Intel In Osaka 2007レポート 古谷徹氏の驚きのIT活用術や、業界人が語るクアッドコアのメリットとは11月23日~25日 開催 インテル株式会社は、エンドユーザー向けの体験型イベント「Intel in Osaka 2007」を11月23日から25日までの間、大阪日本橋で開催した。このイベントは同社が大阪で初めて大規模に行なうもので、賛同メーカーやスペシャルゲストを交え、Intel CPUのメリットや活用法などを紹介した。 会場の座席数が20前後と若干少なかったこともあるが、デモやトークステージでは常に立ち見が出るなど、ユーザーの高い関心が伺えた。また、本邦初公開の情報などもあり、「お得度」も高いイベントだった。本レポートではその初日の様子をお伝えする。
最初にステージに登場したのは、声優の古谷徹氏。古谷氏は機動戦士ガンダムなどPCファンに人気の高い作品に出演しているが、古谷氏自身もPCの自作やプログラミングなどをこなすほどのPC通で、過去にも秋葉原での自作イベントなどに登場している。 登場するやいなや、Core 2 Quadのパッケージを見て「これは、ガンダムの最新CPUじゃないかっ!?」とガンダムネタを披露してくれた古谷氏。その後もインテルスタッフと絶妙な掛け合いを交えつつ、会場を沸かせてくれた。 このステージでは、古谷氏が前日に撮影した大阪の写真を用い、インテルスタッフがWindows Vistaのムービーメーカーで、スライドショームービーを作成したのだが、そのシメとして、古谷氏がその場でナレーションを挿入。 それまで静止画だった写真に、声という息吹が吹き込まれることで、一気に動画作品に生まれ変わり、会場からは感嘆の声が上がっていた。また、OS標準搭載のソフトで簡単に作品が作成できることに古谷氏も感心していた。できあがった作品は、その場でDVDに書き込まれ、抽選で来場者にプレゼントされた。
古谷氏の2回目のステージには、氏の後輩である井上富美子さんが登場し、初めてというPC自作に挑戦した。ドライバーに触れる機会もあまりないとのことで、ややおぼつかない手つきではあったものの、スタッフの指示に従って、CPU、メモリ、マザーボードの取り付けなどをこなした。 ここでも古谷氏は、「メモリは2本ずつセットで使う」、「ネジは対角線上に仮留めしてから、最後にきつく締める」など、PC通としてのアドバイスを与えていた。 ケース内での配線はスタッフが行ない、作業が完成するまでの間、古谷氏のPC活用術が写真とともに紹介された。古谷氏は自宅に2台のデスクトップと2台のノートブックを所有。氏はおもにデスクトップを使い、ノートブックは家族が利用しているが、古谷氏もノートブックから無線LAN経由で、デスクトップ内に保存してあるOutlookのスケジュールを確認するのに使ったりすると言う。 声優業以外にも雑誌でコラム執筆などを行なっている氏であるが、原稿の執筆にはWordを使い、編集部から上がってきた校正刷りには、Paint Shop Proで加筆/修正を入れ、メールで返信。また、打ち合わせの案内がFAXで送られてきたら、スキャンして場所や日付などタグ情報とともに保存することで、いつでも検索できるようにしているという。 さらに、スケジュールは同期ソフトを使って、携帯電話にも転送し、常に3カ月分のスケジュールを持ち歩くなど、徹底してITを活用している。 ゲーム好きでもある古谷氏は、Wii、PlayStation 3、Xbox 360の3機種を所有しているのだが、Xbox 360はゲーム以外にも、Media Center Extender機能を使って、デスクトップPCに接続して、メディアセンターのメディアオンラインコンテンツを大型TVで視聴しているといい、その利用法には取材に来ていたPC記者も驚嘆するほどだった。 最後には、スタッフによって組み上げられたPCに井上さんが電源を入れ、拍手喝采……。となる予定だったのだが、なんと電源が入らないというトラブルが発生。原因もつかめず、そのまま終了という、あいにくの結果に終わった。 そのほかのゲストとして、ライターの笠原一輝氏、および「DOS/V POWER REPORT」、「日経WinPC」、「マイコミジャーナル」の編集者によるトークセッションが行なわれた。 笠原氏はまず、クアッドコアの現状として、シングルスレッドが多いゲームではメリットを出せないが、LOST PLANETに代表されるように、ゲームでもマルチコアを活用するものが出てきたほか、ビデオエンコードではデュアルコアよりも高い性能を発揮できると述べ、アプリケーションの対応が進んできていることを説明した。 また、先だって発売となったWindows Home Serverなどを仮想OSとしてインストールすることで、従来複数PCに分散していた環境を1台にまとめられるというメリットを例示。コスト削減だけでなく、電力ロスが大きい電源ユニットの台数が減ることで、消費電力や電力効率が増すことも見逃せない長所だとした。 セッションの後半では、氏の予想による今後のCPUロードマップを紹介。製品としては45nmを初めて採用した「Penryn(ペンリン)」コアの製品が発売されたばかりだが、その先の「Nehalem(ネハーレン)」世代の製品について解説。 デスクトップ向けのハイエンドとされる「Bloomfield(ブルームフィールド)」では、シングルダイのクアッドコアになるほか、トリプルチャネルのDDR3対応メモリコントローラを内蔵することで、性能を向上させるという。 また、ローエンド向けデュアルコアの「Havendale(ヘイブンデール)」では、CPUチップ内にGPU機能を内蔵させ、CPU/GPU/チップセットの機能を2チップで実現できるようになるとの予測を示した。
編集者によるセッションでは、クアッドコアのメリットについて、「デュアルコアに最適化されたアプリケーションが出てきたことで、クアッドコアCPUでは、そういったアプリを利用しても、CPUにまだ余力がある」、「Photoshopのフィルターもマルチコア対応が進み、ディスプレイを4:3から16:9に変えたような差が出る」といった実体験に基づいた感想が述べられた。 マイクロソフトは、家庭向けサーバーOSのWindows Home Serverを紹介。Windows Home Serverは、ネットワークストレージの機能に加え、10台までのPCの自動バックアップ機能、HDDを増設するとドライブレターはそのままに容量だけが増えるドライブ構成機能による容易な取り扱い、豊富なアドインなどを特徴とする。 現時点では英語版しかリリースされていないが、会場ではサプライズとして初めて日本語版ユーザーインターフェースの画面が公開された。日本語版の提供時期は未定となっているが、近い将来のリリースが期待される。 NVIDIAは、GeForce 8800 GTによるSLIのデモを実演。最新技術を採用し、フォトリアリスティックなグラフィックで定評があるが、かなり重いのも事実。GeForce 8800 GTは、ハイエンドGPUでありながら、3万円程度の価格帯を実現。この製品でもCrysisは高画質モードでは重いのだが、SLI構成にすることでVery High環境でも常に30fps近い性能が出せることをアピールした。 また、現在では品不足の状態となっているが、12月になれば安定した供給が可能になるとの見通しを示した。 □インテルのホームページ (2007年11月26日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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