マイクロソフト、ホームユーザー向け検定試験と
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6月1日より順次提供開始
マイクロソフト株式会社は、各地域でインターネット、ブログ、デジタルカメラなどの使い方を教えるインストラクター資格「マイクロソフト認定ICTマスター」を6月1日に、ホームユーザー向け検定試験「マイクロソフトICT検定(愛称:マイ検)」を7月からスタートする。
「マイ検」は、これまでマイクロソフトが提供してきた技術者やオフィスワーカー向け検定制度とは異なり、シニアや主婦、子ども達らが家庭でPCを活用する際に必要なスキルを認定する資格制度となる。受験料は1回の試験当たり5,000円で、7月のスタートから1年間で3万人の受験を目標としている。
さらにマイ検の受験者を教育するインストラクターを認定する「マイクロソフト認定ICTマスター」を、初年度で2,000人、ホームユーザー向けトレーニングを行なうスクール「マイクロソフト認定ICTスクール」を全国300拠点、ICTマスターを養成するためのトレーニング機関「マイクロソフト認定ICTマスター トレーニングセンター」30拠点の開設も進める。
SMS&P Plan-J推進本部 市場開発部 森本登志男部長 |
「これまでマイクロソフトが進めてきたスキルアップフレームワークでは、ホームユーザー向けのものがすっぽり抜け落ちていた。ホームユーザーの勉強の場として、NPOや小規模のスクールによる研修制度はあったものの、マイクロソフトからの支援は全く行なわれてこなかった。そのため、新しいハードウェアの調達や適切なトレーニングプログラムの提供といった部分が欠けていた」(SMS&P Plan-J推進本部 市場開発部 森本登志男部長)として、これまで手薄だったトレーニングプログラムの拡充を行なう。
マイクロソフト自身が全国IT推進計画などで地方の企業、自治体などと接する中で、「地方都市では、県庁所在地以外にはIT企業が全くないというところも存在する。そういった場所では、人材が足りず、全くITに接して来なかった人を教育するのは、手間とコストがかかり、誰も本格的に人材育成に取り組んでいなかった」(森本部長)と説明。
ホームユーザー向けトレーニングを実施し、スキルが高い人材が育っていけば、「地元の自治体や企業を支援する人材の増加にもつながるのではないか」(森本部長)との見通しを示している。IT関連企業が多い都市部だけでなく、地方にもICTスキルをもった人材を全国で増やし、Plan-Jで進めているNPO、学校、中小企業、自治体の活性化にもつなげていく計画だ。
マイクロソフトが考えるスキル用プログラムのフレームワーク | 単なる資格認定だけでなく、Plan-Jに基づき社会との連動を重視 | 既存の資格制度を含めた新資格の位置付け |
ICTに馴染みがない人にもわかりやすい制度とするため、ロゴ、コンテンツなどは新たに作った。コンテンツについては、「これまでラーニング制度を実施してきた経験上、今回の新資格に欠かせないのが、クォリティの高いスクール向けコンテンツと、インストラクターのスキルの2つ。コンテンツについては、マイクロソフト自身がクォリティの高いコンテンツを全国に提供する。インストラクターについては、最初はマイ検からスタートして、やがてインストラクター資格を目指す人も増やしていきたい」(テクニカルソリューション推進本部 ラーニングソリューション部 内野良昭シニアマネージャー)と説明している。
また、6月1日から7月31日までの期間限定で提供するWindows Vista、Office Standard 2007の60歳以上のユーザー向け「シニア割パッケージ」との連動も計画しており、シニア層のICT活用を支援していく。
今回の施策を実施する背景を業務執行役員 テクニカルソリューション推進本部 瀬戸口靜美統括本部長は次のように説明した。
「企業として、プロフェッショナルや技術者向け資格制度は整えてきたものの、全くICTに馴染みがない人が気軽にデジタルカメラの使い方を学べるような施策は十分に実施しているとはいえない。さらに、'99年頃から進めてきた地方のお客様の声を聞く活動の中で、まだまだICTスキルをもった人材が足りず、地方自治体や中小企業、NPOなどのIT化が十分に進んでいない要因ともなっている。今回の施策が今後市場が拡大する、中小企業支援などと共に、社会貢献活動の礎となるものと考え、取り組んでいく」。
テクニカルソリューション推進本部 ラーニングソリューション部 内野良昭シニアマネージャー | 業務執行役員 テクニカルソリューション推進本部 瀬戸口靜美統括本部長 | マイクロソフトが実施しているラーニング制度一覧 |
今回発表の資格及びスクールプログラムのコンセプト | 新資格の取得ステップ | 今後予定している展開 |
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ホームユーザー向け新資格制度の案内ページ
http://www.microsoft.com/japan/learning/ict/default.mspx
(2007年5月30日)
[Reported by 三浦優子]