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【特別企画】
SOHO向け低価格カラーレーザープリンタ選び(上)



●妻と二人でSOHO暮らし

 SOHOという言葉の定義は難しいが、ここでは「自宅と作業場所が共通で、出社の義務を負わない生活」ぐらいに考えてほしい。

 今回は、SOHOで使うカラープリンタ選びというテーマなのだが、イメージをつかんでいただくために、ちょっと我家の状況を紹介しよう。

 我家の場合、私も妻もライティングが仕事で、分野的にはコンシューマ機器を専門にしている。一応、PC関係もやるけれど、大きな会社に勤めた経験がないため企業内のIT関連などは不得手だ。今の時期で言えば、たとえば「新入/新卒者のためのPC選び」という方向の個人向けの企画が中心だ。妻は、最近の家電ブームを反映して、冷蔵庫や炊飯器などの白物家電の仕事が増えている。

 ついでに、SOHOの実態を簡単に紹介しておくと、3LDKのマンションを、各人の居室兼作業部屋と、物置兼用の撮影室に分けて使っている。各人の生活時間帯がずれることが多いので、一つの部屋に机を並べるのは止め、部屋ごと分けているのだ。いくら仲が良くても、原稿に詰まっているときは一人になりたいものだ。余談だが、SOHOを考えている人は、少なくとも一人になれる部屋を、必ず確保することをお勧めする。

 通信回線は、NTT東日本のBフレッツ(マンションタイプ)で、マンション内はVDSLで接続されている。最近は、デジカメの画像や動画を原稿として入稿することが多く、ADSLでは上がりの速度が足りないのだ。

 ちなみに、各人の原稿書き用PCはノート型で無線LAN接続だが、大きいデータのアップロード用に有線接続したデスクトップPCも1台用意されている。数百MBに及ぶデータをアップロードする際は、現状のIEEE 802.11bでは速度が足りない。データの交換などは、このデスクトップPCのHDDを共有することで行なっている。

 なお、音声通話はIP接続の「ひかり電話」に切り替えており、これにFAX兼用の端末をぶら下げている。一般の音声通話は携帯電話が主体になっているので、ほぼFAX受信専用の状態だ。いまだに守秘などの問題でFAX受信を行なうことがあり、片付けることができないでいる。

 というわけで、特に強力なPCがあるわけではなく、読者の環境と同じか、やや非力なぐらいの環境だろう。あえて言えば、無線LAN主体ということが、やや珍しいだろうか。ともかく原稿につまったときには、座る場所だけでも気分を変えたいというのが最大の理由だ。

●SOHOでもカラープリンタがほしい

 で、現在困っているのがプリンタだ。

 いまは、A4のインクジェットプリンタをネットワークで使用しているが、やはり数十枚に及ぶ原稿を印刷しているときは、遅いと感じてしまうのだ。

 一番簡単な解決策はレーザープリンタの導入なのだが、仕事の関係でプレゼンテーション資料はカラー印刷する必要があり、カラーレーザープリンタを選ばざるを得ない。

 カラーレーザープリンタの印象と言えば、「本体の値段が高くて、消耗品(トナー)も高い」というものだ。ほかにも「構造が複雑で紙詰まりしやすい」とか「本体が大きくて机上に置けない」などのマイナスイメージしかなかった。

 しかし、調べてみると、本体はかなり小型になっており、価格も手が届く範囲に下がってきている。とりあえず検討してもよい時期のようだ。

 自分で購入する際の条件としては、「A3は必要ないので、最大はA4で良い」、「本体購入価格は10万円以下」、「印字速度はある程度必要」、「用紙が少なくとも200枚はセットできること」などが考えられる。

 まず、実売価格10万円以下で、卓上に載るA4対応カラーレーザープリンタをピックアップしてみた。以下が、そのカタログである。6社9製品あった。並び順はメーカー名の五十音順だ。なお、ネットワーク端子がないものは取り上げていない。

エプソン Offirio LP-V500
解像度600×600dpi
印刷速度5ppm/25ppm
ウォームアップ時間37秒以内
ファーストプリント17秒/9秒
標準給紙枚数200枚
ランニングコスト15.2円/3.1円
インターフェイスパラレルポート/USB 2.0/Ethernet
本体サイズ445×445×439mm
重量約28kg
対応OSWindows 98/Me/NT 4.0/
2000/XP/Vista/
Server 2003/Mac OS
9.1~9.2.x/Mac OS X 10.2~
備考-
希望小売価格オープンプライス
実売価格8万円前後

沖データ C5800n
解像度600×1,200dpi
印刷速度26ppm/32ppm
ウォームアップ時間約60秒以内
ファーストプリント約9秒/約8秒
標準給紙枚数300枚
ランニングコスト約12.1円/約3円
インターフェイスUSB 2.0/Ethernet
本体サイズ435×561×340mm
重量約20.8kg
対応OSWindows 98/Me/2000/XP/
Vista/Server 2003/
Mac OS 9.0~9.2.2/
Mac OS X 10.1~10.4.9
備考-
希望小売価格104,790円
実売価格7万円前後

キヤノン Satera LBP5300
解像度9,600dpi相当
印刷速度21ppm/21ppm
ウォームアップ時間45秒
ファーストプリント10.1秒/10.1秒
標準給紙枚数250枚
ランニングコスト12.2円/3円
インターフェイスUSB 2.0/Ethernet
本体サイズ412×453×437.7mm
重量約22kg
対応OSWindows 98/Me/2000/XP/
Vista/Server 2003/
Mac OS X 10.3.9~
備考両面印刷対応
希望小売価格134,400円
実売価格9万円前後

