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【COMPUTEX TAIPEI 2008】【ASUSTeKブース編】

MontevinaノートやGeForce 9000シリーズ搭載マザーなどを展示
~Eee PCのNetTop版「Eee BOX」も

会期:6月3日~7日(現地時間)

会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



●未発表チップセット搭載製品も展示されたASUSブース

 PCパーツを取り扱う主要メーカーのほとんどは、今年からNangang Exhibition Hallへ移動したが、ASUSTeKは従来の信義区にあるTaipei International Convention Centerにブースを出展。同社にとって今年一番の話題がEee PCであることと関係しているように思われるが、それでもPCパーツやノートPCといった同社が従来から手がけている製品も数多く展示された。

 マザーボード関連では、Intel 4シリーズ搭載製品を多数展示。なかでも同社のゲーマー向けブランド「R.O.G.」シリーズに属するIntel X48搭載製品「Rampage Extreme」や、Intel P45搭載製品「Maximus II Formula」が大きな注目を集めていた。

 とくにRampage Extremeは、Intel X48というハイエンド向けチップセットを搭載したうえにゲーマーという要求の高いユーザーを満たす必要があるため、CPU周りは16フェーズのVRMを搭載する。また、メモリ周りのコンデンサも富士通製の薄型タイプを採用するほか、オンボードに搭載されたスティックによってCPUの動作クロックを可変させる機能なども用意されている。

 また、従来のR.O.G.シリーズとは異なるシルバーと黒を中心としたヒートシンクデザインを採用しているが、これに関してはCOMPUTEX期間中に行なわれた「ASUS Motherboard Tech Forum」で言及があり、フェラーリからイメージされたインダストリアル・デザインなのだという。同社はランボルギーニブランドのノートPCをリリースしていたが、デスクトップPCではフェラーリをモチーフにしているあたりは興味深い。

 そのほかのIntel 4シリーズチップセットは、同社らしく高機能製品から廉価モデルまで多数をラインナップ。一部は3月のCebitでも展示されていたが、微妙なデザイン変更などもあるので、ここでまとめて紹介しておく。

 ちなみに、多くのモデルに「6-Engine EPU」というシールが貼ってあることに気がつくと思う。従来のEPUはCPUのVRMのフェーズ数をソフトウェア上から変更することで高い電力効率を実現するものであるが、こうしたソフトウェアによる電力面の制御をほかのパーツへも展開したのが6-Engine EPUで、CPUのほかビデオカード、HDD、メモリ、チップセット、システムファンの制御が可能になるという。

Intel X48+ICH10Rを搭載する「Rampage Extreme」。1600MHz FSB、DDR3-2000に対応する製品。チップセットクーラーを水冷するためのキットも付属する 同社の上位モデルはメモリ用VRMを2フェーズにするなどこだわった作りになっているが、本製品はコンデンサも「すごく高価」という富士通製の薄型コンデンサ ボード最下部に用意されたTweak Tool。中央のスティックを左右に動かすだけでCPUの動作クロックを変化させることができる
Intel P45+ICH10Rを搭載する「Maximus II Formula」。チップセットがメインストリームということもあって、Rampage Extremeに比べるとおとなしい作り 両製品とも、ノースブリッジクーラーは動作中に光る仕様。とくに欧米のユーザーに好評だとか Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q3 Deluxe/WiFi-AP@n」。1600MHz FSB、DDR3-1600対応
Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q Premium」。1600MHzFSB、DDR2-1200対応。PCI Express x16×4スロットの搭載が特徴 Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q Deluxe」。1600MHzFSB、DDR2-1200対応 Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q-E」。1600MHzFSB、DDR2-1200対応
Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q Pro」。1600MHzFSB、DDR2-1200対応。P5Q-Eのデザインを簡略化したモデル Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q」。1600MHzFSB、DDR2-1200対応。CrossFireサポートなどを省いた最廉価モデル Intel P45+ICH10Rを搭載する「P5Q C」。DDR3/DDR2両対応のモデル。1600MHzFSB、DDR3-1333/DDR2-1066対応
Intel G45+ICH10Rを搭載する「P5Q-EM」。1600MHz FSB、DDR2-1066対応 Intel P43+ICH10Rを搭載する「P5QL-E」。1600MHz FSB、DDR2-1066対応。ICH10Rを搭載するのがポイントの上位モデル
Intel P43+ICH10を搭載する「P5QL Pro」。1600MHz FSB、DDR2-1066対応 Intel G43+ICH10を搭載する「P5QL-EM」。1333MHz FSB、DDR2-1066対応

 そのほかの同社製Intelプラットフォーム向けマザーボードでは、NVIDIAの未発表チップセットを搭載した製品が展示された。NVIDIAの発表会場にも展示されたGeForce 9300のほか、その上位モデルと見られるGeForce 9400搭載製品も存在。このチップセットに関する情報は現時点で得られていないが、製品紹介ポップには明確に“Hybrid SLI”への対応が謳われている。

