D.A.V.E.技術を採用した製品

4月17日　発表

　米Seagate Technologyは17日(日本時間)、コンシューマエレクトロニクス(CE)市場向けストレージについての説明会を開催し、来日した同社 ビジネス&マーケティング 開発ディレクターのロブ・ペイド氏が、CEへの取り組みついて説明した。

ビジネス&マーケティング 開発ディレクターのロブ・ペイド氏

　同氏は、現在消費者のストレージの使い方に変化が起きていると指摘。HDビデオや音楽などのデジタルコンテンツはもはやライフスタイルの一部となっており、生成またはダウンロードしたデジタルコンテンツを、ポータブルストレージに保存して持ち歩くケースが圧倒的に増えているという。

　そこで同社は、無線でアクセスできるポータブルHDD技術「D.A.V.E.」を開発。D.A.V.E.は、インターフェイスとしてUSBのほか、IEEE 802.11b/g無線LANとBluetooth 2.0を内蔵。Webブラウザ経由でHDDにアクセスすることにより、携帯電話やポータブルオーディオ、カーナビ、ノートPCなどさまざまなクライアントでのコンテンツ共有が容易になる。

　現在、デジタルカメラメーカーや携帯電話メーカーと技術提携をしており、将来D.A.V.E.対応デバイスが増加すると見込まれる。Seagateはそれらに対応した製品をOEMで出荷し、各デバイスメーカーが自社ブランドとして販売する。Webアクセスのインターフェイス画面なども各社のブランドに合わせてカスタマイズできるようになっている。

　なお、内蔵HDDは1.8インチタイプ。現時点では60GBを搭載しているが、将来的にはHDD容量の拡大などを見込むという。各社からの出荷は米国では2008年末、日本国内でも「米国とそれほど変わらないスケジュールで提供できるだろう」とした。

D.A.V.E.によって携帯電話やカーナビからHDD内のコンテンツを参照できる	D.A.V.E.の主な技術ハイライト	携帯電話で撮った写真を無線経由でD.A.V.E.対応HDDに保存、iPod Touchで閲覧したデモを披露

　一方、家庭内において拡大するHDコンテンツに対応するため、ストレージを大容量化する必要がある。そこでSeagateはデジタル家電に最適化した外付けUSB/eSATA HDDソリューション「Showcase」を開発し、外付けストレージの需要拡大ニーズに応える。

　外付けHDDである点は他社製品とは変わりないが、騒音を29dBに抑え静音性に配慮したほか、稼動可能温度摂氏45度の耐熱性も備える。現時点では250GB/500GB/750GBの3モデルを用意するが、将来的には1TB以上のモデルもラインナップ。家電メーカー向けに第3四半期よりOEM出荷され、家電メーカー各社から自社製品の周辺アクセサリとして販売するという。

Showcaseの主な技術ハイライト	Showcase(写真左)をメディアセンターPC(写真右)に接続して、コンテンツを再生できる。このメディアセンターPCはカナダ製で1万5,000ドルするものだが、「こういった高価な機器を分解してHDDを増設する必要がない」という

　また、家電向けの換装可能なストレージとしての「iVDR」向け製品についても、新たに「Strong」と呼ばれる新規格を提唱。従来のiVDR規格を拡張し、フローティング構造により、1.2mの高さからコンクリートへの落下の衝撃に耐えうる構造とした。

　バンパーなどを内蔵したため、スロットの形状も従来のiVDRと異なるが、Strong対応クレードルでは従来のiVDRとの下位互換性を持たせた。iVDRコンソーシアムではStrong規格を5月末にも認証を完了する予定としており、2008年末の製品化を目指すとした。

Strongの主な技術ハイライト	従来のiVDRと比較してやや厚みがある構成となっている

□Seagate Technologyのホームページ
http://www.seagate.com/
□関連記事
【2007年1月31日】Seagate、Bluetooth 2.0+802.11b/g内蔵のモバイルストレージ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0131/seagate.htm

(2008年4月17日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]