【COMPUTEX TAIPEI 2008】【その他のPC&パーツ編】
Montevina製品からユニークアイテムまで
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会期:6月3日~7日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
●COMPAL&CLEVOがMontevinaノートを多数ラインナップ
ノートPCのベアキットを販売するCOMPALとCLEVOのブースでは、Intelの次期ノートPCプラットフォームであるMontevinaに準拠した製品が多数展示された。両社スタッフともIntelのスケジュールに翻弄されていることを隠さないものの、準備が整い次第、出荷が可能な状態であるとしている。実際、ブースには多くのバイヤーが詰めかけ、商談と見られるミーティングを行なっていた。
COMPALブースの展示は、14~15型クラスが中心。GeForce 9Mシリーズを搭載した製品も存在しているが、主にメインストリームをターゲットにした主力製品に注力している印象だ。
一方のCLEVOは19型の液晶一体型Montevina製品や、17型クラスも展示。Pumaプラットフォームの製品や、Atom Zシリーズを搭載した7型液晶搭載NetBookも置かれるなど、バリエーションに富んだ展示内容となっている。
両社のノートPCのベアキットが、そのまま日本国内に出回ることは珍しくなったが、チャネル系メーカーのノートPCには両社の製品を利用するものは少なくない。これらの製品からは、大手ブランド以外のノートPCの動向を占うことができるだろう。
●AcerブースではMontevina2製品を展示
Aspire Oneが極めて高い注目を集めているAcerブースにも、2モデルのMontevinaノートが展示されていた。
上位モデルとなるAspire 4930は、14.1型液晶を搭載可能なノートで、GPUはIntel GM45内蔵グラフィック、GeForce 9600M GS、GeForce 9300M GSから選択できる。光学ドライブを内蔵可能な2スピンドルノートで、いずれのGPUもHDコンテンツのデコード支援を持っている点や、Dolby Home Theaterに準拠していることから、Blu-rayドライブの内蔵を推奨している
下位モデルのAspire 2930は、液晶サイズが12.1型で、GPUはIntel GM45のみとなる。ただし、Dolby Home Theaterには準拠している。また、両製品ともIntel WiFi Link 5150/5300を内蔵可能
14.1型液晶を搭載するMontevinaノート「Aspire 4930」 | 12.1型液晶を搭載するMontevinaノート「Aspire 2930」 |
●ECSブースではMontevinaノートのほか、Atomマザーも
ECSのブースにもMontevina準拠製品が1モデル展示されていた。「S21 II」は12.1型WSXGA液晶を搭載するモバイルノートで、本体サイズは296×227×26.3~31mm/1.83kg。4セルのバッテリが付属する。チップセットはIntel GM45+ICM9Mとなっており、GPUは内蔵グラフィックを利用する。
さらに、ECSのブースではAtom 1.6GHzをオンボード搭載するマザー「945GCD-CI」も展示。チップセットにIntel 945GCを搭載したMini-ITXサイズのマザーボードで、ボードデザインはCOMPUTEX期間中に日本で発売された「D945GCLF」とほぼ同じ。Intelのデザインガイドに沿った物だと思われる。
ただし、チップセット、CPUともにファンレスの構成。動作デモはケースに40mm角ファンを2個搭載したのみで動作可能であることをアピールしていた。基本的には、機器への組み込み用途をターゲットにするが、日本への出荷も含めて単体発売も計画しているという。単体製品の発売時期は今月末~来月が検討されているとのこと。
ECSのMontevinaノート「S21 II」。Intel GM45+ICH9Mを搭載する12.1型液晶の製品 | Atom 1.6GHzをオンボード搭載する「945GCD-CI」。CPU、チップセットともにファンレス構成なのが特徴」 |
945GCD-CIの動作デモ。完全ファンレスとはいかないが、筐体の小さなファンのみで冷却が可能であることをアピールした | ECSのブースではこのほかに、BTXのIntel X38マザーや、SO-DIMM対応のIntel Q45といった一風変わったマザーボードも展示された。これらは特定の企業を対象にしたOEM専用品とのこと |
●AOpenはMontenvinaを利用したMini PCをリリース
今でこそ小型・省電力PCに向けた専用プラットフォームが登場し、ネットトップというジャンルが確立されているが、数年前はこうした専用製品がなかったこともあって、モバイル向けパーツをデスクトップに適用するMobile on Desktop(MoDT)という動きがあった。
このジャンルに積極的に取り組んでいたのがAOpenで、2006年のCOMPUTEXではMoDTを大々的にアピールするブースを出展した(余談ながら、その際に劇的瞬間を目撃してしまったAOpenの看板が落下する事故は筆者の記憶から消えない)。同社は今でもこのジャンルへの取り組みを続けており、今回のCOMPUTEXではMontevinaプラットフォームを1.6Lクラスの筐体へ搭載する「MP45-DR」を展示した。