 また、同社のnForce 780i SLIマザーも従来と異なる型番の新モデルが展示された。これは、新たに設計し直した完全な新製品とのことで、メモリ周りの安定性を向上させたものとのこと。

GeForce 9400を搭載する「P5N7A-D/SAS」。現時点で未発表のチップセットを搭載した製品 製品紹介ポップにはHybrid SLIへの対応が謳われている IOリアパネル部にはD-Sub15ピンとHDMI端子を装備
GeForce 9300を搭載する「P5N7A-VM」。こちらはD-Sub15ピンとHDMIに加え、DVI出力も搭載している 新型番のForce 780i SLI搭載マザー「P5N72-T Premium」。メモリの安定性向上のため新デザインを採用したという

●140W TDPの次世代CPUへの対応をアピール

 一方のAMDプラットフォーム向けマザーボードとしては、未発表のAMD 790GX+SB750を搭載した「M3A78-T」が注目されるが、このほかのマザーボードに関しては発表済み製品も多く、全体には目新しさはない。

 しかし、今回展示されたすべてのAMD対応製品に「140W CPU Support」のシールが貼付されたのは注目に値する。現在のAMD製CPUにおいてもっとも高いTDPとなっているのは、Phenom 9850の125Wである。このシールの意味をASUSスタッフに尋ねると「ASUSは次のAMD製CPUをもっとも早くサポートしました」との回答。

 つまり、このシールの存在は、次のAMD製CPUが140W TDPになるということを表したものといえるだろう。少なくとも65nm SOIプロセスであるうちは、上位モデルが出るたびに高いTDPが設定された製品となることが避けられないのだろうか。

 以下、140W TDP対応のマザーボードを一覧で紹介しておく。AMD 790FX搭載製品が存在しておらず、ハイエンドセグメントは統合型チップセットであるAMD 790GXへ移行してことになりそうだ。

AMD 790GX+SB750を搭載する「M3A78-T」。ディスプレイ出力端子はD-Sub15ピン、DVI、HDMIを装備 AMD 780G+SB700を搭載する「M3A78 PRO」 AMD 780G+SB700を搭載する「M3A78-EM」
AMD 780V+SB700を搭載する「M3A780-CM」 nForce 780a SLIを搭載する「M3N-HT Deluxe/Mempipe」 nForce 750a SLIを搭載する「M3N72-D」
GeForce 8300を搭載する「M3N78 PRO」 GeForce 8300を搭載する「M3N78-EM」 M3A78-EMとM3A780-CMは、Display PortをIOリアパネル部に装備。写真は前者のもの

●Montevinaや未発表のGeForce 9Mを搭載するノートPC

 Intelの次期ノートPCプラットフォームである「Montevina」。すでに延期が伝えられているが、COMPUTEX TAIPEIの会場内では、このプラットフォームのノートPC製品が数多く展示されており、ASUSブースにも多くのMotentevinaノートが並んでいる。

 同社の展示製品では、Montevinaノートに合わせて未発表GPUが搭載されているのも注目すべきポイントだ。先日、発表されたGeForce 9Mシリーズはもっとも上位となるモデルでもGeForce 9650M GTとなっていたが、ASUS製の展示品のなかには、GeForce 9700M GTを搭載した製品が展示されているのだ。先に紹介した発表会レポートのプレゼンでも型番が示されていたが、型番から見てもモバイル向け製品のハイエンドGPUと想像される。

 AMDプラットフォームの製品としては、COMPUTEX期間中に発表されたPumaプラットフォームノートを展示。AMD M780GとMobility Radeon HD 3470と組み合わせたHybrid CrossFireXを利用可能な製品となっている。

 このほか、3月のCebitでコンセプトが紹介された“竹”を基調としたデザインの「Bamboo」の製品化も決定。Montevinaプラットフォームの製品であるU6をベースにしたものとなった。

 ただ、3月のCebitでは天板や液晶周り、パームレスト部がすべて竹でデザインされていたのに対し、製品版はパームレスト部のみとなった。これについてASUSスタッフは「天板は強度、液晶周りは無線LANのアンテナ配置の問題があり、この形になった」と説明している。それでも、竹を削って刻印を作るなど可能な限りデザインにこだわったことを感じさせる製品だ。日本での発売は未定となっている。

Motenvinaプラットフォーム製品の「V1V」。Intel PM45とGeForce 8600M GTを搭載する同社ノートPCのフラッグシップモデルで、背面にドライブを追加可能なドッグに対応する Montevinaプラットフォーム製品の「G71V」。GPUは未発表のGeForce 9700M GT。17型のWUXGA液晶を搭載 NVIDIA Control Panelの表示。GeForce Release 175.80により動作している
Motenvinaプラットフォーム+GeForce 9700M GTを採用する「G50V」。15.4型または15.6型液晶を採用。解像度は最大SXGA+ Montevinaプラットフォーム+GeForce 9600M GSを採用する「M50V」。SXGA+までの15.4型液晶に対応。サウンドにこだわった作りが売りでALTEC LANSINGのスピーカーを内蔵する Motevinaプラットフォーム製品の「M51Va」。Mobility Radeon HD 3650または3470が組み合わせられる
Montevinaプラットフォーム製品の「F8Vr」。14.1型液晶の製品で、Radeon HD 3470を搭載。カラーバリエーションモデルも展示されていた Montevinaプラットフォーム製品の「U6V」。12.1型液晶を搭載する製品 U6Vをベースに“竹”を基調としたデザインを施した「U6V Bamboo」
竹はパームレスト部のみあしらわれている。製品名は刻印になっている Pumaプラットフォーム製品の「M70T」。17型液晶とALTEC LANSINGのスピーカーを搭載 AMD M780G内蔵グラフィックのほかにMobility Radeon HD 3470を搭載し、Hybrid CrossFireXをサポートしている

