TurboUSB搭載の外付け20倍速スーパーマルチを試す
発売中 価格:13,125円 株式会社バッファローから、USB 2.0接続の20倍速DVDスーパーマルチドライブ「DVSM-X1220U2」が発売された。本製品は、同社の独自技術「TurboUSB」を搭載し、書込み時のUSB転送速度のボトルネックを解消した製品だ。 TurboUSBについては、外付けHDDとUSBメモリの2種類の製品について紹介した。結果を改めておさらいしておくと、TurboUSB無効時ではUSBの実効転送速度は最大30MB/sec前後だったが、有効にすると40MB/sec前後までに向上するという結果だった。 本製品は、光学ドライブに日立LGデータストレージ製の「GSA-H55N」を採用しており、20倍速書込みに対応している。20倍速は数値に換算すると27.7MB/secで、USBのバンド幅でも十分なはずだが、同社の測定によれば、17倍速前後で頭打ちとなるという。これはDVD±R書込みコマンドなどによるオーバーヘッドが、HDDなどの製品と比較して大きいからだと思われる。
そこで同社は、TurboUSB機能を本製品に付加し、USBの実効速度を向上させボトルネックを解消することで、20倍速書込みを実現したという。実際、製品パッケージの背面にもベンチマーク結果を掲載しており、TurboUSBの効果をアピールしている。今回この効果の有無について検証したい。 また、現在市場に出回っている20倍速対応の外付けDVDスーパーマルチドライブは、本製品以外に、LITEON製の「LH-20A1PX」がある。TurboUSBを搭載しないLH-20A1PXでも20倍速書込みが実現できるか気になるところだ。今回はLH-20A1PXも入手したので、比較用にベンチマーク結果をお届けする。
測定環境は、CPUがCore 2 Duo E6600(2.40GHz)、メモリ2GB(PC2-5300)、Intel 945G Expressチップセット、ビデオカードにGeForce 7900 GT(256MB)、320GB HDD(7,200rpm)のPCを採用した。OSはWindows Vista Ultimate。テストに使用したソフトは「Nero CD-DVD Speed 4.7.5.0」。 ●TurboUSB無効時ではUSB 2.0の実帯域がボトルネックに まずは、本製品をPCに接続し、TurboUSBやユーティリティなどを一切インストールしない状態で計測を行なった。最初に試用したメディアは20倍速推奨とされている三菱化学製の16倍速対応のDVD+R。
結果は5分26秒。グラフを見ればわかる通り、内周から書込み始めて2.4GBのところで16倍速に達したが、それ以降は不安定で速度が伸びず、場所によっては13倍速前後までに落ち込んでいる。後半もモーターの回転速度を徐々に落としており、16倍速を超えることはほぼなかった。 次はDVD-Rを計測した。使用したメディアはやはり20倍速書込み推奨品とされる三菱化学製。
結果は4分58秒。DVD+Rのグラフと比較して、書込み始めてから2.8GBのところで17倍速に達したのでやや高速だが、その後は不安定なグラフとなった。こちらもDVD+Rと同様にモーターの回転速度を徐々に落としおり、最大17倍速までしか伸びない。やはりUSB 2.0の実帯域幅がボトルネックになっているようだ。 続いてLITEONのLH-20A1PXでDVD-Rを計測してみた。なお、三菱化学製メディアで試したところ、16倍速でしか書込みできなかった。ファームウェアをKL0GからLK0Nにアップデートしても対応しなかったため、太陽誘電製の16倍速対応品を使用した。独自ユーティリティで設定できる「SmartBurn」、「HyperTuning」、「OverSpeed」などの機能はデフォルトでOFFのままにしている。
結果は5分15秒。3GBのところで17倍速に達するが、その後3.3GBまでは不安定な書込みが続き、それ以降はモーターの回転速度を1段落として15倍速前後で書き始め、終盤で16倍速になるCAVに変更していることがわかる。DVSM-X1220U2のグラフと比較してやや異なる特性といえるが、相変わらずUSBがボトルネックであることは言うまでもない。 ●TurboUSB有効で20倍速の実力を発揮 次に、DVSM-X1220U2付属のCDから高速化ユーティリティ「TurboUSB for DVD」をインストールした状態で測定することにした。 インストールは至って簡単で、付属のユーティリティCD-ROMに収録されている「簡単セットアップ」から「TurboUSB機能を有効にする」を選び、後はウィザード通りに従えばTurboUSBが有効になる。ただし、TurboUSB対応HDD製品と違いOSの再起動を必要とするので注意されたい。 なお、インストールした後はHDD製品と同様に、TurboUSBの無効化やアンインストールが可能。また、デバイスマネージャでも本製品は「USB 大容量記憶装置(TurboUSB)」の下に接続されていることになる。
次にTurboUSB機能を有効化した状態での測定を行なった。まず試したのはDVD+R。試用したメディアは先ほどと同様に三菱化学製の16倍速対応品だ。
結果は5分8秒。グラフは右肩上がりとなり、終了位置は20.33倍速と好成績を残した。TurboUSB無効時と比較しても18秒短縮されており、TurboUSBの恩恵に授かっている。ただしグラフは無効時と比較して小刻みに上下に揺らいでおり、なんらかの処理を行なっているように見える。 DVD-Rについても同じ三菱化学製の16倍速対応品を使用し、計測してみた。
結果は4分37秒で、バッファローが公開している結果とまったく同じタイムとなった。グラフが小刻みに上下に揺れる点はDVD+Rと同様だ。無効時との比較では21秒も短縮されており、ここでもTurboUSBの優位性が現れている。 なお、本製品に搭載されたドライブではDVDの読込み速度が最大16倍速留まりとなっている。このため残念ながらTurboUSBの高速化の恩恵を受けることはできない。
以上の結果から明らかなとおり、本製品はTurboUSBを活かし、20倍速書込み対応ドライブの性能を外付けでフルに発揮できる市場で唯一の製品だ。DVD-Rで4分37秒という性能も文句なしであり、最速を求めるユーザーにお勧めできる。外付けでとにかく速く書けるドライブが欲しいユーザーは、購入を検討してみてはどうだろうか。 □バッファローのホームページ (2007年7月17日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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