サムライワークス、ガジェットをWebプロモのプラットフォームに
4月10日 開催 サムライワークス株式会社は10日、ガジェットを活用したネットプロモーションに関するセミナーを開催。同社取締役COO兼企画制作本部担当 矢追龍之介氏がガジェット市場の動向やその可能性を語った。
ガジェットは通例、小型のデバイスを意味するが、PC上のガジェットはブログを含むWebページやデスクトップ上に自由に配置できる小型のアプリケーションを指す。XMLに対応し、Webサービスとの連携やフィードなどの情報配信が可能なのが特徴となっている。 ●ガジェットの現状 2004年に同社を設立した当初、ガジェットは年に5件程度の案件だったが、マイクロソフトのWindows Vistaと同Liveの投入や、Google、Yahoo!など、大手ポータルサイトの参入により市場が広がりを見せているという。加えて、Adobeのランタイムである「Adobe AIR」の投入などもあり、Flashよりもさらに豊かな表現が可能になるとを指摘した。 一例として、ハローキティのガジェットはWeb向けが1,929ダウンロード、Vista向けが6,352ダウンロードだった。また、ANAのガジェットはWeb向けが716ダウンロード、Vista向けが5,361ダウンロードだった(いずれも30日間のダウンロード数)。また、その他の独自ガジェットでは、「ぷちエヴァ」が304,638ダウンロード(60日間)、カレンダーが75,104ダウンロード(70日間)といった記録もあり、ガジェット提供企業とユーザーの双方に増加傾向を見込んでいる。
●ガジェットの可能性 続けて同氏は、ガジェットが実用性の高いWebコンテンツと連動する領域に入ってきたと語る。2004年当時のガジェットは、デスクトップ上のアイコンやキャラクターといった形で、ノベルティのレベルにとどまっていた。そして2007年にはキャンペーンやイベントのプロモーションに活用されていたが、2008年には限られたスペースに対する実用性が求められるなど、ガジェット自体の在り方が変化してきたという。 同氏は、ガジェットを活用する顧客企業は、投資効果の高い開発と幅広い露出効果を求めているとした上で、サムライワークスは1つのガジェットを多数のプラットフォームで利用可能にする「1ソース、マルチプラットフォーム」を掲げ、顧客の要求に対応していくという。現在でも、ブログパーツやWindows Live、iGoogleで利用可能なガジェットを提供しているが、それを一層推進していく構えだ。 実際、2008年2~4月のガジェット制作依頼数は、前年比で約200%増加だったという。同社はガジェットの制作に加え、その配布を目的としたサイトを23日にプレオープンする予定で、6月中旬には本格展開を開始する。
●ガジェットに寄せる期待 ゲストとして登場したマイクロソフト株式会社 オンラインサービス事業部 プロダクトマネージメントグループ 安藤浩二氏は、'80年代からUNIXやMacintosh、DOS上でもガジェットが存在していたことに触れ、「実は結構前からあるコンセプト」とガジェットを語る。しかし、PCのスペックが向上したことでガジェットの表現力が増し、カレンダーなどの簡単なアプリから動画の配信や株価検索といったものまで、広がりを見せている。Vistaの登場と合わせて、ガジェットは普及期にあるとした。 次いでガジェットの媒体効果に触れ、マイクロソフトのオフィシャルな特集からダウンロードされたガジェットは、その7割が1カ月以上サイドバーに常駐したほか、ガジェット上のリンクはデイリーで5%のCTR(Daily UU = 1Impression)を記録。ダイナミックに変更するリンクならば、さらにCTRが向上するだろうと期待を語った。
また、株式会社サイバーエージェント クリエイティブ局の吉田敦氏は、ネット内の情報が増えると共に、ツールやデザインが多様性を帯び、ユーザーが情報の波にのまれる「埋もれ現象」が起きていると指摘。そういったユーザーと接点を保つためには情報の波の手前を歩くことが必要で、それを実現するのがガジェットである、と可能性に期待を寄せた。
□サムライワークスのホームページ (2008年4月10日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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