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日本IBM、アニメ制作をHPCオンデマンドサービスで支援
~東京国際アニメフェア2008が開幕

3月27日 発表



 世界最大規模のアニメの展示会「東京国際アニメフェア2008」が27日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は27日~30日の4日間で、商談などを行なうビジネスデーが27~28日、一般入場が可能なパブリックデーが29~30日。

 会場では、アニメとはおおよそ無関係と思われるであろう、日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)、マイクロソフト株式会社がブース展示を行なっている。初日の27日には、その両社が共同で「次世代コンテンツ製作基盤の幕開け」と題した講演を特別ステージで実施した。



日本IBM システム製品事業部 インダストリー・システムズ 理事 元木剛氏

 講演では、日本IBM システム製品事業部 インダストリー・システムズ 理事 元木剛氏が、IBMのコンテンツ制作との関わり、コンテンツ制作のIT化、それに伴う同社のサービスと取り組みを説明した。

 元木氏はまず、「アニメフェアにIBMは馴染みがないんじゃなかと思われるだろうが、IBMは映画でコンピュータグラフィックスが作られる頃から関わっている」と、同社とコンテンツ制作が長い付き合いであると説明した。その流れの中で現状を、「コンテンツそのものがITそのものになってきている」と分析。コンテンツの流通についてもデジタルやダウンロードといった変化が起こり、今後はDVDタイトルなどが数秒でダウンロードできるようになる時代がやってくるとの見解を示した。

 その変化に呼応する形で、「ITを提供する側も、それ(コンテンツの変化)に対応していく」として、CPUの高速化、ネットワークの高速化、セキュリティの提供をIT企業側で行なっていくと語った。

 コンテンツ制作者はコンピュータを扱うことが専門でない上に、制作現場のインフラは、ハード/ソフトが非常に高価であると問題点を指摘。そのため、「それをIT側が用意する方が効果的」として、日本IBMがコンピューティングパワー、データ用ストレージ、セキュリティ機能付きのアクセスを持ったHPCシステムインフラを用意。これらを、顧客が必要なときに利用できるオンデマンドサービス「Deep Computing Capacity on Demand」(DCCoD)として提供しているが、今回新たに、デジタルコンテンツ制作向けにも提供を開始する。

コンテンツ業界のITの課題 コンテンツ制作基盤としての「DCCoD」

 これにより、クライアント側のPCスペックに左右されず、ネットワークを通じてコンテンツ制作ができる。メリットとして、高いCPUパワーを利用でき、ストレージのバックアップ、データに対するセキュリティ、電力や冷却を含めたサーバー管理を行なわずに済むようになる。加えて、サーバーを保有しないためハードウェアが型落ちにならなくなり、サーバーマシンの騒音や発熱に悩まされることも無くなる。

 現状、DCCoDで提供しているハードウェアは、「System X」や「BladeCenter」をはじめとしたサーバー群で、POWER PCやx86/x64などのアーキテクチャに対応し、Cell搭載のブレードも提供予定。クラスタサーバーのOSはマイクロソフトのWindows Compute Cluster Server(CCS) 2003、最新のWindows Server 2008などを採用している。

●コンテンツ制作を支援する「コンテンツ制作共有基盤コミュニティ」設立

 今回の東京国際アニメフェア2008の開幕に合わせて、「コンテンツ制作共有基盤コミュニティ」(仮称)を発表。IT企業は日本IBMのほか、マイクロソフトとワコム、このほか、IMAGICA、オートデスク、鹿島建設、クリプトン・フューチャー・メディアと共同で設立、東京アニメセンターがアドバイザーとして就任する。このコミュニティで、アニメやゲーム、映画などを始めとした、日本のデジタルコンテンツ制作の競争力強化を支援していく。

 直後に、コミュニティのアドバイザーとなった東京アニメセンターから久保氏が招かれ、「IBM、マイクロソフトは、アニメ業界からは想像もつかない大きな会社だが、そのような企業にコンテンツ制作の協力をしてもらうことは、大きな力になる」と期待を寄せた。

 マイクロソフト株式会社 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 五十嵐光喜本部長は、「DCCoD、Windows CCSの組み合わせで大幅なコスト削減と、生産性の向上の両方を実現できる」と、日本IBMのインフラとマイクロソフトのOSの組み合わせの生産性や柔軟性の高さを強調した。

「コンテンツ制作共有基盤コミュニティ」(仮称)の賛同企業・団体 日本IBM 元木氏、東京アニメセンター 久保氏、マイクロソフト 五十嵐氏が握手 DCCoDとWindows CCSの組み合わせは、より高い生産性、柔軟性を提供

□日本アイ・ビー・エムのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□ニュースリリース
http://www.ibm.com/jp/press/2008/03/2701.html
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□東京国際アニメフェア2008のホームページ
http://www.tokyoanime.jp/
□関連記事
【2007年9月10日】日本IBM、繁忙期に必要な分だけHPC環境を借りられるサービス(Enterprise)
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/software/2007/09/10/11119.html

(2008年3月27日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]

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