5月28日　発売

　株式会社レーベルゲートは28日、Windows Media Player 11(以下WMP11)上での音楽配信サービス「mora win(モーラ ウィン)」のサービス強化を、9月下旬より順次開始すると発表した。

　「mora win」は、WMP11のおすすめオンラインストアとして、標準で直接サービスにアクセスできる音楽配信専門のオンラインストア。新たにプレイリストのツリーとしてプレイヤーの上部に表示されるようになるほか、以下の機能が追加される。

　「Word Wheel」は、mora win上にあるコンテンツ一覧などのインデックスをローカルPCと同期し、ローカルで高速な音楽検索を可能にする機能。Windows Vistaに搭載されている検索機能と同様、アーティスト名や楽曲名を入力するとリアルタイムに検索結果が表示され、アルバムのジャケットを確認することが可能。

　また、現在再生されている楽曲に応じて、mora winのおすすめ曲が自動表示される「自動レコメ」機能が追加される。

　J-WAVEが運営するインターネットラジオ「Brandnew-J(ブランドニュージェイ)」と連携し、Brandnew-Jで聴いている音楽をmora winで購入できるボタンが追加され、ユーザーはシームレスにダウンロード購入することが可能になる。

Media Playerのプレイリストツリーに統合される	Word Wheelにより検索結果をリアルタイムに絞込み。ジャケット写真も表示される	現在再生している曲に応じて同ジャンルまたは同一アーティストの曲などを推奨する
Media Playerのプレイリストツリーに統合される	音楽ファン向けSNS「PLAYLOG」に再生履歴をアップロードし、そのユーザーの趣向がわかる仕組みも用意	アニメなどのビデオクリップも配信開始する

　音楽ファン向けSNS「PLAYLOG(プレイログ)」では、新たにWMP11で聴いた音楽の再生履歴がブログに表示されるようになる。これによりユーザー間の音楽のコミュニティの広がりが期待されるとしている。

　このほか、ビデオ配信も拡充され、現在ある音楽のビデオクリップに加えて、アニメ作品などのビデオをダウンロードして、PCやポータブルデバイスで鑑賞することが可能。さらに、Vista Home PremiumとUltimateに搭載されるMedia Centerの機能であるメディアオンラインに対応した音楽配信サービスを提供する予定としている。

●音楽の新“ハッケン”

マイクロソフト株式会社 執行役常務 デジタルエンターテイメントパートナー統括本部担当の堺和夫氏

　マイクロソフトが同日に都内で開催した記者発表会では、マイクロソフト株式会社 執行役常務 デジタルエンターテイメントパートナー統括本部担当の堺和夫氏が挨拶した。

　同氏は、音楽業界への貢献に対する同社の取り組みについては、「技術とプラットフォームを提供しているにすぎない」と指摘。そのため、「コンテンツのダウンロードを行なうサービスパートナー、およびPC連携と連携できるポータブル音楽デバイスパートナーシップを組むことで貢献を実現している」と説明した。

　今回のパートナーシップに関しては、「レーベルゲートに、マイクロソフトのOS向けに特化したサービスを提供してもらうことで、OSとソフトウェアおよびサービスの融合が実現し、音楽業界に大きく貢献できる第一歩となった」と述べた。

マイクロソフトと各社のパートナーシップにより音楽業界の成長を推進	株式会社レーベルゲート 代表取締役社長 今野敏博氏	テクノロジーの進化に伴う音楽の進化

　株式会社レーベルゲート 代表取締役社長 今野敏博氏は、「音楽はテクノロジの進化とともに、録音技術、流通技術、再生技術が進化してきた。2006年は、音楽のダウンロードによる売上高が535億円に達し、CDシングルの売上げを初めて上回った。今後は音楽配信の市場のさらなる拡大が見込まれる中、マイクロソフトとの協業により基盤を築くことができ、大変嬉しく思う」と語った。

　9月より提供する新機能について同氏は、「いずれの機能も、ユーザーが自分の知らない新しい音楽を“ハッケン”することをコンセプトに開発された。我々からの“おすすめ”に加えて、ユーザー間同士で行なわれる音楽情報の共有により、音楽を購入する機会が増え、音楽配信市場の拡大に期待したい」とした。

　株式会社J-WAVEのメディア開発局長 佐藤祟氏は、「今回mora winとの相互リンクにより、リスナーは欲しい曲を欲しい時に購入できるようになる。現在我々のユーザー数は24万人いるが、WMP11およびmora winとのパートナーシップを組むことでユーザー数を増やすとともに、音楽業界に貢献していきたい」と語った。

　株式会社東芝 デジタルメディアネットワーク社 モバイルギガ事業部 商品企画部 部長 稲葉均氏は、「本日、我々はポータブルメディアプレーヤー“gigabeat V401/V801”を発表するが、大容量HDD、独自の画質改善回路を盛り込んだ4型WQVGA液晶、Windows Enbedded CE搭載によるVistaとの連携性の向上、H2Cテクノロジーの強化による音質の改善などを施した。ビデオの再生にも対応しており、今後mora winで配信される動画コンテンツも楽しむことができる」とアピールした。

株式会社J-WAVEのメディア開発局長 佐藤祟氏	Brandnew-Jのプログラム
株式会社東芝 デジタルメディアネットワーク社 モバイルギガ事業部 商品企画部 部長 稲葉均氏氏	gigabeat V401/V801の主な概要
発表会で展示されたgigbeat V401	NTTドコモのWindows Media対応携帯電話「904i」シリーズも

　最後にマイクロソフト Windows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン氏は、「Windows Vistaは発売して以来、これまでにない速度で対応互換性情報が増えているだけでなく、Vista専用のサービスやコンテンツも増加しつつある。Vistaのラインナップの中でもHome Premium搭載機の出荷が増えていることからもわかるよう、ユーザーは新しいデジタルライフを理解しつつある。今回レーベルゲートとの協業は、このデジタルライフの提供の充実向けた第一歩になった」と語った。

マイクロソフト Windows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン氏	Vista発売後の互換性情報の追加	Vista専用サービスの増加

□レーベルゲートのホームページ
http://www.labelgate.co.jp/
□mora winのホームページ
http://morawin.jp/
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/ja/jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3070

(2007年5月28日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]