2008 International CES【DisplayPortカンファレンス編】 DisplayPortのHDMIに対する優位性を解説
会場:Las Vegas Convention Center 会期:1月7日~10日 PCディスプレイの規格策定を行なう団体であるVESAは、CES会場内で次期ディスプレイ端子「DisplayPort」に関するカンファレンスを開催した。 最初にHewlett-PackardのBob Myers氏が、DisplayPortを取り巻く現状について説明した。2008年1月現在、VESAには178の企業が参加しており、過去4年間、毎年20%以上増加しているという。 DisplayPortについては、ほとんどすべての大手GPU、CPU、ディスプレイ、PCメーカーが対応を表明。日本ではすでにデルが2007年12月にDisplayPort対応の30型ディスプレイを先駆けて発売しているが、米国ではCESに合わせて発表されており、2008年は同規格が本格的に立ち上がる年となる見込みだ。
続いてVESAでDisplayPortタスクグループの会長を務めるDellのBruce Montag氏が、現行のDisplayPort 1.1の詳細と今後について説明を行なった。 DisplayPortは、著作権保護技術HDCPに対応し、画像のみならず音声も転送できることから、HDMIと同等の規格と認識されることが多い。しかし、その仕様は大きく異なる。 HDMIはもともと、ラスタースキャンを行なうCRT向けに作られた規格で、RGBの三原色とクロックを別々の信号で流す。これに対し、DisplayPortは、当初から液晶向けに開発されており、画素と音声信号をマイクロパケットと呼ばれるパケットにまとめて送信する仕組みを採用している。つまり、HDMIがSビデオの置き換えなのに対し、DisplayPortはDVIやVGAの置き換えと言うことになる。 性能面では、最大10.8Gpbsの転送速度を持ち、60Hz/24bitカラーで2,560×2,048ドットの解像度や、120Hz/24bitカラーで1,920×1,200ドット表示に対応できる。また、HDMIのCECによる双方向通信が100kbpsなのに対し、DisplayPortの外部チャネルによる双方向通信速度は1Mbpsを超えるという。 物理的には、15mまでのケーブルに対応、液晶を直接駆動させる仕組みとなっているため、ディスプレイのパーツを削減し、より薄型な製品を開発できる、オプションのラッチによってコネクタが誤って抜けてしまうことが防げる、変換ケーブルによって、DVIやHDMI端子にも接続できるといった特徴がある。 今後の展開としては、USBと同等の外部チャネルによる双方向通信や、ディスプレイのデイジーチェーン、ミニコネクタの規格化などが予定されている。
最後にGenesis MicrochipのAlan Kobayashi氏が実機によるデモを行なった。用意されたのは、AMDのDisplayPort対応ビデオカード搭載システムと、IntelのDisplayPort対応チップセット搭載システムの2台。 AMDシステムにはDisplayPortを2基備えた未発表のRadeon HD 3600搭載カードが2枚刺さっており、計4ポートを装備(これに加え、各カードにはDVI端子もある)。これに、DellのDisplayPort対応液晶2台と、DisplayPort対応プロジェクタの試作品を接続。さらに残りの1ポートにDisplayPort→HDMI変換アダプタを装着し、HDMI対応HDTVでBlu-ray Discビデオを再生した。 Intelシステムは、未発表のCantigaチップセットを搭載したもので、チップセット内蔵ビデオから、やはり2台のDellディスプレイに接続し、動作させていた。 □2008 International CESのホームページ(英文) (2008年1月10日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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