NEC、オンデマンドPC/コンテンツを実現する
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12月4日 発表
新ブランド「Lui」 |
NECは4日、新たなデジタルライフを提案する個人向けソリューションとして、ホームサーバー/クライアントシステムの「Lui」を発表した。
Luiは、「Life with Ubiquitous Integrated solutions」をコンセプトとし、オンデマンドでのコンテンツとPCの利用を提供する。CEATEC 2007で公開したコンセプトと技術を元に、「ホームサーバーPC」とクライアント端末「PC リモーター」からなるシステムを実現。ホームサーバーPCで家庭内のコンテンツを一元管理し、家庭内で自由に視聴できるほか、専用端末でホームサーバーを遠隔操作できる。
ホームサーバーPCは、ハイビジョンTVチューナを2基搭載し、2番組同時録画と2番組同時視聴が可能。PC部分とレコーダー部分を分離して搭載し、信頼性を高めている。ホームサーバーPCはTVと接続して単体のPCとして利用可能。
また、PC リモーターからアクセスすると、ホームサーバーPCの画面をリモーターに転送し、リモートデスクトップ風にホームサーバーを利用できる。ただし、リモートデスクトップと異なり、コマンドの送受信ではなく、画面をエンコードして動画として転送している。これにより、ユビキタスでオンデマンドなPC利用を実現するという。
ホームサーバーPCのOSはWindows Vistaを搭載する予定で、価格は「ハイエンドPCよりも上」を想定しているという。
小型の専用端末「PCリモーター」は、ノートタイプとポケットタイプを用意。ノートタイプは1,280×768ドット(WXGA)表示対応10.6型液晶を搭載し、重量約650gで最薄部は約16mm。ポケットタイプは800×480ドット(WVGA)表示対応4.1型液晶を搭載し、約250gでスライド式キーボードを採用している。
リモーターは、いわゆるシンクライアントとなっており、通常のPCとしては動作しない。有線か無線のLANを経由してホームサーバーへアクセスし、ホームサーバーのハードウェアを遠隔操作する。画面は専用のチップでハードウェアエンコードし、リアルタイムで転送する。
ホームサーバーPCとリモーターは2008年前半の投入を見込んでいる。このほか、通常のPCをサーバーとして利用可能にする専用のPCIボード「PCリモーター サーバボード」も提供予定。
発表会場での展示 | コンテンツを一元管理するホームサーバーPC。キーボードはオリジナルデザイン | ホームサーバーPCの背面 |
PCリモーター ノートタイプ | 天板にはLuiのロゴ | 通常のPCとして動作しない分、薄型軽量となっている |
PCリモーター ポケットタイプ。スライド式筐体を採用 | SDカードスロットやUSBも装備する | 通常のPCをホームサーバーPCとして利用可能にするPCリモーター サーバボード |
●PCの新たな使い方を提案する
同日開かれた発表会では、NEC 取締役 執行役員専務 大武章人氏が、通信インフラの進化を挙げ、「NGN時代を前に、PCと通信技術に独自技術を加え、ユビキタス時代を引っ張る商品をを提案したい」と語った。
これを受け、NEC パーソナルプロダクツ 代表取締役社長 高須英世氏は、ケータイでのコンテンツ利用はPCと比較して快適性が損なわれ、モバイルPCにはデータ同期やバッテリなどの課題がある。一方、HSDPAやモバイルWiMAX、3.9Gなど家庭内外のネットワーク環境が整って来ていると状況を説明。
これらの課題や、PCの遠隔利用へのユーザーの意向などを踏まえ、PCの新たな使い方を提案するのがホームサーバ/クライアントソリューションであるという。
今後の展開については、コンセプトをさらに発展させ、レコーダーとの連携やノートPCのような大型の端末、壁掛け端末、防水端末などの拡充する。また、ホームサーバーとして、オンデマンドなPCを中心とした企業/SOHO向けなどへの対応を視野にいれているという。
販売台数については、「2、3年後にホームサーバーPCを15~20万台、これらに1~2台のクライアントが連動する」とした。
NEC 大武章人氏 | NEC パーソナルプロダクツ 高須英世氏 | 企業/SOHO向けも視野に |
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0712/0401.html
□関連記事
【10月2日】【CEATEC 2007】NEC、デスクトップ送信型のホームサーバーシステム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1002/ceatec02.htm
(2007年12月4日)
[Reported by matuyama@impress.co.jp]