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NVIDIAがPCI Express Gen2接続ビデオカードをデモ
〜DDR3 SO-DIMMデモ、ハイエンド向け機能にも注目

会場の外に定期的に駐車されていた「ICE Cube」。パット・ゲルシンガー氏の基調講演で紹介されたもので、コンテナの中にデータセンターが丸ごと設置されている

会期:9月18日〜20日(現地時間)

会場:San Francisco「Moscone Center West」



 Intel Developer Forum Fall 2007の展示会場では、基調講演やテクニカルセッションで紹介されている製品や関連技術の展示が行なわれている。会場内で見つけたいくつかの製品を紹介したい。

●NVIDIAがPCI Express Gen 2接続の「G9x」をデモ

 10月10日の発表が予告されたIntel X38搭載マザーボードでサポートされるPCI Express Gen2。このインターフェイスに対応したビデオカードは現時点で登場しておらず、会場内で散見されるIntel X38を搭載したデモPCも、ビデオカードはPCI Express Gen1世代のものを接続してい利用しているものばかりだ。

NVIDIAブースで実施されたPCI Express Gen2接続ビデオカードのデモ。「G9xを搭載したQuadro製品」を利用しているとのことだが、GeForceブランドの製品も今年(2007年)第4四半期に投入されるという

 だが、唯一NVIDIAブースで、このPCI Express Gen2を利用したデモが実施されていた。同社の3Dレンダリングソフトウェア「Gelato」によるデモである。

 システムは白いワークステーション用ケースに収納されたものであるが、残念ながらこの中は現時点で見せることはできないという。ただ、ブース担当者によると搭載されているビデオカードは「G9xを搭載したQuadroブランドの製品」とのこと。G9xといえば今年第4四半期の投入が見込まれているNVIDIAの次期GPUである。

 この担当者によれば「今年の第4四半期にGeForceブランド、QuadroブランドともにPCI Express Gen2対応製品を発表する予定。ケースの中を見るのはそれまで待ってほしい」としている。ビデオカードより先に対応チップセットが登場するのは間違いなさそうな状況だが、そう遠くない将来に対応ビデオカードもお目見えしそうである。

●ノート向けDDR3 SDRAM SO-DIMMの稼働デモ

 デスクトップ向けチップセットでは、今年6月に発表されたIntel P35などにおいてサポートが始まっているDDR3 SDRAM。来年(2008年)登場するMontevinaにおいて、ノートPCでもこれがサポートされることになる。展示会場内では、ノートPCで利用されるDDR3 SDRAM SO-DIMMの稼働デモを見ることができた。

 DDR3 SDRAMはデスクトップにおいては高クロック動作による性能面がアピールされることが多いが、実はモバイルにも向いたメモリである。大きな理由の1つが駆動電圧で、DDR2の定格1.8Vから定格1.5Vへと引き下げられており、メモリの消費電力抑制に効果がある。

 また、DRAMでは一定時間経過するとセル上の電荷が失われるため、データ保持のために定期的なリフレッシュ作業が必要となる。このリフレッシュを自動化するAuto-Self Refresh機能がJEDECでオプションとして規格化されている。そして、この機能ではダイ上に備えたサーマルセンサーの温度に応じてリフレッシュタイミングを自動的に変更することができる。

 一般に、温度が高いとデータが失われやすくなりリフレッシュ間隔を短くする必要があるが、逆に温度が低いときはリフレッシュ間隔を長くしてもデータ保持が可能になるわけだ。温度に応じてリフレッシュ間隔を変えることで、無駄なリフレッシュを減らし、消費電力が抑制されることになる。とくにアイドル時やスリープ時の消費電力削減に効果があるはずだ。

 また、消費電力が抑制されるということは、温度も抑制されることになり、これもまたノートPCにおいては特に重要なポイントとなる。

 ちなみに、DDR3 SO-DIMMの展示を行なったのはIntelとQimonda。Intelブースではマザーボードがむき出しの状態で、メモリソケットだけを変更したMontevinaプラットフォームでメモリの違いによる消費電力の差をアピール。

