Macworld速報。ジョブズCEOがMacBook Airを披露
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基調講演を行なうジョブズCEO |
やはり“空中にある何か”は、世界一薄いポータブルマシンだった。米Appleは、サンフランシスコで開催されたMacworld Conference&Expoで、新製品の「MacBook Air」を発表した。
オープニングとなる基調講演は、例年どおり米Appleのスティーブ・ジョブズCEOによって行なわれた。約1時間30分程度の講演はその時間のほとんどを新製品と新サービスの紹介に費やす密度の濃い内容となった。詳報は追って別途紹介することにして、本稿では発表された新製品や新サービスのみ速報する。
この日の講演では大きく4つの新しい発表があった。最初はLeopardに搭載されたTime Machineを強力にサポートする「Time Capsule」。PCユーザーにはIEEE 802.11nの無線LAN機能を併せ持ったNASと紹介した方が分かりやすいかも知れない。もともと同社のAirMac ExtremeにはUSB接続でHDDを取り付けることでネットワークドライブとする機能があったが、それを一体化し、Time Machineによりフレンドリーにしたものだ。500GB、1TBの各容量のモデルが発売される。
次に紹介されたのはiPhoneとiPod Touchのアップデート。iPhoneにはSMSのマルチ送信機能、Google Mapにおける現在位置情報の提供、WebClipによるサイトのアイコン化などが追加された。一方iPod Touchには、MailやMapなどこれまではiPhoneにのみ含まれていた5つのアプリケーションが追加される。いずれもiTunesの新バージョンを使って更新することができるが、iPhoneは無料。iPod Touchは有料で米国では20ドル、日本では2,480円のアップグレード料金がかかる。本日以降に出荷されるiPod Touchはアップデートが適用済みだ。
3番目に発表されたのが、iTunesによる映画のレンタルサービスの開始。同時にジョブズCEOが「Take2」という表現をしたAppleTVの仕切り直し的バージョンアップが行なわれた。この映画レンタルサービスについては当面米国内のみのサービスと言うことでここでは割愛し、基調講演詳報にて詳しくお伝えする。
そして最後に発表されたのが「世界一薄い」というMacBook Air。Intelのポール・オッテリーニ社長も、Appleのステージに登場して、Appleのために用意したというコメント付きで、パッケージの小さいCore 2プロセッサを手渡す演出を見せた。
MacBook Airの主な仕様 | 光学式ドライブを必要としない理由。映画はiTunesでレンタル、アプリケーションのインストールはリモートドライブ機能、バックアップはTime Capsuleを利用する | MacBook Airの内部構成。バッテリーは薄いパーツが使われている |
MacBook Airのマザーボード。冷却ユニットを外した様子もスライドに表示された |
●展示ホールにMacBook Airが登場。殺到する来場者
ハンズオンのデモ機とは他に、ブース両端には数台のMacBook Airが吊り下げられている |
展示ホールのAppleブースには、発表されたばかりのMacBook Airを一目見ようと開場直後から多くの来場者が詰めかけた。MacBook Airはブース正面のテーブルに約40台ほどがハンズオン形式で展示されている。1台ごとに同社スタッフがついているが、来場者は自由にMacBook Airを手に取ることができるほか、スタッフにさまざまなデモを見せてもらうことができる。
来場者の多くは、やはり3ポンド(約1.36kg)という重量を実感したいのか、とりあえずはウェイターであるかのように持ってみるのが基本のようだ。そのあとの興味は、新たにトラックパッドに採用されたマルチタッチ入力に移り、スタッフの説明に聞き入る。
ファーストインプレションというほどではないが、実際に触れてみたところアルミ外装ということもあって質感は使い慣れたMacBook Proに等しい。従来のポータブルMacでは感じることができなかった薄さは強烈な印象を残した。ただフルサイズキーボードと13.3インチのワイドパネル液晶を実装しているために本体の面積は従来のMacBook並みとなり約1.36kgというスペックほどに軽く感じるというわけではない。
スタッフによってはパネルを閉じた状態で本体にひねりを加えてみせ、ある程度の剛性を確保している様子を見せているケースもあった。
そのMacBook Airの様子を、写真で紹介しよう。
開いたMacBook Airを正面から。剛性確保のためか13.3インチ液晶の周囲は狭額縁タイプではない。MacBook程度の枠がある | デモ機のキーボードはUS配列。薄さを確保するためにキーボード部分にくぼみがあり、キートップの高さを周辺を越えることはない。キーの形状とタッチ感はMacBookに似ている | 電源スイッチは向かって右上部に位置している |
とりあえず、こうして持ってみるのが基本だ。右正面に白色LEDのスリープランプとリモコンのIr受光部が見える。ラッチはMacBook同様にマグネット式 | MacBook Airの上部パネルを閉じた状態。見れば見るほど薄さが強調されたデザインだ | MacBook Airの裏面。ベンチレーション用のスリットは後部にあるが、背面ではなく底面からやや斜めに向けての排出。四隅の黒い丸が足である |
本体の右側面。前方から後方にテーパーがあって涙滴型のデザインになっている | 展示台の様子。正面バナーの“Thinnovation”は、Thin(薄い)とイノベーションを組み合わせた造語 |
スタッフの手によるマルチタッチ入力のデモ。iPhoneやiPod Touchなどで使われているピンチ(つまんで開く、閉じる)などの操作ができる | MacBook Airのデモ機に搭載されているのは、Leopardの10.5.1だ。写真は1.6GHzの標準モデル |
□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□米Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
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(2008年1月16日)
[Reported by 矢作晃]