NEC、LSIの温度分布を詳細に測定できる技術を開発6月27日 発表 NECは27日、LSIの温度分布を測定できる温度センサー技術「見える化」を開発したと発表した。 この技術は、従来比10分の1となる小型の温度センサーをLSI内に数十個配置し、各センサーから温度情報をデジタル信号で出力することで、温度分布をリアルタイムに観測するというもの。スーパーコンピューター「SX-9」での動作実証に成功している。 温度センサーは、新たに開発したトランジスタのリーク電流の温度依存性を利用したものと、リーク電流をデジタル信号に変換する小型回路で構成される。従来のダイオード型温度センサーと比較して面積比で10分の1に小型化され、従来数個しか配置できなかったものを数十個とすることで、高精度かつリアルタイムな温度分布観測が行なえる。 また、電源投入時に、LSIのリーク電流量を測定することで、電流量から温度に変換する適切な変換式を予測、適用する技術を開発。測定誤差は3度以下で、リーク電流が100倍以上異なり温度測定誤差が大きくなるような場合においても、高精度な測定が可能という。 同社はこの技術を今後主流となるメニーコアに適切な技術としており、温度センサーから得られた情報をもとに、各コアの動作周波数やデータ処理量、電源電圧などを適切に制御することで、消費電力を20%~50%削減できるようになるという。また、LSIの局所的な高温箇所によるさまざまな信頼性劣化を防ぐ技術として、今後のサーバー向けLSIで必須になると考えている。 □NECのホームページ (2008年6月27日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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