TSMC、PC用高速45nm製品を2008年初頭に投入
9月10日 開催 台湾のファウンダリ企業Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)は10日、横浜で記者会見を開催し、台湾から来日した社長兼CEOのRick Tsai(リック ツァイ)氏が、半導体市場の動向や同社の今後の動きなどについて説明した。 同氏は、「2007年第2四半期までの半導体業界の動きはとても穏やかだった」と説明。2007年通期に関しては全体で3%しか成長しないと考えているが、その理由として大規模な在庫調整が上半期に行なわれたためとしている。 一方、今後の半導体市場の全体の見通しとしては、年率7~8%の緩やかな成長が続くという。これは主に新興市場や発展途上国などで普及が見込まれる携帯電話端末によるもので、しばらくブレ幅の少ない安定した伸びが見込めるとしている。 このため、同社も2007年は3%を若干下回る成長率でしか伸びない。しかし、今後はまだまだチャンスがあるといい、その一因としてTsai氏は、「医療分野では、新たに使い捨て半導体のようなアプリケーションが予定されているため」と挙げている。 また、新プロセスルールの開発についての継続的な投資については、2007年度に26億ドルを投資し、このうち5~6億ドルは研究開発費に充てるという。また、新規に500名以上のエンジニアの採用、9nmプロセスルールに対する先行開発なども行なっていると改めてアピールした。 プロセスルールについては、45nmのPC用高速製品が2008年初頭にリリースできる予定としており、「高速かつ大量に生産されることが既に決まっている」という。また、45nmプロセスをベースに40nmプロセスデザインルールを適用すれば、リニアシュリンクで10%のダイサイズ削減効果があるという。
日本における業績について、日本法人のTSMCジャパン株式会社 代表取締役社長 小野寺誠氏は、「TSMCジャパン設立10周年を迎え、累計900案件以上の量産テープアウトの実績、大学向けのCAPアカデミープログラムの好調により、現在は順調にシェアを拡大している。今後も顧客とのパートナーシップをよりいっそう深め、日本でのシェア拡大を目指す」と説明した。 質疑応答では、同社が競合他社に対してのアドバンテージについての質問がなされ、Tsai氏は「我々は半導体製造を専門にやっているが、顧客から見れば我々は製造業ではなくサービス業だ。よって顧客の成功が直接我々の成功に結びつくのが大きなアドバンテージ。また、IntelやIBMはCPU向けの製造技術しか持っていないが、我々はさまざまな半導体に適用できる技術を持っているのも利点だ」と答えた。 □TSMCのホームページ(英文) (2007年9月10日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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