富士通、90nm以降のFRAM向け新メモリ材料を開発
3月28日 発表 株式会社富士通研究所と国立大学法人東京工業大学は28日、次世代不揮発性メモリ「FRAM(Ferroelectric Random Access Memory)」向けの新メモリ材料を開発したと発表した。 FRAMは低消費電力かつ高速書き込みが可能で、書き換え回数が多いことが特徴の不揮発性メモリ。これまでFRAMの材料はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)という強誘電体を用いていたが、大容量化するためのプロセスの微細化において、130nmプロセス以降では、情報の記憶に必要となる電荷量が得られなくなるという問題を抱えていた。 そこで、微細化しても十分な電荷が得られるビスマスフェライト(BFO)をPZTの代替として利用することが注目されたが、BFOはPZTと比較して書き換え回数が不十分で、リーク電流が大きいことが、実用化に向けての課題となっていた。 今回富士通研究所と東京工業大学は、ビスマス成分の一部をサマリウムに置き換えることで、書き換えによる劣化を抑える技術と、鉄成分の約半分をクロムに置き換えたゾルゲル溶液を用いて、BFOを結晶化し、リーク電力を低減する技術を開発。これにより1,000億回までの書き換え動作と、従来の数千分の1(PZTと同等)までにリーク電流を抑えることができたという。 この成果により、今後90nmや65nm世代においても、現行の製品で利用されているものと同じ構造で実用化することが可能になり、FRAM大容量化の見通しが立った。今後は両技術を融合し、強誘電体の薄膜化により、さらに低電圧化を進めるとしている。 □富士通のホームページ (2008年3月28日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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