依然として続くWindows XPの駆け込み需要
|
BCNがまとめた7月の量販店店頭におけるPC販売台数は、前年同月比5.8%増となり、5カ月連続で前年実績を上回った。これは、全国26社2,350店舗の量販店のおけるPOSデータを集計したもの。
オリンピック商戦時には、毎回、前年割れを余儀なくされてきた個人向けPCが、初めて前年実績を上回ったともいえ、業界では、オリンピック商戦でのリベンジに成功したとの見方が出ている。
デスクトップPCの販売台数は、前年同月比9.6%減と前年割れとなったものの、ノートPCは、前年同月比11.4%増と、前年実績を大きく上回った。
Centrino2の発売遅延などにより、新製品の目玉がないなど、夏商戦での売れ行きが懸念されたが、低価格PCの登場や、TV視聴機能を搭載した製品に注目が集まり、販売を増加させた。
アイテム別×OS別販売台数構成比推移(デスクトップ) |
アイテム別×OS別販売台数構成比推移(ノート) |
アイテム別×OS別販売台数構成比推移(全体) |
10万円未満の低価格PCの販売比率は約3分の1を占めている。
興味深いのが、Windows XP特需が、7月も引き続き見られたことだ。
前年割れとなったデスクトップPCでは、Vistaが17.9%減となっているのに対して、Windows XPは、22.1%増という大幅な増加。構成比も8.3%を占めた。
また、ノートPCでは、前年同月比337.0%と大幅な増加。ノートPCにおける構成比は、前月の10.5%からさらに上昇し19.1%と、約5台に1台はWindows XPという異常ともいえる事態となった。
デスクトップPCとノートPCをあわせた集計では、Windows XP搭載PCの伸び率は前年同月比237.3%増となり、構成比も16.6%と、前月の10.5%増から大きく増加した。
6月30日でマイクロソフトがOEM版の提供を終了したため、Windows XPへの駆け込み需要が発生したほか、ネットブックなどの低価格PCにWindows XPが搭載されたことで、構成比が高まったといえる。
Windows XPの好調な売れ行きぶりは、OSのパッケージ販売にも波及しており、この分野におけるWindows XPの構成比は41.4%と、前月の49.1%に引き続き4割台の構成比を維持している。なお、パッケージ版におけるVistaの構成比は前月の26.4%から、7月は28.3%に増加している。
一方、Macintoshの販売も好調だ。
7月の販売台数は、前年同月比34.7%増となり、昨年8月に23.0%増を記録して以来、12カ月連続での2桁増を達成した。
Mac OSを搭載したデスクトップPCは、台数ベースで87.9%増、ノートPCでは6.7%増といずれも伸張している。
8月は、例年ならばMacの新製品投入時期であるが、今年の場合は、iMacが春に発売されるなど、新製品投入が無い月となる。9月以降には新製品投入も期待され、需要拡大が見込まれることから、端境期となるこの8月に、Macの販売がどう推移するかが注目されるところだ。
OSソフト販売本数構成比推移 |
□BCNのホームページ
http://bcnranking.jp/
(2008年8月4日)
[Reported by 大河原克行]