NXP、FeliCa/Mifare両対応でNFCを推進
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NXP社長兼最高経営責任者のフランス・ファン・ホーテン氏 |
4月3日 発表
NXPの事業概要 |
NXP Semiconductorsは3日、都内でプレス関係者向けに事業説明会を開催し、社長兼CEO(最高経営責任者)のフランス・ファン・ホーテン氏が同社の業績と戦略を説明した。
NXPは、Philipsより2006年に分社化されて設立され、Philipsの半導体事業とその技術者を継承している。同氏は、「Philipsは53年前にスタートして、2006年に分社した。これは53年の経験を持つスタートアップ企業のようなもの」とNXPを評する。
重点分野は、認証技術(アイデンティフィケーション)と自動車関連製品(オートモーティブ)中心に、ホーム、モバイル機器、汎用半導体の5つ。自動車関連製品についてはホームエンターテイメントを自動車に持ち込み、DSP(Digital Signal Processor)の性能を活かして訴求するとともに、欠陥ゼロと高品質で安全性にも配慮していくという。
認証技術分野では、ソニーとの合弁会社設立について説明。NXPが世界に提供しているMifareとソニーのFeliCaの双方に対応することで、コンシューマ向けアプリケーションの採用を加速、同時に日本の先進的なアプリケーションを海外に輸出するのが狙い。また、NXPは日本市場に進出しローカルのマーケットにチップを提供することで利益を上げる。ユーザーは国内外の標準仕様に対応したカードを利用することで、国境を越えた決済に対応できるというメリットを享受できる。そのほか、成長が見込まれるバンキング・アプリケーションへも展開する。
5つの重点分野に注力 | 5つの分野に革新をもたらす製品を提供 |
同氏は、NXPはPhilipsの子会社ではなく独立した会社であること強調。その背後には投資ファンド(Private Equity)があり、そのバックアップによる高速な事業スピードと、豊富な資金によるM&Aの優位性をアピールする。その一例としてSilicon Laboratoriesの移動体通信事業を買収を挙げた。
同社は、事業の効率化とポートフォリオ管理を進めることで、企業力を向上させること事業戦略をとっている。半導体事業には300を超える分野があるが、「勝者総取り」の市場傾向があるため、各分野で1~2位を執ることが重要であるとする。その上で、M&Aや事業の売却を行なうとともに、300mmを超えるウェハや90nm以降のプロセスではアウトソーシングを行ない、事業分野を取捨選択して効率化を図る。加えて、ポートフォリオ管理とR&Dへの投資で重点分野でのポジションを確保するとした。
2006年の財務実績は、市場平均の8%を上回る9%の売り上げ成長を達成した。また2億5,000万ユーロのコスト削減目標や、5~15%のEBITA(営業利益)の改善を達成したという。2007年第1四半期のEBITAは6.6%だった。日本市場においては、3年間で売り上げが約2倍になるとともに、2006年は25%の成長を達成した。日本市場は現在NXPの収益の10%程度にあたるが、デジタル放送やNFC(Near Field Communication)などNXPの事業との関連性が高く、日本発のトレンドが他の地域に波及することもあり、そういった観点から日本を重要な市場と位置付けて関係を強化していきたいとした。
進行中の改善計画 | 事業効率改善をねらう | 日本市場での成長 |
□NXPのホームページ
http://jp.semiconductors.philips.com/
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http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/32038.html (ケータイ)
(2007年4月3日)
[Reported by matuyama@impress.co.jp]