 一方、Qimondaで展示されたデモ機は、メモリモジュール付近以外をカバーで完全に覆った形になっており、ブーススタッフもプラットフォームについては頑なに口を閉ざし「次のIDFでこのプラットフォームことは話せるはずだ」とする状況だった。

 メモリソケット付近の雰囲気からして、Intelブースで展示されたマザーボードと同じように見受けられるのだが、Montevinaであれば隠す必要もないであろうし、かなり気になる展示機となっている。

Intelブースでは、同じMontevinaプラットフォームのマザーボードで、メモリのみを取り換えたデモを実施 QimondaのDDR3 SO-DIMM。DDR3-800で動作する512MBモジュール×2枚が装着されているが、そのマザーボードは(プラスチック製の)ベールに包まれていた
Intelブースの展示機ではメモリの消費電力をリアルタイムにグラフ化していた。赤いラインがDDR3 SDRAMの消費電力を表しており、2.9W弱で推移。一方のDDR2 SDRAMは3.6〜3.8W前後になっていた テクニカルセッションのスライドに示されていた、DDR3 SDRAMの発熱に関する情報。動作クロックを近づけるためにDDR2を1,066MHz/2.0Vにオーバークロックした状態と、よりクロックが高いDDR3-1333の比較において最大20度の温度差が発生するとしている

●IntelがExtremeユーザー向け機能を提供開始

 Intel X38はご存じの通りハイエンド向けチップセットとなる製品で、Intel風な表現でいうところの「Extreme」なセグメントへ向けた機能も搭載されている。1つは初日のオッテリーニ氏の基調講演でも触れられたチューニングツールである。このデモは残念ながら会場内で実施されていなかったが、テクニカルセッションのスライドに説明があったので、ここで紹介しておきたい。

 「Intel Extreme Tuning Utility」と名付けられたこのツールは、とくにIntel X38に限定しているというわけではなく、Intel P35にも対応するとしている。基本的にはBIOSが対応していれば利用可能となるのだろう。

 そしてツール上ではウィザード形式でのオートチューンや、マニュアルでのチューニング、システムスタビリティテスト、システムモニタリング機能などが提供される。システムモニタリング機能は温度や電圧などをモニタしてスライドバー形式で表現されており、状態に応じてバーが色を変えることで安全性の状況把握をしやすくしている。

 そして、もっとも興味深いのが「OEM Customaizable front end」という部分である。つまり、このツールの機能部分だけを利用し、ユーザーインターフェイスをマザーボードメーカーなどが自由にカスタマイズできるということになる。

 ファームウェアやGUIアプリケーションを開発する能力がある一部のマザーボードメーカーは、現状でも独自のユーティリティを付属している。しかし、このツールがあれば、どんなメーカーでも、フロントエンド部分だけを差し替えるだけで自社のイメージにあったチューニングツールをユーザーに提供しやすくなる。また、すでに独自のチューニングツールを提供しているメーカーにとっても、このツールを使った方が開発費が抑えられる可能性があるだろう。

 もちろん、より多くのマザーボード製品がWindows上で利用できるチューニングツールを持つことになれば、ユーザーにとってもメリットは大きい。

テクニカルセッションのスライドより、Intel Extreme Tuning Utilityの説明。画面はシステムモニタリング機能が示されており、スライドバー形式で温度や電圧が表示されている 次のスライドではマニュアルオーバークロック画面が示されている。Processor、Memory、Voltageなどのタブが用意され、タブを切り替えることで画面左側に任意に設定変更可能な項目が示され作業が行なえるようである

 さて、上記スライド内にもさりげなく記載があるが、Intelがオーバークロックユーザー向けに「Intel Extreme Memory Profile(XMP)という仕組みの提唱を始めており、Corsair MemoryおよびIntelのブースにおいて実際のデモが実施されている。

 これは、DDR3 SDRAMにおいて提供される機能で、メモリのレイテンシパラメータや駆動電圧を書き込んでいるSPDを拡張するもの。別の動作クロックやメモリパラメータ、駆動電圧の情報をプロファイルとして書き込んでおき、BIOSからパラメータを切り替えて起動するというものだ。XMPはメモリモジュールメーカーが書き込むものであり、メモリメーカーが正しく動作すると判断したオーバークロック設定がユーザーに提供される、というスタイルになる。

