エルザ、3DゲームやCADもネットワーク越しで操作できる製品
5月27日 発表 エルザジャパン株式会社は5月27日、カナダのリモートグラフィックス技術開発会社Teradiciと提携し、「PC-over-IPテクノロジ」を搭載した3Dリモートグラフィックス製品「VIXEL」を開発、8月中に発売すると発表した。価格は未定だが、8万円前後となる見込み。
キーボード/マウスの操作や、USB機器、画面表示をネットワーク経由で転送できる製品。最大解像度は1,920×1,200ドット(WUXGA)で2画面に対応しており、リフレッシュレートも60Hzに対応。リアルタイム性と画質を両立したという。また、クライアント側に装着した各種USB機器も認識でき、USBスピーカーやフラッシュメモリなどにも対応する。 ホストPCには専用のPCI Express x1カード「VIXEL 1200 Host card」を装着する。このカードにはビデオカードのDVI端子から出力された信号を入力する端子と、出力用のEthernetを備える。ビデオカードから出力された映像はこのカードでハードウェアエンコードして出力するため、ホストPCには一切負荷をかけることはない。ドライバも不要で、OSに依存せず利用できる(ただし音声を出力する場合はRealtek HDオーディオドライバが必要)。 クライアント側はアダプタ「VIXEL 1100 Portal」でデコードし、DVI対応のディスプレイやUSBマウス、キーボード、スピーカーなどを接続できる。ホストとクライアントの通信帯域のピークは60MB/sec前後で、Hubやルータを介しての通信も可能。なお、ホストとクライアントが同時に通信できるのは1台までだが、複数のクライアントを用意しておき、切り替えることで同じホストに接続することは可能。
27日に都内で開かれた製品発表会では、エルザジャパン 代表取締役社長 永井淳氏が挨拶。同氏は「2008年はセキュリティに対する関心も高まってきており、シンクライアントへの需要が高まる一方、2008年後半にはより高い演算性能を持つGPUがNVIDIAから登場すると言われており、今後高いグラフィックス性能を実現できるシンクライアントへの需要が増加すると見込んでいる。今回、我々はTeradiciとの提携により、この市場に向けた製品をリリースし、成長する市場に応えていくのが目的」と説明した。 また、来日したTeradici プロダクトマーケティングマネージャーのZiad Lammam氏は、「これまでのシンクライアントはアプリケーションの互換性、性能面で課題になっていた。しかし我々はPC-over-IPテクノロジを投入することにより、これらの課題を打開できる。また、VESAなどに参加し、標準化活動も行なっており、PC-over-IP技術を幅広く推進している」と述べた。 新製品については、「我々の技術は、圧縮が難しいイメージも高度なアルゴリズムによってエンコードでき、ロスレス圧縮でClearTypeフォント表示やアンチエイリアスなどもサポートできる。ホストPC上とほぼ同じ画質とレスポンスをクライアント側で実現できる画期的なリモートグラフィックス製品だ」とアピールした。
□エルザジャパンのホームページ (2008年5月27日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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