同社ブースには本製品に採用されているマザーボードも展示されており、DDR2-667対応SO-DIMMスロット×2、PCI Express Mini Cardスロットの存在を確認することができる。グラフィック機能はIntel GM45内蔵グラフィックを利用し、DVI出力端子を装備。前後合わせてUSB×6ポートを備えるほか、eSATA端子を背面に1基備えているのが特徴的だ。
国内での発売については日本法人の担当者が不在であったため具体的な情報を聞けなかったが、本社マーケティング担当者からは「おそらく来月から8月ごろに発売することになるだろう」との前向きなコメントを得ることができた。モバイル向けとはいえCore 2 Duoを利用できる小型PCとして面白い存在になりそうだ。
●BIOSTARはLFBを搭載するAMD 790GXマザーを展示
AMDの未発表チップセット「AMD 790GX+SB750」を搭載するマザーボードは、今回のCOMPUTEX TAIPEIにおいて、さまざまなブースで目にすることができる。BIOSTARは、このAMD 790GX+SB750を搭載する製品を2モデル展示しているが、いずれもSidePort Memoryと呼ばれる、内蔵グラフィックス用のローカルフレームバッファ(LFB)を搭載しているのが特徴だ。
SidePort MemoryはAMD 780Gもサポートしており、これを搭載したマザーボードは秋葉原でも高い人気を集めている。ハイエンド向け製品であるAMD 790GX+SB750ならば、この仕様の製品はさらに高い注目を集めるかも知れない。なお、未発表チップセットであるためAMDのスケジュールにも影響されるが、製品発売は来月を予定しているとのことだ。
AMD 790GX+SB750を搭載する「TA790GX3 A2+」。ノースブリッジ脇にメモリが載っているのが分かる。上位モデルとなる本製品では128MBのLFBを搭載する | 同じくAMD 790GX+SB750の「TA790GX A2+」。こちらは64MBのLFBを搭載している |
●その他、会場で見かけたユニークな製品
最後に会場内で見かけたユニークな製品をまとめて紹介しておきたい。
Universal abitのブースでは、同社の主力製品であるマザーボードのほか、現在人気が高まっているデジタルフォトフレームの展示も大々的に行なわれていた。7型液晶を搭載する「P70」と、8型液晶搭載の「P80」の2モデルをベースに、フレームデザインを変更したバリエーションモデルが多数展示されているが、このフォトフレーム。ただのフォトフレームではなく、背面に昇華型のプリンタを内蔵している点が面白い。
背面に36枚対応のカートリッジを装着できるようになっており、用紙は両端のミシン目を切り取ることで縁無し化が可能。本体内に128MBのフラッシュを持っており、こちらに転送したデータや、SDカード/メモリースティックスロット、USB接続したマスストレージから写真を参照できる。
操作はリモコンまたは本体に設けられたボタンを使って行なう。すでに日本語化されたリモコンも展示されており、日本へは今月末から7月にかけての発売を予定。価格帯は米ドルで7型が200ドルから、8型が300ドル前後からが見込まれている。
MSIのスイートルームでは、ポータブルタイプの心電図モニターが展示された。2006年のInternational CESで初めてコンセプトが示された製品で、その際にもレポートをお届けしているが、現在では、すでに製品化が決まっているという。
モニタ装置は65gと極めて軽量にできているほか、2本の単4乾電池で動作が可能。データはSDカードに記録され、PC上でモニタアプリケーションを利用することで分析できるようになっている。日本国内においてもMSIブランドではないとのことだが、発売が決定しているという。
MSIの心電図モニター「MyECG」。極めて小型のモニター装置だが、1000MHzでのサンプリングが可能。電池駆動が可能なので、24時間いつでも記録できる点もPRされていた | モニター記録はSDカードに保存され、PC上で分析を行なうこともできる |
Stysenが展示を行なった「i-Knock B01」は、メッセンジャーソフトのメッセージ受信を知らせてくれるUSB接続アクセサリだ。その動きが非常にユニークで、手に持ったハンマーで自分の頭をノックするのである。
対応するメッセンジャーソフトは現時点でMSN、Skype、Yahoo!の3種類だが、順次拡張予定。ハンマーのノックと同時にLEDを点滅させる機能や、アラートの音声のカスタマイズ機能も装備する。日本への発売は代理店次第とのこと。価格は40~50ドル程度。
Stysenが展示した「i-Knock B01」。何となくMSNメッセンジャーのキャラクタに似ているが、メッセージを受信するとハンマーで自分の頭を叩くというユニークなアラートツール。PCとの接続はUSBで、内蔵スピーカーを装備しておりオーディオケーブルも接続可能 | カラーバリエーションモデルも販売される |
□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
□COMPALのホームページ(英文)
http://www.compal.com/
□CLEVOのホームページ(英文)
http://www.clevo.com.tw/en/
□Acerのホームページ(英文)
http://www.acer.com/
□ECSのホームページ
http://www.ecs.com.tw/
□COMPUTEX TAIPEI 2008 レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/link/comp.htm
(2008年6月10日)
[Reported by 多和田新也]