 このXMPに対応したメモリを最初に発売するのがCorsairで、DDR3-1800相当(900MHz動作)とDDR3-1600相当(800MHz動作)のXMP用Profileが書き込まれたメモリモジュールをアナウンスしている。

 また、XMPではアプローチする先をデスクトップに限定していない。Intelはモバイル向けのCore 2 Extreme製品を提供し始めているが、この製品は倍率ロックが外されていることがアピールされている。こうした製品を出していることもあって、モバイル向けのオーバークロック機能の1つとして、このXMPも紹介されているのだ。先述の通りDDR3のSO-DIMM自体がまだ具体化し始めた状況なので、XMP対応モジュールの展示は見られなかったが、Montevina以降ではノートPCのオーバークロックというのも1つの潮流として現れるかも知れない。

テクニカルセッションのスライドより、Extreme Memory Profileの説明。SPDを拡張して、オーバークロック用のプロファイルを用意。BIOSから指定することで、XMPに記載されたパラメータでメモリが動作する Corsairのブースで展示されたXMP対応メモリ。ASUSTeKのマザーボード上で動作していることがわかる CPU-Zに「XMP-1800」というプロファイルが表示され、900MHz/CL=7のパラメータが記録されていることがわかる
ただし実際には970MHz(DDR3-1940相当)で動作させている Intelブースで行われたXMPのデモ。ケースの中を見ることはできなかったが、GIGABYTEのマザーボードを利用していることがCPU-Zで確認できる この環境に利用されているのは、CorsairのXMP対応メモリでも下位のモデルで、800MHz/CL=7のXMP-1600というプロファイルが登録されたもの

こちらもさらにオーバークロックし、820MHz(DDR3-1640相当)/CL=10で動作させてある

 さて、こうした機能について、どこかで聞いたような話だと感じた方も多いと思う。実は、すでにNVIDIAが提供している機能に似た部分が多いのである。

 前者はOEMカスタマイズこそ特徴的ではあるものの他の機能は「nTune」で似た機能が提供されているし、後者はSPDを拡張した「EPP(Enhanced Performance Profile)」を利用する「SLI Ready Memory」に似た機能である。

 後者の違いについてCorsair Memoryのブーススタッフに確認すると、「XMPはIntelのテクノロジーである点と、DDR3 SDRAMである点が異なる」といった具合の回答であり、内部の技術的にも非常に似たものである可能性が高い。もっともオーバークロックの本来の目的である“より高いクロックで動作させる”という目的からすれば、規格の定格動作がより高いクロックであるDDR3 SDRAMで機能を搭載する点をアピールする気持ちは分からなくもない。

 こうしたオーバークロックを行なうユーザーに対するアプローチでは一歩先を行っていたNVIDIAに対して、Intelが追随したことは面白い傾向といえる。しかしIntelはビデオカードのマルチGPU技術を持っていない。そして、Intel X38は現時点でSLIをサポートしていない。Intelにとっては、この点が最上位のニッチユーザーを取り込むうえで大きな障害になるだろう。

 Intelデジタルエンタープライズ事業本部のスティーブ・スミス氏は「我々はPCI Express x16スロットを2つ用意した。ここでSLIがサポートされるかどうかはNVIDIAに聞いてほしい」と述べている。マルチGPUに対応できるプラットフォームは用意しているが、マルチGPUを実際に動作させるにはビデオカードドライバのサポート次第であるという意味であり、Intelにとっては待ちの姿勢をとるしかない状況といえる。

 新しいチップセットでオーバークロックユーザー向け機能を提供しはじめるIntelと、従来からオーバークロックユーザー向け製品をアピールしてきたNVIDIA。この両者はライバルとなるのか、それとも同志となるのかは今後の成り行きを見守る必要がある。そして、その関係は、Intel X38のSLIサポートにも少なからず影響を及ぼすのではないだろうか。

□IDF Fall 2007のホームページ(英文)
http://www.intel.com/idf/us/fall2007/
□関連記事
【9月19日】【IDF】Intel、SkulltrailやNehalemの実働デモなどを初公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0919/idf01.htm

(2007年9月21日)

[Reported by 多和田新也]

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