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マイクロソフトなど9社、Windows+Servicesの新団体発足



 マイクロソフト株式会社ら9社は6月27日、Windowsプラットフォームとサービスを利用する際に課題となる、アプリケーション間の相互運用性確立などの実現を目指し、新しいコミュニティ「Wipse(ワイプス)」を発足した。

 Wipseは、Windows+Servicesの略で、マイクロソフトが昨年から推進しているWindows+Servicesの普及啓蒙活動を行なう。発足メンバーは、マイクロソフト、イースト、シーイーシー、東証コンピュータシステム、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日本ユニシス、日立ソフトウェアエンジニアリング、富士通の9社。

 正式発足前から一部企業に対し先行参加を呼びかけ、現段階で40社が参加を表明している。活動の中心となるのが部会で、すでに「Open XML部会」、「Windows Live API部会」、「Silverlight部会」、「Windows Server System Reference Architecture(WSSRA)部会」の4つの部会の誕生が決定している。

 コミュニティの会長には、東証コンピュータシステムの松倉哲社長が就任。年会費(2007年10月から2008年9月)は6万円。

 松倉会長はWipse発足の背景を次のように話した。

 「マイクロソフトの技術を高く評価したメンバーが'90年代からコンソーシアム活動に取り組み、Wipseもその一環として新団体に取り組む。これまでには大きく3つの団体があった。'90年から2002年まで活動していたのが『Windowsコンソーシアム』。'90年代はWindowsアプリケーションをどう開発するのか分からない時代で、開発に必要となる技術やツールを日本に紹介すると共に、マイクロソフトと共に、日本で作られたアプリケーションの展示会を米国で実施するなど、アプリケーション作りのための支援活動を行なった。Windowsアプリケーションがこれだけ増えたのもコンソーシアム活動の成果ではないかと自負している。2003年から2007年には、.NETコンソーシアムを発足し、.NET製品、サービスの普及、啓蒙活動に取り組んだ。新団体では、最近になって新しく登場しているテクノロジーの普及啓蒙などを行なっていく」。

Wipseの会長に就任した東証コンピュータシステム社長 松倉哲氏 新団体の概要

 具多的な活動内容については、事務局長に就任したイーストの下川和男社長が説明した。

 「最近になって、Open XML、Windows Live API、Silverlight、WSSRAなど新しいテクノロジーが山のように出てきている。その中で相互運用性の確立が欠かせない課題となってきた。異なる会社同士がマッシュアップでつながっていくためには、相互運用実験などの場が必要となる。コミュニティはその場を提供すると共に、マイクロソフトから提供される技術情報をさらに議論し、新技術を積極的に取り込んでいく。議論などはSNSやブログを活用し、クローズな情報交換だけでなく、一般にも情報を公開して普及啓蒙活動を進めていく」。

 また、新コミュニティに対して、マイクロソフト日本法人の最高技術責任者である加治佐俊一氏が、マイクロソフトが力を入れているOpen XMLについて説明した。

 「マイクロソフトでも、ソフトウェア+サービスを推進しており、データ、アプリケーション、サービスなどをシームレスにつなぐ必要性を実感している。HTMLの先にあるのがXMLで、マイクロソフトとしてXMLに基づく文書フォーマットの相互運用実現のために作ったのがOpen XML。世の中にはOfficeで作られた文書が多数存在し、OfficeがOpen XMLというフォーマットを採用することで、新しいソリューション誕生の可能性が広がった」

Wipseの事務局長に就任したイースト社長 下川和男氏 新団体の活動内容 マイクロソフトの加治佐俊一最高技術責任者

 この後、Open XMLを活用したソリューションを開発している日本のベンダーとして、「Open XML Reader(仮称)」を開発したスカイフィッシュ、「Data Spider」を開発したアプレッソ、「DocuDyne」を開発したインディゴの3社を紹介した。

 最後にマイクロソフト自身が開発したビデオや音楽、アニメなどの配信に適したクロスプラットフォームのプラグインソフト「Silverlight」のプレゼンテーションが行なわれた。Silverlightはサーバーの種類を問わず動作するプラグインで、Windows版のサイズは1.38MB。PowerPC版、Intel版の両方が入っているMac版はその倍のサイズとなっている。

 .NET Frameworkベースの開発環境を利用することが可能で、XAMLによるデザインと開発の分離を実現したことで柔軟なプログラミングモデルを実現している。低コストでDRMをかけたビデオ配信を行なうことが可能で、フルスクリーンだけでなく、画面の一部のみを利用することもできるため、FLASHとの併存も可能となる。

 日本では9月に開催されるイベント「Remix07」で詳細が発表される予定だが、ロードマップとしては、夏に1.0の提供が開始される予定となっている。

マイクロソフトとしても相互運用性を重視しておりその第一弾ともいえるのがOffice2007に採用されたOpen XML マイクロソフトの「Silverlight」は、ビデオや音楽などの配信に適した、クロスプラットフォーム対応のプラグイン Silverlightのプログラミングモデル
Silverlightのロードマップ Silverlightを使って作られたサイト。TVでよく使われているような複数画面を再生できる

□Wipseのホームページ
http://wipse.jp/
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/ja/jp/default.aspx
□プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3110

(2007年6月27日)

[Reported by 三浦優子]

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