●NetTop版Eee PC「Eee Box」も大々的に展示

 ASUSTeKの今回の目玉製品は新型Eee PCである点に異存を唱える人は少ないと思うが、これに併せてEee PCと同様のコンセプトで作られたNetTop製品となる「Eee Box」の発売も正式に表明。ブースにおいてもEee PCと並んで大きく取り上げられている。

 今回展示されている「Eee Box B202」は1Lクラスの筐体を利用した製品で、消費電力は20W以下に抑えられているという。主な仕様は次のとおり。

  • CPU:Intel Atom N270
  • チップセット:Intel 945シリーズ
  • メモリ:512MB~2GB(2スロット装備)
  • HDD:80GBまたは160GB
  • 無線LAN:802.11n対応
  • OS:Windows XP Home/ProfessionalまたはLinux

 このほかの仕様はフロント/リア部の写真で見てほしい。

 製品展開としては、Eee PCのように仕様の異なるいくつかのバリエーションモデルが投入される予定とのこと。例えば、OSやストレージ容量の違いで数モデルが発売されることになるだろう。

 発売時期は来月初めが予定されており、日本での発売も見込まれている。価格帯はブーススタッフによる300ドル未満としているが、日本での販売価格はモデルは現時点で不明である。

NetTop版Eee PCといっても差し支えない「Eee Box B202」 フロント部。上から電源スイッチ、カードリーダー(SD/SDHC/MS/MS Pro対応)、USB2.0×2、ヘッドホン出力、マイク入力 リア部。上から無線LANアンテナ、電源、DVI、USB2.0×2、Gigabit Ethernet、ライン出力(S/PDIF出力対応)
さまざまなカラー/デザインのバリエーションモデルも展示されている

●液晶インタフェースやプロジェクタ内蔵ノートなどのコンセプトモデル

 最後に同社ブースで示されたコンセプトモデルをいくつか紹介しておきたい。Sole Sensationというコーナーで展示されたコンセプトモデルは、液晶パネルを入力インタフェースにした製品である。

 1つは2枚の液晶を使った、Mac Air風の薄型ノートPCで、手前の液晶のみがタッチパネルになっており、ここにキーボードやメディアコントローラボタンを表示して操作できるというもの、ただし、今回は完全にデモンストレーションのみで、操作を体験することはできなかった。

 もう1つは、1枚の液晶のみを使い、背面にPCを埋め込んだもの。例えば、CDなどを挿入すればPCのなかにCDが吸い込まれていく様子をビジュアルで表現し、そのまま操作へと移行することなどができる

 いずれのコンセプトモデルも、ハードウェアの技術展示というよりは、ユーザーインタフェースの追求という点に主眼が置かれているという。タッチパネル式の液晶ディスプレイによってさまざまなビジュアル表現を組み合わせることで、より直感的な操作をユーザーが体験できるようにしようというものだそうだ。

液晶ディスプレイ2枚を用いたノートPC風製品。手前の液晶のみがタッチパネルになっており、キーボード入力やメディア操作を行なえる 一枚の液晶によるPC。現在の操作に合わせて画面上にさまざまなビジュアルを表示することで、より直感的な操作を提供するという

 このほか、ノートPCにフロント投影式プロジェクタを埋め込んだコンセプトモデルも展示された。Webカメラを一回り大きくしたような作りになっており、内部はチップセットが持つHDMI出力を利用して接続されている。

 ただ、製品化について尋ねると「このとおり実際に動いているが、このプロジェクタはVGAだから(笑)」とのことで、本格的な製品化の検討は、ユーザーニーズのリサーチや、プロジェクタ部分の解像度向上などの技術的課題が改善された後になるそうだ。ただ、会議などでプレゼンを行なうときに、プロジェクタとノートPCを接続して利用する例は多く、こうした製品も意外にニーズはあるかも知れない。

プロジェクタ内蔵ノートPCのコンセプトモデル。液晶の上部にプロジェクタが搭載されている 会場が明るいので少々分かりにくいが、確かにPCの画面が投影されている

□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
□ASUSTeKのホームページ(英文)
http://www.asus.com/
□関連記事
COMPUTEX TAIPEI 2008 レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/link/comp.htm

(2008年6月9日)

[Reported by 多和田新也]

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