開発を止めたわけではないと説明している。 AMD CPU向けチップセットについては、nForceシリーズでSLIに対応できるため、AMD製チップセットに今回のようなSLIのライセンスを提供することは計画していない。
□NVISION08のホームページ(英文) (2008年8月28日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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