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JEITA、上半期のPC市場は若干の前年割れ
~コンシューマ市場は回復

JEITA パーソナルコンピュータ事業委員会 委員長 小林一司氏

10月25日 発表



 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は25日、2007年上半期 国内のPC出荷統計を発表した。出荷台数は436万2,000台、出荷金額は5,369億円となった。

 JEITAでは今年(2007年)4月に出荷統計の参加メーカーが昨年度の16社から13社へと減少したため、台数、金額共に前年比を発表していない。そのため数値での前年比較は算出していないものの、「上半期については、コンシューマ市場は昨年度の不調から復調したものの、ビジネス市場は大企業中心に需要が停滞したことから、若干前年割れとなった」(小林一司 パーソナルコンピュータ事業委員会 委員長)との見解を示した。

 出荷台数の内訳としては、デスクトップが159万2,000台で、そのうちオールインワンタイプが77万2,000台、単体・その他が81万9,000台。ノート型は277万台、そのうちモバイルノートが58万1,000台、A4型・その他が219万台。

 出荷金額の内訳としては、デスクトップタイプが1,857億円、そのうちオールインワンタイプが1,105億円、単体・その他が752億円。ノート型は3,512億円で、そのうちモバイルノートが901億円、A4型・その他が2,611億円。

 第2四半期のPC出荷台数は228万9,000台、出荷金額は2,739億円。出荷台数の内訳としては、デスクトップタイプが84万台で、そのうちオールインワンタイプが37万2,000台、単体・その他が46万8,000台。ノート型が144万9,000台、そのうちモバイルノートが27万台、A4型・その他が117万8,000台。出荷金額の内訳としては、デスクトップ型が941億円で、そのうちオールインワンタイプが523億円、単体・その他が418億円。ノート型が1,798億円で、そのうちモバイルノートが411億円、A4型・その他が1,387億円。

 月次推移では4月から8月までの5カ月については伸び悩み傾向が見られたものの、9月の出荷台数は94万7,000台、金額は1,121億円と前月を大きく上回った。

月別出荷台数推移 月別出荷単価推移
四半期別出荷単価推移 地デジ/ワンセグチューナ搭載モデル出荷台数累計

 この結果についてJEITAでは、「例年に比べると、第2四半期の比率が高いことが今期の出荷統計の特徴となっている。これはコンシューマ市場では秋冬モデルが発売され、好調な売れ行きを記録していること、ビジネス市場では9月需要があったことが要因と考えられる」(小林委員長)との見通しを示している。

 出荷単価推移では、変化は緩やかであるものの単価下落傾向が依然として続いていることから、「今後も単価下落は緩やかに続いていく」としている。

 今年度から発表している、地デジ対応モデルおよびワンセグ搭載モデルの出荷台数については、上半期の地デジチューナ内蔵PCは18万1,000台で、そのうちデスクトップが11万9,000台、ノート型が6万2,000台。ワンセグチューナ内蔵PCは4万1,000台となった。

 第2四半期では地デジチューナ内蔵PCが7万3,000台で、デスクトップタイプが5万1,000台、ノート型が2万2,000台。ワンセグチューナ内蔵PCは2万2,000台となった。前年同期のワンセグ搭載比率が8%であるのに対し14%と上昇しており、JEITAはその理由について「コンシューマ市場におけるノートPCの比率が上昇したこと、ワンセグの視聴エリアが拡大したことなどが影響しているのではないか」と説明している。

 上半期の用途別の市場分析は、ビジネス用途については、(1)新OSのシステム評価中、リプレース時期でないなどの理由から、大企業での需要が停滞気味、(2)中堅/小規模企業需要は比較的堅調、(3)新OSへのシフトを前提とした高性能モデル需要で、単価ダウンの歯止めとなったとしている。

 下半期の見通しについては、(1)景気回復による中堅・大手製造業を中心とした需要拡大により、設備投資意欲は引き続き堅調で、PC市場も回復へ、(2)新OS搭載モデルが検証段階から導入段階へ、(3)個人認証、シンクライアントなどセキュリティ強化のためのニーズ拡大と、明るい材料が揃ったとしている。

 コンシューマ用途については、現状としては(1)新OS搭載モデルが出揃い、需要回復へ、(2)低価格モデルと高機能モデルへの二極化がさらに進むものの、売れ筋は高性能CPUを搭載した上位機へシフト、(3)ノート型が引き続き好調と、昨年度までの不調が回復したと説明している。

 下半期見通しについても、(1)新OS搭載モデルのさらなる浸透、高性能ニーズの増加により引き続き堅調、(2)PCの強みを活かしたPC-AV機器連携の訴求による新需要拡大、(3)退職を迎える団塊世代、学生などユーザー層の広がりによる2台目需要の拡大と、前向きな要因が揃ったと説明した。

 PCメーカー個別の説明や、調査会社のデータに比べ、コンシューマ市場を好調と分析しているが、「その点については、委員会内部で話し合いをしたものの、統計数字を見る限りは昨年度に比べると市場は回復したと見ることができる」(小林委員長)と市場回復を強調した。

 なお、今年度第1四半期に発表した通期見通し数字については、「確かに上半期の結果は、前年割れだが市場回復傾向が出ていることもあり、慎重に考える」として現時点では下方修正等は行なわない。

□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.jeita.or.jp/japanese/press/2007/1025/pc071025.pdf
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【10月22日】【大河原】PC産業の「失われた5年」に打開策はあるか
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【8月29日】JEITA、7月のPC出荷台数は69万5千台
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0829/jeita.htm

(2007年10月26日)

[Reported by 三浦優子]

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