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サンディスク本社のハラリCEOが来日
「日本市場は最も重要」
~国内宣伝キャラクターのゴマキも登場

9月6日 開催



 サンディスク株式会社は6日、新製品の発表と事業方針説明会を開催。米国本社のエリ・ハラリCEOが来日し、記者会見を行なった。

米SanDisk エリ・ハラリCEO

 同社は4日、東芝と共同で三重県四日市市の東芝四日市工場内に、300mmウエハに対応したNAND型フラッシュメモリ製造棟「第四製造棟」の竣工式を開催した。

 ハラリCEOは、「第四製造棟の稼働によって、我々は世界で最大のNANDフラッシュ生産体制を整え、今後起こるであろう、台湾、中国との競争に先んじていく。製造面に加え、市場としても日本は当社にとって最も重要な国」と強調。秋に発売する新製品も、タレントの後藤真希さんを宣伝キャラクターに起用した日本独自製品を販売するなど、日本市場での展開を強化する。

●バイクメーカー ドゥカティとのコラボ製品

 発表会では、バイクメーカーのドゥカティとの提携によって実現した「サンディスク Extreme Ducatiエディション コンパクトフラッシュ」、「同USBフラッシュドライブ」、「同SDプラスカード」、日本限定製品「クルーザー カラーズ プラス USBフラッシュドライブ」を紹介した。

 ドゥカティとの提携は、ワールドワイドで行なわれているもので、日本においても日本法人ドゥカティジャパン株式会社と協力し、店頭でのプロモーション活動などを行なう。

 ハラリCEOは、「ドゥカティと当社は、エンジニアリングに完璧を目指す姿勢と、グローバルなブランドであるという点が共通している」と説明。

 ドゥカティジャパンのファブリッツィオ・カッツォーリ社長も、「トップ企業同士の提携であり、パフォーマンス向上、イノベーションを続ける姿勢、そして常に勝ちたい! と願っている姿勢が両社は共通している」とした。

ドゥカティジャパン ファブリッツィオ・カッツォーリ社長 ドゥカティ エディション製品

 ドゥカティのデザインを活用した、「サンディスク Extreme Ducatiエディション コンパクトフラッシュ 4GB」(10月上旬発売予定、オープン価格)、「同8GB」(同)は、シーケンシャルの読み取り/書き込み速度が45MB/sec。従来製品のサンディスク Extreme IIIの2倍、Extreme IVよりも5MB/sec高速化された。

 使用温度範囲も拡大し、摂氏-25度から85度となり、南極や北極など極限状態でも利用できる仕様となった。シリコンでの密封により、堅牢性、耐久性向上を実現し、データリカバリーソフトウェア「Rescue PRO」を同梱。外装にもドゥカティのデザインを採用したプレミアムパッケージを採用している。

 「同SDプラスカード」(10月上旬発売、オープン価格)は容量4GBで、シーケンシャルの読み取り/書き込み速度は20MB/sec。SDカードとUSBメモリの機能を1枚のカードに集約し、通常はSDカードとして利用しながら、パソコンなどUSBドライブを搭載したデバイスがあれば、カードリーダーなしにデータ読み込みが可能となる。

 仕様温度は摂氏-25度から85度までで、通常はキーホルダー型ケースに収納しておくことができる。

 「同USBフラッシュドライブ」(10月上旬発売、オープン価格)は容量4GBで、ドゥカティのデスモセディチの燃料タンクを意識してデザインされたケースを採用。首から提げるためのプレミアムネックラニヤードが付属する。シーケンシャルの読み取り/書き取り速度は20MB/secとなっている。

●宣伝キャラクターのゴマキ登場

 宣伝キャラクターとして、後藤真希さんを起用した日本独自製品「クルーザー カラーズ プラス」は、容量1GB/2GB/4GBを用意。いずれもオープンプライスで、9月下旬の発売を予定している。

 1GB、2GBには10色のカラーバリエーション、4GBもブラック、ホワイト、ライトブルーの3色を揃えた。発表会には体調不良で活動を休養していた後藤真希さんも登場。「すっかり元気になりました!」と回復をアピールし、「実際に製品を見せてもらって色とりどりなのでビックリしました。個人的にはピンク色が気に入りました」と話した。

