NEC、TFT液晶で曲線や凹角を可能にする技術
NEC液晶テクノロジー株式会社は19日、TFT液晶ディスプレイモジュールの表示画面形状の制約を緩和する技術を開発し、世界で初めて凹角(180度以上360度未満)を含んだ液晶ディスプレイの試作に成功したと発表した。 試作機は、2つの円弧と2つの直線から構成されるハート型の低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレイモジュールで、表示部は幅が40mm、高さが36mm、画素ピッチは146ピクセル/インチ。 新技術は、ディスプレイの各画素に信号を送るゲート線とデータ線の配線が最もシンプルとなるよう、画素および駆動回路の配置を表示画面の形状に応じて最適化し、ゲート側とデータ側の回路それぞれの重なりを最小化する。 これにより、表示画面形状の制約を減少し、複数の曲線や凹角を含んだ形状のディスプレイが実現可能となったという。さらに同社のVIT(Value Integrated TFT)技術と組み合わせ、駆動回路を画面表示部に沿ってガラス基板上に形成すれば、配線数を減らし、約2mmの狭額縁も実現できるとしている。 従来の液晶ディスプレイの形状は「矩形」を基本としていた。これは矩形がドットの制御を最もシンプルかつ効率的に行なえるためだったが、近年、矩形以外の形へのニーズも高まっているという。同社は今後、新技術を液晶ディスプレイの用途を更に広める技術として位置づけ、早期の実用化を目指して研究開発を進める。 □NEC液晶テクノロジーのホームページ (2008年5月20日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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