【COMPUTEX TAIPEI 2008】【WiMAX編】 IntelやPCベンダーがモバイルWiMAX搭載PCをデモ会期:6月3日~7日(現地時間) 価格:会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall 今年のCOMPUTEX TAIPEIでは、WiMAX関連の話題が重要なテーマとして掲げられており、TWTC(台北世界貿易センター) Hall2という従来マザーボードベンダーのブースなどが設置されていたホールが丸ごとWiMAX Expoと呼ばれるWiMAX、特にモバイルWiMAXに焦点を当てた併設イベントの会場にされており、WiMAXに関連した製品の展示や、実際のデモンストレーションなどが行なわれた。 日本でも来年からKDDIやIntelなどの合弁会社「UQコミュニケーションズによるモバイルWiMAXの商用サービスが開始されることになっており、MIDやNetbookのようなよりポータブルなPC普及と併せて、“いつでもどこでもインターネット”がより手軽に実現する時代が近づいている。 ●Intel WiMAX/WiFi Link 5000シリーズをデモ モバイルWiMAXの普及において重要な役割を演じているIntelは、モバイルWiMAXとWi-Fiを1つのモジュールに統合したIntel WiMAX/WiFi Link 5350/5150(開発コードネーム:Echo Peak)を搭載したPCのデモンストレーションを行なった。 すでに既報の通り、IntelはMontevinaの開発コードネームで知られるCentrino2を7月14日からの週に発表し、8月に搭載製品の出荷が開催されることを明らかにしているが、Intel WiMAX/WiFi Link 5350/5150はその構成要素の1つとなる。 なお、MontevinaにはこのほかにもWi-Fiだけの無線モジュールも用意されており、Intel WiFi Link 5300/5100(開発コードネーム:Shirley Peak)がそれに当たる。今のところ、Intelはこれらの製品の詳細を明らかにしていないが、OEMメーカー筋の情報によれば、以下のようなスペックとなっている。
OEMメーカー筋の情報によれば、Intel WiMAX/WiFi Link 5350/5150でサポートされているWiMAXの周波数は2.3~2.7GHz、3.3~3.8GHzとなっている。日本でモバイルWiMAXに割り当てられた周波数は2.5GHzになるので、日本向けに出荷される製品では2.5GHz帯が利用されることになる。 上位SKUとなるIntel WiMAX/WiFi Link 5350では、MIMOアンテナは3×3という3本のアンテナを利用して送受信する形となっているが、3×3が利用できるのはWi-Fi時のみで、WiMAX利用時には1×2のみ利用するようになっている。 なお、下位SKUのIntel WiMAX/WiFi Link 5150ではWi-Fi時にも、WiMAX時にも1×2となる。気になるパフォーマンスだが、OEMメーカー筋の情報では、IntelはOEMメーカーに対して10MHzあたりのピーク時スループットは20Mbps(下り)/5Mbps(上り)、平均で10Mbps(下り)/4Mbps(上り)程度と説明してるとのことだ。このあたりは、利用できる周波数などによっても異なってくるので、実際に日本の環境でどうなのかは、正式発表を待つ必要があるだろう。 今回、IntelはこのIntel WiMAX/WiFi Link 5350を実際にノートPCに内蔵し、それを利用してネットワークに接続するデモを行なったのだ。利用している周波数などは未公表だが、実際にノートPCを確認すると、確かにIntel WiMAX/WiFi Link 5350を利用して接続している様子などがデモされた。 なお、Centrino2の発表は7月の第3週と発表されたが、Intel WiMAX/WiFi Link 5350/5150は今年の年末、米国におけるクリスマス商戦の時期にOEMメーカーからの出荷が予定されている。ただし、日本ではそもそもモバイルWiMAXのサービスそのものが、2009年からになるので、当然のことながら搭載製品は2009年以降の出荷となる可能性が高いだろう。
●台湾政府が政府主導のモバイルWiMAX普及プロジェクトを展示 台湾政府の経済部(日本で言えば経済産業省に相当)は、「M-TAIWAN」という台湾政府主導で行なわれてきたWiMAXの台湾での普及、そして世界中の市場に向けたWiMAX関連製品の開発支援などに関するプロジェクトの成果に関する展示を行なった。 展示されたのは複数オペレータ間のローミングやMobile IPを利用した基地局が切り替わった時にも同じIPでアクセスできる方式などで、実際にそれらが可能になることがデモされていた。 台湾政府はWiMAXに非常に力を入れており、電波の割り当てや台湾企業に対するWiMAX製品開発の助成などを行なっている。展示からも台湾政府が国策として、WiMAXに力を入れていることを感じ取ることができた。
●PCベンダー、ODMベンダーなどがモバイルWiMAXの機能を搭載したノートPCを公開 WiMAX Expoには、PCベンダーや台湾のODMベンダーなどのブースも用意されており、各社がモバイルWiMAXを搭載したノートPCを展示した。ODMベンダのQuanta、PCメーカーのASUSTeKとAcerの3社がそれで、ぞれぞれモバイルWiMAXモジュールを組み込んだノートPCやUSBモジュール、内蔵モジュールなどを展示した。 ただし、展示内容は実際につながっていなかったり、そもそもWiMAXのモジュールも入っていないノートPCの展示だったりと、ややちぐはぐな感じが否めなかった。ODMメーカーのQuantaには日本でウィルコムが販売する予定のD4が展示されており、来場者の注目を集めていた。
□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文) (2008年6月9日) [Reported by 笠原一輝]
【PC Watchホームページ】
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