RTT、設計からマーケティングまで支援する製造業向け3Dソフトをデモ
8月28日 開催 独RTTは28日、都内で製造業向けのビジュアライゼーションソフト「RTT DeltaGen」のデモンストレーションを行なった。 RTTは、自動車、航空機および家電製品などのデザインや設計に向けたビジュアリゼーション(可視化)アプリケーションやサービスを手がけるメーカーで、設立は'99年。今回、同社最高経営責任者のクリストフ・カラシュ氏が解説を行なった。 DeltaGenは同社製品の中核をなすアプリケーション。DeltaGenは、設計のみならずマーケティングにまでデータを活用できるようになっており、カラシュ氏は「仮想的なプロトタイプ設計とデジタルマーケティングの橋渡しをするツール」と表現している。 具体的な流れを大まかに説明すると、デザイナーが描いたスケッチを取り込んでモデリングし、完成したデータを元に製造を行なう。今度はそのデータをもとに写実的にレンダリングした画像で、ポスターやCMの素材を作ったり、FlashなどインタラクティブなWebコンポーネントに落とし込むこともできる。 DeltaGenにはオプションでレイトレースや、光源処理を行なうモジュールも用意されており、リアルタイムで写実的な製品画像をデジタルで確認できる。実際、DeltaGenを導入したPorscheでは、車のテールランプの設計において、実物のプロトタイプの製造数が10から3に減り、工期は8カ月から5カ月に短縮され、コストは40万ユーロ削減できたという。
また、トータルソリューションとして、ソニーの4Kプロジェクタ「SRX-S110」などを含んだパッケージも用意されている。SRX-S110は、4,096×2,160ドットという超高解像度を実現した製品。 その制御にはOpteron 2220 SE(2.8GHz)を2基搭載した日本SGIのワークステーション「Asterism」と、NVIDIAのQuadro Plexが用いられている。Quadro Plexには、G80ベースのQuadro FX 5600が2枚内蔵され、AsterismとはPCI Express x16経由で接続。 1枚のQuadro FX 5600にはDVIが2個あり、計4個のDVIコネクタをすべてSRX-S110に接続し、1コネクタが2,048×1,080ドット分を描画する仕組み。それぞれのコネクタからの出力を同期させるために、Quadro Plexには「G-Sync」と呼ばれる専用のカードも実装されている。 デモで用意された車のデータには外観のみならず、内装からエンジンまですべての要素のデータが組み込まれており、近寄ると塗装の粒状感や、シートの素材の微妙な凹凸具合まで表現されていた。
□RTTのホームページ(英文) (2007年8月29日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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