日本サムスン、Adobe RGBを超えた広色域液晶3モデル
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SyncMaster XL20 Plus |
3月末より順次発売
価格:オープンプライス
発表会場での展示 |
日本サムスン株式会社は、Adobe RGBを超えた広色域の表示に対応した液晶ディスプレイ「SyncMaster XL」シリーズ3モデルを3月末より順次発売する。価格はオープンプライス。
LEDバックライト方式を採用し、Adobe RGBを超える広い色域を備えた液晶ディスプレイ。ハードウェアキャリブレーションに対応し、14bitのルックアップテーブル(14bit演算処理/8bitデータ抽出)を採用したことで、より正確な階調表現を実現するという。
また、キャリブレーション用の測色機やキャリブレーションソフト、アルミ製遮光フードなどをバンドルしたオールインワンパッケージになっているのも特徴。パネルはS-PVAを採用。
1,600×1,200ドット(WXGA)表示対応20型液晶「XL20 Plus」はAdobe RGB比119%の色域(NTSC比114%)を備えて、店頭予想価格は158,000円前後の見込み。1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応24.1型ワイド液晶「XL24」はAdobe RGB比123%の色域(同123%)を備えて、店頭予想価格は248,000円前後の見込み。2,560×1,600ドット(WQXGA)表示対応30型ワイド液晶「XL30」はAdobe RGB比123%の色域(同123%)を備えて、店頭予想価格は458,000円前後の見込み。
発売はXL20 PlusとXL30が4月末、XL24が3月末の予定。
Adobe RGBを超えた色域のSyncMaster XL24(左)とSyncMaster 245T(右)の比較 | SyncMasterの新モデルがカバーする色域。赤やエメラルドグリーンなどの表現が強化されているという |
XL20 Plusの主な仕様は、輝度が250cd/平方m、コントラスト比が1,000:1、表示色数が約1,677万色、視野角は上下/左右ともに178度、応答速度は8ms(中間色)。インターフェイスはDVI-IとDVI-Dの2系統。2ポートのUSB Hubを備える。
本体サイズは448×220×417mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.6kg。スタンドは-15~5度のチルトと、左右150度のスウィベル、90度のピボットに対応する。
XL24の仕様は、輝度が250cd/平方m、コントラスト比が1,000:1、表示色数が約1,677万色、視野角は上下/左右ともに178度、応答速度は6ms(中間色)。インターフェイスはDVI-IとDVI-Dの2系統。4ポートのUSB Hubを備える。
本体サイズは563×250×462mm(同)、重量は10kg。スタンドは-3~25度のチルト、左右175度のスウィベルに対応する。
XL30の仕様は、輝度が200cd/平方m、コントラスト比が1,000:1、表示色数が約1,677万色、視野角は上下/左右ともに178度、応答速度は6ms(中間色)。インターフェイスはDVI-Dのデュアルリンク。4ポートのUSB Hubを備える。
本体サイズは694×280×514mm(同)、重量は13.8kg。スタンドは-3~25度のチルト、左右45度のスウィベルに対応する。
付属ソフトの「Natural Color Expertでは、ハードウェアによるキャリブレーションや、プロファイルの管理が可能なほか、プロファイルを読み込むことで表示をエミュレートする機能も備える。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS X 10.3.9以降。
SyncMaster XL24 | SyncMaster XL30 |
XL20 Plusに付属するX-Rite製測色機「huey」(左)と、XL24/XL30に付属する「Eye-One Dispaly 2」(右)。いずれもSyncMasterシリーズに最適化されたものになるという |
●コンシューマビジネスは撤退したが、液晶は継続
日本サムスン 宮田隆氏 |
2月18日に開催した発表会では、同社DMAチーム 次長 宮田隆氏が同製品の位置づけを説明した。
「日本サムスンは、年間売上1兆円を超えているが、半分は韓国への輸出、いわゆるIPOである。日本での売上の過半は半導体が占めるが、その中で唯一残っているのがディスプレイのビジネス。コンシューマビジネスは昨年秋にお休みすると発表しているが、我々はPC用ディスプレイの販売はワールドワイドでナンバーワンの実績を持っている(2,200万台)。この事業は中核事業であり継続的にコミットしていくものだ」と語る。
その一環として、大型のパブリックディスプレイに続いて投入するのがカラーマネジメント対応ディスプレイという。そのほか、V2oIP(Voice and Video over IP)対応ディスプレイや電子フォトフレームを投入しているが、日本未投入のものとしてはシンクライアント用やプロジェクタ、液晶タブレットなどもあり、広いポートフォリオを有している。
同氏は、「液晶ディスプレイはモジュール型の製品で、ほとんどだれでも作れるため参入障壁が低く、価格競争が厳しい。しかし今回の新製品はサムスン電子LCD製のパネル、サムスン電機製のLEDバックライト、サムスン総合技術院のアルゴリズム開発を組み合わせ、垂直統合ですり合わせを行なって実現した製品である」と自信を見せる。
またソフトウェアの開発はインドの開発センターで行なったという。「韓国のキムチのスパイス、印度のカレーのスパイス、日本のお客様の辛いわさびのスパイスが折り混ざって完成した製品である」とまとめ、笑いを誘った。
同社は今後、パブリックディスプレイへの情報発信などコモディティからソリューションへと展開するとともに、ただのPC用ペリフェラルにとどまらない、その先へ向かっていくと展望を述べた。
液晶ディスプレイは中核事業として積極的にコミットしていく | バックライトLEDを採用したSyncMasterは垂直統合の成果 |
□日本サムスンのホームページ
http://www.samsung.com/jp/
□ニュースリリース
http://www.samsung.com/jp/presscenter/japan/japan_20080219_0000399128.asp
□関連記事
【2007年3月28日】日本サムスン、Adobe RGB対応液晶「SyncMaster XL20」を予約開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0328/samsung.htm
【2006年12月25日】日本サムスン、Adobe RGB対応20.1型液晶「SyncMaster XL20」を発売延期
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1225/samsung.htm
【2006年9月29日】日本サムスン、実売158,000円のAdobe RGB対応20.1型液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0929/samsung.htm
(2008年2月18日)
[Reported by matuyama@impress.co.jp]