キヤノン Satera LBP5400
解像度9,600dpi相当
印刷速度21ppm/21ppm
ウォームアップ時間45秒
ファーストプリント10.1秒/10.1秒
標準給紙枚数250枚
ランニングコスト12.2円/3円
インターフェイスパラレルポート/USB 2.0/Ethernet
本体サイズ412×453×437.7mm
重量約22kg
対応OSWindows 98/Me/2000/XP/
Vista/Server 2003/
Mac OS 9.1~/Mac OS X~
備考両面印刷対応/LIPS V
希望小売価格165,900円
実売価格10万円前後

富士ゼロックス DocuPrint C1100
解像度9,600相当×600dpi
印刷速度12ppm/16ppm
ウォームアップ時間25秒以内
ファーストプリント12秒/9秒以内
標準給紙枚数250枚
ランニングコスト非公開
インターフェイスUSB 2.0/Ethernet
本体サイズ400×450×320mm
重量約23kg
対応OSWindows 98/Me/2000/XP/
Vista/Server 2003/
Mac OS X 10.3~10.4
備考-
希望小売価格83,790円
実売価格6万円前後

富士ゼロックス DocuPrint C525A
解像度9,600相当×600dpi
印刷速度5ppm/25ppm
ウォームアップ時間約39秒以内
ファーストプリント17秒/9秒以内
標準給紙枚数200枚
ランニングコスト非公開
インターフェイスパラレルポート/USB 2.0/Ethernet
本体サイズ425×422×437mm
重量28kg以下
対応OSWindows 95/98/NT 4.0/2000/XP/
Server 2003/
Mac OS X 10.3.5~10.4.2
備考-
希望小売価格104,790円
実売価格25,000円前後(安値クラス)

ブラザー工業 Justio HL-4040CN
解像度2,400×600dpi
印刷速度20ppm/20ppm
ウォームアップ時間36秒以内
ファーストプリント17秒/16秒以内
標準給紙枚数250枚
ランニングコスト15円/3円
インターフェイスUSB 2.0/Ethernet
本体サイズ423×474×319mm
重量28.8kg
対応OSWindows 2000/XP/Vista/
Server 2003/
Mac OS X 10.2.4~
備考-
希望小売価格オープンプライス
実売価格5万円前後

リコー IPSiO SP C220
解像度9,600相当×600dpi
印刷速度16ppm/16ppm
ウォームアップ時間51秒以内
ファーストプリント14秒/14秒以内
標準給紙枚数250枚
ランニングコスト約16.4円/約3.7円
インターフェイスUSB 2.0/Ethernet
本体サイズ400×450×320mm
重量約23kg
対応OSWindows 2000/XP/Vista/
Server 2003/
Mac OS X 10.2.8~10.4.10
備考-
希望小売価格オープンプライス
実売価格5万円前後

リコー IPSiO CX3500
解像度1,200×1,200dpi
印刷速度21ppm/21ppm
ウォームアップ時間約25秒以内
ファーストプリント14.5秒/13.5秒以内
標準給紙枚数530枚
ランニングコスト7円/3円
インターフェイスUSB 2.0/Ethernet
本体サイズ419×536×398mm
重量33kg以下
対応OSWindows 95/98/NT 4.0/2000/
XP/Vista/Server 2003
備考-
希望小売価格165,900円
実売価格5万円前後

注:印刷速度/ファーストプリント/ランニングコスト表記はそれぞれカラー/モノクロ
  標準給紙枚数は給紙カセットによる給紙枚数
  ウォームアップ時間は電源投入時
  本体サイズは幅×奥行き×高さ

●印刷速度は大差、ランニングコストは

 カタログ値だけで見ていても、これらの製品がいくつかのグループに分かれることがわかる。

 たとえば、カラー印刷速度だ。

 「エプソン Offirio LP-V500」と「富士ゼロックス DocuPrint C525A」の2機種は、印刷速度がカラー5ppm(1分当たりの印刷枚数)が1桁台となっている。モノクロの印刷速度は25ppm、ハードウェアによる解像度は600dpi(C525Aは横方向補間)と共通なので、たぶん同じエンジンを使用しているのだろう。

 次いで、「富士ゼロックス DocuPrint C1100」と「リコー IPSiO SP C220」が10ppm台。「沖データ C5800n」とキヤノンの2機種、「ブラザー工業 Justio HL-4040CN」、「リコー IPSiO CX3500」が20ppm台だ。

 実売価格については、大手のインターネット通販サイトで調べているが、メーカー希望小売価格との乖離はかなり大きい。少なくとも検討段階ではインターネットで検索する手間はかけたほうがよさそうだ。

 今回調べた限りでは、「富士ゼロックス DocuPrint C525A」は複数の店舗で、2万円台中盤から購入可能だった。インクジェットプリンタ並の価格だ。これは、ちょっと特殊な例なのだろう。

 次いで、5万円前後に1グループあり、10万円までだいたい均等に散らばっている感じだ。

 また、気になるランニングコストについては、Webの情報では調べがつかなった1社を除き、カラーが10~12円、モノクロが3円ぐらいで、ほぼ同じ水準にあるようだ。カラー原稿については、原稿内のカラー比率により差の方が大きいようで、ある機種では「A4サイズ、カラー各色2.5%、合計10%」では約7円/枚だが、「同、カラー各色5%、合計20%」だと約12円/枚になるという。原稿内容で、これだけ差が出るのであれば、あまり数字を厳密に比べるよりも、目安として受け取った方が良いだろう。

 というわけで、前編はここまで。2月中に掲載予定の後編では、機種選択の上、導入したレポートをお届けする予定だ。

(2008年2月18日)

[Reported by 但見浩]

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