「クルーザー カラーズ プラス」のピンクを手に持つ後藤真希さん 豊富なカラーバリエーションを用意

●飛躍を続けるNANDフラッシュ市場

 NANDフラッシュの今後の可能性についてハラリCEOは、現在の市場規模が150億ドル規模で、それが2010年までに400億ドル規模になるという前提の上で、次のように説明した。

 「今後、NANDフラッシュのコストが下がることで、ノートPCの中で利用されるようになる。DRAMがなくなることはないだろうが、NANDフラッシュの台頭によって利用量が減ることは間違いない。NANDフラッシュがメモリの主流となり、DRAMは限定された利用に留まることになるのではないか」。

 中でもSSD(Solid-State Drive)が高い可能性を持っていることを強調。

 「NANDフラッシュの中でも、SSDには(駆動系の)部品が存在しないため、ディスククラッシュ、ノイズの発生が起きないというメリットがあり、省電力化が可能となる。すでにデルのノートPCへの搭載、IBMのブレードサーバーへの搭載が発表された。また、Intelが低コストPCにμSSDを搭載したが、低コストPCを実現するために、SSDのメリットが適していると判断されたためだ。こうした動きは、フラッシュメモリを利用する用途が大きく広がっていることを示す好例といえるだろう」と指摘した。

NANDフラッシュの用途拡大の可能性として、PC内でのNANDフラッシュ利用が拡大している実態を紹介 PCへのSSD採用も順調に拡大

 さらに、NANDフラッシュの市場拡大の鍵を握るデバイスの1つが携帯電話であると話す。「アップルのiPhoneの成功はご存知の通り。しかも、電話機としてだけでなく、マルチメディアプラットフォームとしても活用され、携帯電話機メーカーも多くが同様のデバイスを開発していくだろう」との見方を示した。

 その市場に対応するため、容量8GBのmicroSDカードを発表。同社として初めてハンドセットメーカー、携帯電話キャリア向けに出荷するもので、第4四半期(10~12月)の発売を予定している。

 「当社は、これだけ省サイズで容量の大きなものを量産できる世界で唯一の企業である。今後、5億台の携帯端末が発売されていく中、そのほとんどがmicroSDカードを搭載できるタイプとなる。当社は組み込み型NANDフラッシュ、リムーバブルタイプのフラッシュメモリカードの両方に対応し、この市場でリーダーシップをとっていく」(ハラリCEO)。

フラッシュメモリの需要拡大の大きな鍵となる携帯電話 携帯電話搭載のために8GBのmicroSDカードの開発も実現

 ハラリCEOは前日に竣工式を行った東芝四日市工場 第四製造棟については、「外資系企業で、日本での製造ライン作りに投資を行なっている企業は他にはない。実際の製造ライン作りには約2年の時間がかかるだろうが、この製造ラインによって現在は日産100万枚の出荷量を、10億枚まで拡大できるようになるのではないか。それによって、当社と東芝あわせて金額ベースで35%のシェアを、40%にまで拡大したい」とした。

 第五製造棟の可能性については、「第四製造棟の竣工式を行った段階で、今後の計画はまだ具体的に紹介できるものはない」とした。

 東芝以外のベンダーとの提携関係については、「製造ラインを持つための提携関係は、東芝が唯一。他にも提携を結んでいるベンダーは確かにあるが、東芝との関係には及ばない」と断言した。

 この第四製造棟の起ち上げのために、小池淳義氏がサンディスク日本法人の社長に就任した。小池氏は、ルネサス テクノロジーなど半導体企業での業務経験が長く、「品質、生産量共に、世界でナンバー1を目指したい」と抱負を語った。

東芝四日市工場内に世界最大の生産規模を持つ第四製造棟を竣工 「東芝との関係は他社に及ばない」と2社の協力関係の強さをハラリCEO自身が強調 サンディスク株式会社の社長に就任した小池淳義氏

□サンディスクのホームページ
http://www.sandisk.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sandisk.co.jp/news/070906_ExtIII_Ducati.htm
http://www.sandisk.co.jp/news/070906_CruzerColors.htm
□関連記事
【9月4日】東芝、世界最大級のNANDフラッシュ製造棟が完成
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0904/toshiba2.htm

(2007年9月6日)

[Reported by 三浦優子]

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