マイクロソフトなどが協力し教育現場支援サイト開設
11月8日 開設 ICT教育推進プログラム協議会(清水康敬会長=独立行政法人メディア教育開発センター理事長)は、教育現場専用のポータルサイト「ICT活用ゲートウェイ」を開設した。 同協議会は4年前に発足した団体で、日本の文部科学省、総務省、経済産業省が後援し、マイクロソフトなどの企業が賛助会員となっている。
4年間の実績について同協議会の事務局長を勤める、マイクロソフト 執行役常務 公共インダストリー統括本部長の大井川和彦氏は、次のように説明した。 「協議会で作成したICTスキルアッププログラムについては、7都道府県、3都市が導入し、導入自治体の1つである茨城県は、文科省の調査で教員のICT活用指導力が全国で1位となる実績を作ることができた。受講者数も4年間で47,000人にのぼり、そのうち554人の教職員にはInnovative Teachers Day 2006、2007というグローバルイベントに参加して頂いて、各国の先生とICT教育について協議してもらうこともできた。日本発で3種類のテキストが英語化され、アジアの発展途上国で活用される」 しかし、その一方で教育現場では依然として教員にICTスキルはあっても、学校にICT機器がないケースや、機器があっても古いものばかりといったケースも目立つ。教員のICTスキルについても、文科省が設定している教員のICT活用指導力という要件に対し、具体的にどう対応したらいいのかわからないといった声もあるという。 ICT教育推進プログラム協議会ではこうした問題に対処するために、初等中等教育機関向けに包括的なICT活用支援策として、教育現場専用のポータルサイト「ICT活用ゲートウェイ」を構築した。
このサイトでは、(1)国の施策情報、有識者からの情報発信、(2)教員のICT活用指導力向上のための研修、教育コンテンツなどの提供、(3)授業や校務のシーンに応じたICT活用提案とICT機器構成例などの提案、先生方からの事例紹介、(4)ポータル登録者向け優待価格およびサポートの提供という4つのコンテンツを柱としている。 今後は教育機関が、協力企業の特定製品を購入した場合に特別クーポンを提供し、ポイント数に応じた製品やサービスを、このゲートウェイ上で交換していくことも計画している。 8日時点で、熊本県教育委員会、兵庫県教育委員会、和歌山市教育委員会が賛同を表明。企業側としても、マイクロソフト、内田洋行、デジタル・ナレッジ、PBJなど10団体が参加表明を行っている。
4年前の同協議会開設発表にも参加した米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、「協議会が設立し4年間経った。この協議会はすでに大きな業績を作っている。茨城県においてもその効果が達成された。しかし、今後もさらに努力を続けなければならない。教育者は非常に忙しい。マウスをクリックするだけで、さまざまなリソースを共有することができるというのは大変素晴らしいこと。この協議会の活動を通じ、教育現場と参加企業との間で、協力体制を実現することができるというのは、お互いにとって大きなメリットとなるだろう」とポータルサイト開設を歓迎した。 会見に参加した衆議院議員の小坂憲次氏は、「海外の人と話をすると、日本のICT教育は大変遅れていることがわかる。その原因は予算不足ということもあるが、教育現場の声を聞いて、その声を反映した改善が必要ということでもある。そのためには、ICTの先端企業との連携も不可欠で、そのためにマイクロソフトに協力をお願いした。日本で利用しているICT機器の中には、日本では古いものだが、まだ十分に利用できるものもある。そうしたものをアジアの発展途上国で利用してもらうといったことも進めていきたい」と協議会の必要性とマイクロソフトのようなITベンダーとの協力が不可欠であると強調した。 発表後、協議会に賛同する(社)日本教育工学振興会、(財)学習ソフトウェア情報研究センター、(社)コンピュータソフトウェア著作権協会の3団体の代表と、協力企業代表として内田洋行、マイクロソフト日本法人が賛同書にサインを行った。 今後、協議会ではさらに参加団体、企業、教育現場を募集していく計画だ。
□ICT教育推進プログラム協議会のホームページ (2007年11月8日) [Reported by 三浦優子]
【PC Watchホームページ】
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