パット・ゲルシンガー氏がまとめるIDF 2007 Fall
9月28日 開催 インテル株式会社は29日、プレス関係者向けに「デジタル・エンタープライズ・アップデート・ミーティング」を開催。米Intelより上席副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長 パット・ゲルシンガー氏が来日し、IDF 2007 Fallより同社の取り組みを紹介した。 主なトピックは、仮想化と運用管理、セキュリティーなどを軸にしたプラットフォームについてと、PCI ExpressやUSBの新規格、FCoE(Fibre Channel over Ethernet)などI/Oまわりの改善、プロセッサの性能向上やClimate Saversなど熱消費電力改善への取り組みについての3分野。いずれもエンタープライズ向け技術を中心に紹介した。 各トピックの詳細については、IDF 2007 Fallレポートリンク集より、関連記事を参照されたい。 □IDF 2007 Fallレポートリンク集 ●プラットフォームレベルでの優位性 同氏は仮想化について、プロセッサだけでなく、プラットフォームやネットワーク、ストレージなどのデバイスについても仮想化をサポートするほか、標準化にも取り組んでおり、パートナーとともに推進しているとする。その核になる部分としてクアッドコアCPUのXeon 7300シリーズ(コードネーム:Caneland)を紹介し、仮想化機能と拡張性による優れた性能を発揮するとした。 加えて、同社の仮想化技術は、Intel TXTとIntel VTの保護により、ソフトウェアベースのものと比較して安全性が高く、クライアント側についてもvProによる管理機能を提供しており、堅牢なプラットフォームを構築できるとする。2008年にはvProの最新版となるMcCreary(コードネーム、マクレアリ)を投入。CPUに45nmのPenrynファミリを、チップセットにEaglelake(同、イーグルレイク)を採用し、ハードウェア暗号化技術Danbury(同、ダンバリー)による高いセキュリティや管理機能AMT 5.0などを搭載する。
●新技術でI/O周りを強化 I/Oへの取り組みについては、PCI Express 3.0や、IAとメモリーコントローラ、I/Oコントローラを統合したSoC「Tolapai」、USB 3.0、FCoEなどを紹介。2007年下半期にはXeon 5400チップセットとX38 ExpressチップセットによりPCI Express 2.0を提供開始する。2009年にはPCI Express 3.0の規格を成立させ、2010年に製品を投入する。 そのほか、2008年にはSAN(Storage Area Network)を接続するFibre Channelをカプセル化するFCoEの規格を作成し、I/OをEthernetへと統合していくビジョンなどを紹介した。
●消費電力への2方向からの取り組み 消費電力改善への取り組みについては、45nmプロセス製品のワットあたり性能の高さをアピール。加えて、ISAの改善やQuick Pathによるインターコネクトなど、プラットフォームベースでの優位性があるとする。 そして、Penrynファミリのサーバー向けCPU Xeon 5400シリーズ(同、Harpertown、ハーパータウン)を取り上げ、SPECによるクアッドコアOpteron(Barcelona、2.5GHz)とのベンチ結果や、リモートによるデュアルコアOpteronとの比較などを紹介した。 そのほか、Climate Savers コンピューティング・イニシアティブを結成し、エネルギー効率向上への取り組みを紹介。IT業界はエネルギー危機に直面しているとし、デスクトップPCでは電力の半分が、サーバーでは3分の1が無駄な発熱として消費されているという。 6月の設立以来、100社のメンバー企業と500人の参加者を獲得し、日本や中国/台湾、ヨーロッパなど重要な市場にフォーカスするワークグループを設立した。
□インテルのホームページ (2007年9月28日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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