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インテル、デジタル放送のB-CASにかわるソフトCASの導入を目指す

米Intelのジェフリー・ローレンス氏

8月31日 開催



 インテル株式会社は8月31日、都内でプレス向けに「デジタル放送コンテンツの著作権保護とインテルの取り組み」と題した説明会を開催。その席上で、国内のハードウェアでデジタル放送の限定受信を行なう「B-CAS」に加え、ソフトウェアによるCASの導入を目指すことを明らかにした。

 説明会では、米Intel コーポレート・テクノロジー統括本部 コンテンツ政策・アーキテクチャー担当ディレクターのジェフリー・ローレンス氏が同社の取り組みを説明した。

 同氏は、コピーワンスから10回コピーへとルールが変更されたことについて、妥協の産物だがデジタルコンテンツの活用を促進するため歓迎しているとしながらも、アンケートからユーザーはデジタルに移行することで利便性が低下することを恐れている、と現状をまとめた。

 そして、家電やPCの性能向上により、ホームネットワークやリモートアクセス、IPを利用したコンテンツの再送信など、新たな利用形態が出てきており、ユーザーの体験をより良くするシステムと運用ルールが必要とした。Intelでは、MID(Mobile Internet Device)やSTBなどのコンシューマーエレクトロニクスデバイス、Ultra Low-Cost PCなど、より広範なデバイスにIntelアーキテクチャを搭載し、デジタルホームを実現することを理想としているという。

 その実現のためには、地上デジタル放送対応の受信機器が不足しており、その増加が急務。ハードウェアベースのB-CASでは台数が不足しているほか、ソフトウェアベースと比べて実装のコストが高いことを挙げ、ソフトウェアCASを導入することで受信対応機器を増加させ、2011年にデジタルへの移行をスムーズにすることが狙いとした。

ユーザーはデジタルに移行することで利便性が低下することを恐れている コンテンツのIP再送信やリモートアクセスなど、新しい利用形態が生まれてきている

●2008年にはソフトCASを実装可能

ソフトウェアCASによりPCやモバイルでの利用が可能になる
 ソフトウェアCASの導入は、運用基盤の整備と安価な受信機器を製造するためのルール見直しなど、ビジネス上の変更が必要だが、技術的には既に利用可能で、2008年には実装可能という。また、IPを利用した地上デジタル放送のコンテンツの再送信にも触れ、同様に運用ルールと標準技術を策定する必要があるとした。

 ソフトウェアCASは、ハードウェアベースのB-CASなどと同様に、著作権保護(コピー制御)機能を提供する。CASカードなどは不要で、チューナーやSTBに加え、PCやモバイルデバイスなどでもデジタル放送が視聴可能になるという。

 同氏は、「Intelは、ユーザーのエクスペリエンスをよりよくするというビジョンを掲げており、新しい利用形態を提案することでユーザーの利便性の向上をドライブすることを目指している。しかしどの技術が選択されるかは市場が決定する。そういった進化を止めない環境を作る、ガイドラインやフレームワークを作って欲しい」と語った。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/

(2007年8月31日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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