インテル、WiMAX技術進捗の好調をアピール
4月9日 実施 インテル株式会社は9日、都内で記者向け説明会を開き、WiMAXの概要およびインテルの取り組みについて説明を行なった。 冒頭で、同社 事業開発本部 本部長 宗像義恵氏は、「現在、世界のPCユーザーは10億人いるとされているが、当社ではIntel World Aheadプログラムと呼ばれるプログラムを実施しており、“次の10億人”を獲得するためにさまざまな取り組みをしている」と説明した。 その具体的な例として、デジタルヘルス分野への進出や、廉価なPCプラットフォームの開発、PCを活用できる人材の育成プログラム、コンテンツ分野の協業などに加えて、「先進国だけでなく発展途上国でも、ユーザーがネットワークによって情報を得ることが、次の10億ユーザーを得るためにもっとも重要な課題だと認識している。そこで、当社では無線や有線によるブロードバンド技術の開発、およびプラットフォームの提供をしている」と語った。
●WiMAXの進捗は好調 同社 研究開発本部 シニアリサーチャー 庄納崇氏は、WiMAXの概要および進捗について説明した。 同氏はまず、ノートPCに「Centrino」プラットフォームを推進して以来、2007年度ではノートPCへの無線LAN搭載率がほぼ100%になったことを挙げ、「WiMAXは、モバイルPCの真価を発揮できるものだと確信しており、今後当社はWiMAXを搭載したプラットフォームの提供を行なっていく」と説明した。
WiMAXの技術については、現在、山村部など回線工事が進んでいない場所など、固定アクセス向けの「IEEE 802.16-2004」、利用場所を限定せずモバイル環境で利用可能な「IEEE 802.16e」規格の2つが策定されており、利用形態は違うものの、いずれもプロバイダから提供され、フルIPが割り当てられるものになるという。
WiMAX技術の推進および標準化は、インテルを中心にIEEE 802.16ワーキンググループおよびWiMAXフォーラムなどが設立されており、立ち上げや検証も順調だという。特に互換性を検証するWiMAXフォーラムでは、多くのサービスプロバイダが参入しており、「WiMAXに対する関心度の高さと意気込みの強さがある」とした。
また、現在WiMAXは、OFDMまたはOFDMA/MIMO-OFDMA技術をベースとしており、3Gの携帯電話ではW-CDMAまたはHSPAなどをベースとしているが、3.9Gと呼ばれる携帯電話ではMIMO-OFDMA技術をベースとしたものも存在しており、「2010年以降の4GではWiMAXと携帯電話の統合が進むかもしれない」と述べた。 一方、WiMAXが利用する周波数帯に関しては、ITU-Rで議論されており、世界標準規格を定めることで、世界各国で利用できるよう討論されているという。これは主にローミングサービスに対応させるためとしている。 日本でも、2006年2月に総務省で広帯域移動無線アクセス(BWA)委員会を設立し、10月にBWA委員会が提出した報告書が認証された。2007年第2四半期にも周波数帯割り当て計画を含む免許方針案を発表する予定で、2008年の後期には各事業者がサービスを提供開始するという。 インテルの今後のWiMAX対応製品の展開に関しては、2007年中にWiMAX対応外付けカードを出荷し、2008年にはPCや各種デバイスへの内蔵化、2009年以降はグローバルローミングに対応した製品を出荷するとした。
□インテルのホームページ (2007年4月9日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|