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デル、新製品投入でプレゼンス拡大を図る
~1年で40の新製品を投入する意向

Dellのスティーブ・フェリス氏

3月5日 開催



 デル株式会社は5日、報道関係者向けに事業説明会を開催。好調なアジア/パシフィック/日本向けビジネスや2009年の経営方針を説明し、今後も国内市場向けに意欲的なコンシューマ製品を投入する姿勢をアピールした。

●APJ地域がDellの好調な業績に貢献

 説明会では、まず米Dell 日本/アジア太平洋地域 統括責任者 スティーブ・フェリス氏が、2007年度のDellの好調な業績に日本アジア太平洋地域(APJ)が大きく貢献したことを紹介した。

 2008年度のグローバルの成績は売上611億ドル(6%増)、営業利益34.4億ドル(12%増)と好調。第4四半期にはBRICs(ブラジル/ロシア/インド/中国)が売上高で36%増加し、ユニットベースでは50%増となった。そのほか、新製品が受け入れられたモバイル製品が24%、Simplify IT戦略(ITのシンプル化)に基づいた効率的なサービスが7%成長した。これらにより、第4四半期のAPJ地域は記録的な形で過去最高の成績となったと語った。

 APJ地域における事業別ではコンシューマ向けの出荷台数が72%増、法人向けが36%増。製品別でみると、ノートPCが71%増と急速成長し、デスクトップPCが30%増となるなど大きく成長した。これは顧客に新たな製品が広く受け入れられた結果であるとした。国別ではインドが57%、中国が32%、オーストラリア/ニュージーランドが29%と、高いレベルでの成長になり、日本での成長も堅調なものであるとした。日本の第4四半期の出荷台数は17%増。

好調なグローバルの業績 第4四半期のAPJ地域は過去最高の業績

 今後のビジョンとして、ユーザーへのリーチを拡張するために、既存のダイレクトモデルに加えて、潜在性の高いユーザーにリーチするためにさまざまなチャネルを活用していく姿勢を強調。重点分野として新興市場やノートPC、エンタープライズ事業、中小企業向け事業、コンシューマの5つを挙げる。

 新興市場では既に高い実績を上げているが、これはまだ初期段階の結果で、その成長を確実なものにしたい。そのために、新たな生産拠点として、インドとブラジルに投資を行ない、ロシアや東欧をサポートするためにポーランドにも拠点を設ける。また、新興市場向けに地域的な戦略が必要になっているため、製品戦略をより地域化されたものに切り替えて対応していくとした。

 次いでもっとも成長している分野としてノートPCを挙げた。最終的にはデスクトップPCをノートPCが凌駕するが、現状ではデスクトップPCが多い。法人向けノートPC市場では1位を確保し、第4四半期の売上成長率は24%だった。同社のノートPCはHewlett Packardの製品と比較して、より高性能/頑丈で、バッテリーが長持ちするとアピール。今後も新たな製品展開を計画しており、デスクトップPCとノートPCで通常の1年の倍にあたる40の新しい製品を展開。これにより技術的なリーダーを目指すと意欲を見せた。

 また、コンシューマ事業ではXPSやInspironなど意欲的な製品を投入し、APJだけでなく全世界で大きく成長。小売への販路の拡大によりリーチも広げており、長期的な戦略として全世界で伸ばしていく。第4四半期にはグローバルでシェアを2%拡大した。そのほか、エンタープライズ事業ではITのシンプル化に基づいた効率的な展開や、環境へ配慮したアプローチをアピール。中小企業向け事業は米国でリーダーとしてのポジションを維持し、VOSTROシリーズは230万台を出荷し、ブランドが確立されてきているとした。これらをまとめるものとしてサポートサービスがあるが、企業買収によりサービスを拡大しており、デルの中でも成長が著しいものであるとした。

 スティーブ・フェリス氏は、「こういった5つの戦略領域にデルはフォーカスしており、ワールドワイドだけではなくAPJでも大成功している。これはデルの成長を表わすものである」とまとめた。

ユーザーにリーチするためにチャネルの拡大を目指す BRICsを中心に新興市場で好調 好調なノートPC

●マーケットでのプレゼンスを拡大する戦略

デルのジム・メリット氏

 続いてデル 代表取締役社長 ジム・メリット氏は、日本の国内市場について説明。

 「マーケットは全体として成熟し、成長が鈍化しているが、競争は激化している。しかしそこにもチャンスはある。成長の糧となるのは、ノートPCで、日本でもアジアでも伸びており、マーケットの成長を上回る成長を達成できる」と語った。

 2008年度のハイライトとしては、「継続的な事業の拡大を達成するとともに、新製品の投入や量販店での小売り販売のスタート、エンタープライズ向けのマーケティングプログラムの実施などを通して市場での存在感(プレゼンス)を拡大した。特に、ノートPCでは日本のマーケットで競争力のある、軽量でバッテリ寿命の長いものを提供していくことが可能である」と新製品の展開に意欲を見せた。

 そのほか、顧客との関係強化として、対話機会を増加させるとともに、宮崎カスタマーセンターへの継続投資や西日本支社の設置などを行なったことを紹介した。

 2009年度の展開としては、マーケットプレゼンスの拡大を目指し、新製品を投入する。「昨年は特に顕著だったが、非常に強力なポートフォリオだった。XPS Oneは日本のユーザーを念頭に置いて開発した製品で、昨年は大成功の年だった」とした上で、今後は成長領域であるノートPCに新たな製品を続々投入する意向を表明した。

 今後はITのシンプル化戦略に基づいたエンタープライズ事業や、中小事業向けビジネスの拡大を図り、サポートサービスの「プロサポート」などの導入によるパートナーシップの確立、選りすぐれた製品の投入などを通して収益性の高い成長を目指す。

日本市場の現状 マーケットプレゼンスの拡大を狙う 顧客との関係を強化
重点課題を設定して収益性の高い成長を目指す 収益性の高い成長が目標

□デルのホームページ
http://www1.jp.dell.com/
□ニュースリリース
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2008/080304?c=jp&l=ja&s=corp
□関連記事
【2月29日】Dell、2008年第4四半期は減益ながら通年は増収増益
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0229/dell.htm
【2007年3月5日】デル、次代の世界戦略「Dell 2.0」を国内発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0305/dell.htm

(2008年3月5日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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